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Sunday, January 07, 2007

MOONRIDERS CM WORKS 1977-2006

【1月7日特記】 年末に Amazon から届いていた“MOONRIDERS CM WORKS 1977-2006”を漸く聴いた。

6人のメンバー(のうちの誰か)が係わったCMソングを、全部は無理としても52曲も収めてある。

ま、一番ヒットしたのは斉藤哲夫が歌った『いまの君はピカピカに光って』。言わずと知れた1980年のミノルタカメラ。このCMで宮﨑美子が大ブレイクした。詞が糸井重里、曲が鈴木慶一というところまでは知っていたが、慶一さんがコーラスで参加していたとは知らなかった。

あと有名なところでは2000年の『アロエリーナ』。これも慶一作品。無伴奏で繰り広げられる、あのクネクネした独特のメロディ。最初聞いたときは慶一さんとは思いもしなかったが、いずれにしてもあの曲は凡人には作り得ないよね。

それから『キリンラガー'95』や96年の『マツダに乗りにいこう』など、最初にCM曲を耳にした途端に「これはライダーズに違いない!」と思った曲がやっぱりそうだったと確認できた。これらも慶一作品。このアルバムは慶一作品が非常に多い。弟の鈴木博文の作品は1曲しか収められていない。

また、武川雅寛のソロ・アルバム『とにかくここがパラダイス』と『恋はPush!Push!Push!』に収められた曲は含まれていないし、『冷えたビールがないなんて』も入っていない。この辺全部持ってるファンとしては却って嬉しい。

しかし、そんなファンでも1984年の『資生堂 PERKY JEAN PICO』のCMに『M.I.J.』の原型となるメロディがあったことや、鈴木慶一・さえ子の元夫妻(サイコ・パーチーズ)が「猫大好きフリスキー」を歌っていたことや、プレイステーションのサウンド・ロゴや『ドコモダケのうた』が岡田徹の作品だったことは全然知らなかった。結構楽しめる。

(いや、『M.I.J.』は気づかない訳がないからきっと忘れてしまっただけだと思う)

僕がCM音楽に目覚めたのは大瀧詠一の『サイダー'73』(三ツ矢サイダー)だった。TVでこの曲を聴いて強い衝撃を受けた。僕が大瀧詠一を本当に評価し敬愛し始めたのははっぴいえんどの頃ではなく、このソロの時代だった。そしてそれに続く『サイダー'74』、『サイダー'75』、そして山下達郎が手がけた『サイダー'76』──今聴いても胸が躍る。

一時期CMソングはタイアップばかりになって、しかもそれが大ヒット連発になってヒットチャートが面白くなくなったと言われた。CM曲の側から見ても、確かに、タイアップよりもこうやって元からCM向けに作られた曲のほうが面白い。

ただ、いずれにしても、CMクリエイターたちは本当に良い耳と、ミュージシャンに対する選択眼を持っていたのだなあと実感する。20世紀の最後の四半世紀、日本のポップ・ミュージックを育成し牽引したのはレコード会社の人たちではなくて、CMクリエイターたちだったのではないかな、と感慨も一入である。

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