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Saturday, March 31, 2007

KOKAMI@NETWORK vol.9『僕たちの好きだった革命』

Revolution_1 【3月31日特記】 KOKAMI@NETWORK vol.9 『僕たちの好きだった革命』を観てきた。東京公演から始まって、今日明日の梅田藝術劇場シアター・ドラマシティで終わり。

今日はいろんなことが繋がった。

劇場に入ったらパンフ売場の横に演出の鴻上尚史さんがいたのでご挨拶。「ご無沙汰してます。憶えてますか」と話しかけたら、「ああ、誰だっけ、誰かだよね」。幸いにして名乗ったら思い出してくれたので、共通の知人の消息など二言三言。別れ際に僕の顔をじっと見て「おっさんになったね。ま、これはお互い様か」と笑っていた。

鴻上さんの芝居を見るのは92年1月14日の第三舞台『天使は瞳を閉じて』以来。鴻上さんとは多分その後2000年2月5日のパーティでお会いして以来だと思う。これが最初の繋がり。

幕が上がる前に、と言うか開演前から幕は上がっているのだが、すでに舞台上には何人もの役者がいて気ままにいろんなことをしている。サッカーボール蹴ってる奴、ギター弾いてる奴、おしゃべりしてる奴。客席通路から三々五々他の役者が加わって舞台上の人数が増える。知らないうちに鴻上さんまで舞台に上がって中村雅俊と談笑したりしてる。

これはなかなか新しい手法である。

すると、鴻上さんたち4~5人がやおら上手の一番前に座り込んで歌を歌いだした。左右をギターを持った大高洋夫と陰山泰が囲み、その右に片瀬那奈ら。で、最初に歌ったのがなんと加川良の「教訓Ⅰ」──僕はこの歌について3日前に書いたばかりだ。これが2つ目の繋がり。

やがてブザーが鳴り響き、場内アナウンスがあって、幕は上がったまま芝居が始まる。これは途中15分の休憩を挟んで再開するときも同じ(中村雅俊が「もう、いいすか?」と観客に了解を求めてから台詞を言い始めた)。

歌舞伎が演劇の絶対的代表であった頃、役者は観客に向かって見得を切っていた。「それはおかしいだろう」ということで、役者の四方に壁があるという前提で始まったのが新派・新劇の世界である。時代が下って、役者はまた観客を意識し始めた。観客に向かって語りかけ、思いっきり観客にアピールする。今日の芝居もまさにそういう作品だった。ファンサービスたっぷりの作品だった。

1969年学生運動華やかなりし頃、学園紛争の真っただ中、アジ演説中にガス弾に撃たれ植物人間になっていた山崎(中村雅俊)が30年後の1999年に意識を取り戻し、元の高校に復学する。運動の同志であり憧れの先輩だった兵頭(大高洋夫)は母校の教頭になっていた。そして同級生にはかつての学友であり同志であった文香(長野里美)の娘・未来(片瀬那奈)もいた。

山崎は69年の高校生そのままの熱さで「学友諸君」に語りかけ、69年当時のロジックで物事を進めようとするので、99年の同級生たちとはまったく波長が合わない。でも、そんな中で彼は学友たちをとりまとめ、学校側の横暴に立ち向かおうとする──そんな筋だ。

笑えて、そして胸が熱くなる。

良い台詞がいっぱいあった。

未来:「のぞみがまたここに戻ってきたいって言うんだけど」
山崎:「いいよ。大歓迎だ」
未来:「どうして? あの娘、裏切ったのよ」
山崎:「裏切ったんじゃない。自分に負けただけだ。何度負けてもいいんだ。最後に勝てばいい」

とか、アルコールや硫酸の瓶を持ち出した未来に対して、

山崎:「我々は正しく戦って正しく負けなければならない」

とか、「我々は時代に裏切られたんだ」と嘯く兵頭に対して、「あなたの今の生きるテーマは何なんだ」と切り返す山崎とか・・・。

いやあ、ガツンッと来たぜ。じーんと来たぜ。

3回目のカーテンコールは観客総立ちのスタンディング・オベーションだった。こんなことも珍しい。

この芝居は堤幸彦が企画・原案、鴻上尚史が企画・原作・脚本なのだが、パンフに載っていた堤・鴻上・中村の対談の中で、

堤: 「ほら、俺たちってもう怒ってくれる人がいないじゃないですか(後略)」
鴻上:「やる以上は怒ってくれる人につかなくてはいけないわけだ」

──これは僕が昨日書いた記事に対する解の1つである。これが3つ目の繋がりだった。

僕も怒ってみよう。若い人たちが正しく負けるために。

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