映画『パプリカ』
【12月2日特記】 映画『パプリカ』を観てきた。
原作は読んだ。が、10年以上前だ。例によってほとんど何も憶えていない。パプリカが他人の夢の中に入りこんで精神的な治療を施す──ということぐらい。登場人物もストーリーもほぼ完璧に憶えている妻の頭の中は一体どうなっているのかと思う。
僕はアニメについては全然詳しくない。平均すると年に1本も見ていないはずだ。だから、アニメーション通が見ると違った見解が出てくるのかもしれないが、
めっちゃ面白かった!眩暈がするほど\(◎o◎)/
普段何の装飾もなく淡々と書いている僕がフォントに色をつけたり文字を拡大したくなるほど興奮した。まさに圧巻!酔った!夢に見そう!
いきなり本編が始まったかと思うと息もつかせぬ展開。そしてタイトル。それに続くシーンにスタッフ名が次々とかぶって来るのだが、まあ、なんとも粋なこと。のっけから「いいぞ!良さそうだ」という期待が高まる。
予告編で見たときは画自体も動きもちょっと粗いかなという気がしたのだが、いざ見始めるとめくるめく画面に魅了され、そんな感想はほとんど飛んでしまった。寧ろそういう「作風」だと言ったほうが良いのかもしれない。
パプリカの髪が突風にも大して乱れないのが少し不自然だが、あれは多分制作者があまり乱したくなかったのだろう。ひらひらとはためく襟などもちゃんと描かれており、手抜きの感じはなかった。1箇所、走る車のタイヤの動きを描いていないことが気になった程度。
色彩、動き、それから線のタッチ──CGに頼り切らない、魅力溢れる作画である。
着想の面白さ、そして正しいエロチシズム!
そして音楽が見事にマッチ。平沢進って誰かと思ったら、幻の名バンド P-MODEL の人だったんですね! いつまでも耳に残るテクノ風のサウンド。
妻によると原作を大きく変えてはいないらしい(何せ僕は何も思い出さないもんで)。
人物は皆個性的に描き分けられており、展開も見事。そして何と言っても、次から次へと出てくる出てくる夢また夢(あるいは悪夢)の描写の凄さ! 最初から最後まで引きずり込まれて飽きることがない。
観ていて陶酔するとはこういうことだと思う。
見終わってから、「科学的に解説すればあれはどういうことだったのか?」と問われるととてもまともに答えられそうもないが、そんな整合性が気にならないほど面白かった。
この映画の存在はほとんど「事件」である。アニメにこんなに大きな衝撃を受けたのは『AKIRA』以来だ。あー、面白かった。
──と僕が言ったら、妻がふた言。
面白かったぁ。でも、本のほうが面白かった。
パプリカのイメージがちょっと違う。
だって。
★この記事は以下のブログからTBさせていただきました。
Comments
こんばんは、コメント・TBありがとうございました。
たしかに映像のインパクトは『AKIRA』に近かったと思います。医学や心理学について門外漢の私でも単純にビジュアルの面ではやられました。
まあ、本作にケチをつけるつもりはないのですが、同じ筒井原作のアニメでは、夏に見た『時をかける少女』が文句なしの大傑作だったので、どうしてもそれと比較してしまったようです。
Posted by: 朱雀門 | Monday, December 04, 2006 22:37
> 朱雀門さま、どうも。
『時をかける少女』良かったらしいですね。全然見る気がないまま終わってしまったのですが、朝日のコンクールでも上位に入ってましたね。
Posted by: yama_eigh | Tuesday, December 05, 2006 00:34
たった今気付きました。自分でHNを変えておきながら何たる失態!
ずっとクッキーに保存されていた情報をそのままで送信してしまったようです。ごめんなさい。
Posted by: 狗山椀太郎(旧・朱雀門) | Tuesday, December 05, 2006 08:07