『サマータイムマシン・ブルース』
【11月11日特記】 7月に WOWOW から録画しておいた『サマータイムマシン・ブルース』を漸く見た。他にも一杯溜まってるんだけど、とりあえず今日はこれ。
ROBOTである。本広克行監督である。
映画『UDON』の中にこの映画の登場人物たちが混入していた記憶はあるが、あの時には良く分からずに通り過ぎてしまった。こっちを先に見ていたら笑えたかも。
で、これ、なかなか秀逸な作品だった。
片田舎の大学のSF研の部室に突如タイムマシンが出現する。そんなもん、突如出現するわけないだろ、と思うのは当然で、実は25年後の2030年から同じ大学の同じSF研部員が乗ってきたのだった。
じゃあ、25年後にはタイムマシンが発明されているのかと言うと、乗ってきた本人によるとそうではなくて、なんだか分からないけど部室に突然出現したのだそうである。
この辺のいい加減な設定が良い。なかなかそこまでいい加減な設定で映画を始めようと思う奴はいないぞ。でも、そこをすっ飛ばして始めるからこそ序盤がダレないし、その後の展開も面白い。これは発想の軽さである。
最初はエアコンの壊れたリモコンを取りに昨日に行ってみたりして遊んでいるが、大学助手に「過去を変えると自分も消えてしまう」と教えらて、教えられたときには手遅れのこといくつかやっちゃってて、それを復旧するためにまた昨日へ行って・・・、というドタバタである。
映画は設定の説明を一切しないまま始まるので最初のうちは何のことだかよく解らない部分がいくつもあるが、それが見ているうちに辻褄が合ってくる面白さがある。
で、タイムマシンとなると『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が頭に浮ぶのだが、あのシリーズの3になるともうあまりに入り乱れて訳が分からなくなったものだ。ちょうどそれと同じようにこの作品も面白おかしく混乱させてくれる。
いやいや非常によく練られた脚本である。
瑛太、上野樹里、真木よう子、佐々木蔵之介の他はよく知らない役者たちなのだが、誰もが見事に自然な演技! これコメディの鉄則ですよね。で、青春映画っぽい要素もいたずらっぽく放り込んであるところが粋だ。
そして、ROBOTらしい凝った映像。最初にこの作品見てたら僕は確実に本広克行に嵌ってただろうなと思う。良質のエンタテインメントであった。拍手。
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