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Saturday, December 09, 2006

感心している場合ではないが・・・

【12月9日特記】 感心している場合ではない──それは自分でもよく解っている。しかし、時にはふと我に返ってなるほどなあと感心するくらいの瞬間がなければ、こちらの神経が持たない。

そういう瞬間が持てた時にふと思ったこと──認知症という病名は、なるほどうまくつけたものだ。

自分の母親が認知症になるまでは、僕はそれは痴呆症の体の良い言い換えでしかないと思っていた。

そもそも「症」という字は健忘症とか失語症とか不眠症とか骨粗鬆症とか、ともかく異常や欠乏など否定的な状態を表す言葉の後につけるべきものだ。その点、認知症という病名は構成がおかしくて、本来はやはり認知障害とでも言うべきところだ。

しかし、「認知」は見事に言い当てた表現だ。

かつての「痴呆症」という表現を使っていた時代には、単なる物忘ればかりが注目されていた。ご飯を食べたのに「ご飯はまだか」と言う、等々。あるいは、その名前から連想するのは知能程度の低さだった。

だが、いずれも正確ではない。物忘れは確かにあるし、症状の大きな部分である。ただし、印象としては一旦覚えたものをすぐに忘れてしまうというというようなものではなく、見聞きしたことがそもそも記憶として定着しないという感じである。

我々が「忘れてた」と思うのは記憶が戻ったときである。あるいは、「確かに読んだのだが何で読んだか憶えていない」「確かにあの時いくらなのか聞いたのだが、その値段が思い出せない」などと部分や状況の記憶があるのに肝心のことが思い出せないときに「忘れた」という表現を使う。ところが母のような認知症患者は部分も状況も全く記憶にないのである。だから、こんなことがあった、あんなことをやったと言われても無論信じられない。

そして、いろんなことが認知できなくなる。

今日の日付や曜日が分からなくなる。
味が分からなくなって、やたら濃い味のものを嗜好する。
筆跡が分からなくなって(自分が書いたものも含めて)誰が書いたのか見分けられない。
文章を読むことはできてもそこから意味を取ることができなくなる。

全てを忘れるのではない。昨日のことでもちゃんと覚えているかと思えば30秒前のことは覚えていない。だから同じ質問が何回も繰り返される。忘れないように書いておいても、書いてあるという事実を忘れるので意味がない。

そして、いろんなことが認知できなくなる。書いてあることを読んでも意味が取れないのでどうしようもない。

なるほど、なかなか当を得た病名である。

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Comments

こんにちは!かずchanです。覚える必要がないものは、どんどん忘れていく・・・いいんじゃあないかな。今今、この瞬間にいることのみ知っていればいい。たくさんのことを覚えていたり、知っていればいいってわけではないって思います。今までの常識にとらわれずに自然に戻っていったんが認知症と呼んで区別してるだけなんちゃうんかな。なーんにも変ちゃうやんって思ってます。

Posted by: かずchan | Saturday, December 09, 2006 13:00

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