アニメ主題歌考
【12月21日特記】 昨日の記事の続き。
こうやって昔のアニメ(や実写もの)の主題歌を聴いていると、特に石川進のケレン味たっぷりの歌い方なんかを耳にすると、昔のアニメって本当に全力で子供たちに向けて曲作りをしてたんだなあ、という気がする。
今のアニメの主題歌って、ちっとも子供向けじゃないものが多いし、レコード会社とのタイアップばっかりだ(なんて、その片棒を担いでいる立場の会社に勤めている僕が軽々に書くことではないのかもしれないが・・・)。
ただ、あの時代と比べて、まず、アニメは決して子供だけが見るものではなくなってしまった。そして、番組を売る側からしても、少子化の影響で子供だけが見る番組なんか作って子供相手のスポンサーとだけ商売していたら、とてもじゃないけど制作費を回収できなくなってしまった。そして最後に、だからこそアニメのクリエーターも当初から、子供だけではなく広くティーンズまでをターゲットにした作品を創り出そうとする。
これは鶏が先か卵が先かなんだけれど、この3つの事情が互いに結びついて、それらが螺旋状にぐるぐる回った結果、今のJポップ・タイアップだらけという状況を産んでいるのだと思う。
ウチの場合はまだアーティストにきちんと企画内容を説明した上で曲を作ってもらうようにしている(と聞いている)ので良心的なほうだとは思うのだが、世の中にはただタイアップ候補リストから無作為に1曲選んだだけみたいなケースもある。
とは言え、昔のアニメ主題歌みたいな子供っぽいものを作って本当に今の子供たちに受けるのかと言うとそれも疑問である。
ただし、Jポップのタイアップ曲が、僕らの子ども時代の思い出のように、強烈に番組と結びついた記憶として定着するかと言えばそれまたやはり疑問である。
そういう意味では確かに今の子供たちは可哀想なのかもしれない。
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