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Friday, January 26, 2007

NHKスペシャル『 "グーグル革命"の衝撃』に思う

【1月26日特記】 録画したまま放ってあった『 NHKスペシャル “グーグル革命”の衝撃』(1/21放送、だったかな?)を観た。

部下が「そんなに面白くなかった」と言っていた通り、目新しい話はほとんどなかった。ま、普段そんなにインターネットに接していない視聴者を念頭に置いているから、それは仕方がない。

テーストとしては、なんか「驕り昂ぶるエリック・シュミット」あるいは「Google に翻弄される哀れなアメリカ人」というイメージを醸し出しすぎていて、Google が如何に卓越した手法でビジネスを展開しているかをもう少し説明してほしかったなあという気もしないではない。

しかし、それにしても日本では何でこんなに Yahoo! が強いのだろう? 普段から不思議で仕方がない。

僕がインターネットを見始めた頃にはまだ Google はなく、従って僕も専ら Yahoo! を使っていたのだが、Google を知ったその日に「これだ!」と思い、以来ずっと Google 派である。

ポータルとして Yahoo! を使うことはあっても、Yahoo! で検索することはせいぜい年に2~3回になってしまった。

僕はあの時、正直「こりゃ、ひょっとしたら Yahoo! は潰れるかもしれんぞ」とまで思ったのだが、何故他の日本人たちは僕と同じように Google に乗り換えなかったのだろう?

一旦使い始めたら却々乗り換えないのが日本人の性質なのだろうか?

あるいは Google の凄さを体験していないのだろうか? Google が単純な検索エンジンであった時代と比べて、ここまで仕様が広がってくると、その偉大さに気づくチャンスはますます増えるはずなのに・・・。

あるいは、知ってはいるけど Google をブックマークしたり Google Bar をインストールするのが面倒なだけなのだろうか?

いや、Yahoo! がある程度生き残っているのは解るのである。ただ、日本でこれだけ優位を保っている理由がどうしても解らない。

ところで、上でも述べたように、この番組はどうも“SEM狂想曲”みたいな部分に焦点を当てすぎていた感がある。ちょっと情に流れすぎではなかったかな? 見ている人が Google という企業に恐怖感を抱いてしまうようだと少しばかり行き過ぎのように思う。何故なら問題の核心は Google の内部にあるのではなくユーザの側にあるからである。

Google を褒めておいて平然と逆のことを書くのだが、僕らが心するべきことは「Google の上位に入っているものが素晴らしいものだというわけではない」ということである。

僕は Google の常用者だが、検索結果の結構下位まで閲覧することも少なくない。それは Google を疑ってかかっているからではない。むしろその利便性は積極的に享受しながら、一方で自分のアイデンティティを維持しようとする欲求が強く存在している。

僕のPCは Google によって世界と効率よく繋がっている。しかし、PCと、その前に座っている僕はオンラインで繋がっているわけではない。

検索エンジンは道具である。判断し選択するのは生身の僕なのである。

そのことをはっきりしっかり意識していると、Google の膨張ぶりにそれほど目くじらを立てる気にはならないのかもしれない。

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