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Wednesday, December 20, 2006

『ウェブ進化論』梅田望夫(書評)

【12月20日特記】 これはなかなかの良書である。ただし、「インターネットのことを全然知らないからこれでも読んで勉強するか」という人には少しハードルが高いだろう。

日頃ネットに接していればいるほど、ここに書いてあることに実感として共鳴できるのではないだろうか。

この何年かで僕が痛切に感じていることは検索技術の進化がウェブの世界を激変させたということ。著者はこのことを充分認識した上で、さらに大きな要素をいくつか加えて、ウェブの世界の過去・現在・未来を解き明かしている。

序章で述べられている、1990年代半ばから現在に至る「三大潮流」は、1)インターネット、2)チープ革命、3)オープンソース、である。そして、第4章では「総表現社会=チープ革命×検索エンジン×自動秩序形成システム」という方程式で今後の社会を総括しようとしている。

これだけを読んでも多分何のことか解らないだろう。でも実際に読んでみればかなり納得できるはずだ。普段ネットに接していればいるほど、その納得は深いものになるのではないかと思う。

ただし、逆に言うと、著者が文中で何度か指摘しているように、旧来の「エスタブリッシュメント」に属する人たち、「ネットのこちら側」にいる人たちにとっては、ひょっとすると全く説得力のない空論に聞こえるのかもしれない。

この著者の偉いところは単に分析や解説を述べるのではなく、ちゃんとビジョンを提示しているところである。そして、見事に系統立ち、思想性に溢れ、鋭い洞察力に基づく文言の一つ一つを支えているのは、著者の「ウェブの現場体験」に拠るのだと思う。

さすがにIT分野の知的リーダーと称されるだけのことはある。僕自身はかなり的確な世界観であると思うし、預言の書としても現状で考えられる最高水準のものではないかと感じた。

単なる読み物としても良質のエンタテインメントだと思う。ただし、冒頭で述べたように、入門書ではないので、念のため。

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