To put it down (書くことの効能)
【2月16日更新】 会社で何等かの仕事を進めて行く中で、「紙に書け(まとめろ)」と言われると露骨に嫌な顔をする連中がいる。特に上司が例えば経営陣に説明するに当たってそういう業務命令を出したときに抵抗感は極大化する。これはウチらだけの特徴なんだろうか?
ウチの会社で働いている人たちの頭の中には「俺は頭の柔らかい会社に就職したんだ」という意識が強くあるみたいで、どうやらそれがこの拒否感に繋がっているみたいだ。
彼らが口の中でモゴモゴ言っている不満はおよそ次のようなことである。
- なぜ紙という形式にこだわるのか?
- 何かにつけて書類にしろと言うのは官僚的な悪弊である
- そんなことで余計な仕事を増やさないでほしい
- 紙がなければ上司に説明もできないのか!?
- とにかく面倒くさい
僕はそれを横目で見て、「ふーん」と思う。頭の中にあるだけの、言葉にしては消えて行っているアイデアや計画や現状分析を、改めて紙の上に落とし込むという作業には大きなメリットがあるのになあ・・・と思う。
まず、自分の頭の中が整理される。今進めているのが重要な案件であればあるほど、それは今後何度も説明する羽目になる。そのためにも、たとえ何度も語ったことであっても、一度紙の上に落としてみることは論点の整理に非常に役立つ。
そして、一度文書にしておけば、それは今後も流用が効く。次の説明の際にはそのまま、あるいは少し手直しして、また別件の資料を作るときにも部分的に流用できる可能性がある。
そして、紙の形で手渡された上司は容易に逃げが打てなくなる──「聞いてない」とか「ちゃんと聞いてない」とか「正式に聞いてない」とか・・・。加えて、手渡された上司は、それを放置しにくい状況に追い込まれる。畢竟それはかなり確実に上に届く。
そして、何よりも大きいのは、話した言葉ではなく書いた文字や図解にしておくと、報告が上へ上へとリレーされて行く過程でニュアンスが曲がってしまう可能性が小さいということだ。
僕は、生来文章を書くことが好きだからかもしれないが、「紙にしてくれ」と言われると「チャンス!」と思ってしまう。
──とまで書くと、ちょっとカッコ良すぎるのかもしれないが(笑)
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