« 『サマータイムマシン・ブルース』 | Main | 『ティム・バートンのコープスブライド』 »

Sunday, November 12, 2006

映画『ナチョ・リブレ』

【11月12日特記】 映画『ナチョ・リブレ』を観てきた。

最初に断っておくが、僕はこの手の映画が好きである。結構笑ったし、見終わった後に生きる力が湧いてきた。

「生きる力」だなんて大げさな、でも面白かった、という人もいるだろうし、大して面白くもなくバカバカしくて語る気にもなれない、という人もいるだろう。でも、僕は笑って感動した。それはこの手の映画が好きだとしか言いようがない。

で、そういう人は僕以外にも確かにいるみたいで、僕が観たときにもスクリーンに向かって「早く、早く!」と思わず声を掛けてしまった人もいたし、エンディングテーマが終わった後1人だけ拍手した人もいた。

ただし、これを読んでいるあなたがそういう人だかどうかは分からない。

舞台は修道院がやっている孤児院。そこで育ち、今は修道僧と孤児の食事係をしているイグナシオ(ジャック・ブラック)。彼はルチャ・リブレの大ファンだが、修道院ではTVで見ることさえ禁じられている。

ルチャ・リブレ(自由の戦い)とは、僕らミル・マスカラス世代にはお馴染みなのだが、メキシコ流の、派手な空中戦を特徴とするプロレスである。

修道院では厄介者扱いをされて嫌気が差したイグナシオは、やがてマスクとタイツに身を包み、ぶよぶよの体を彼なりに鍛え、街で見つけた浮浪者スティーブン(ヘクター・ヒメネス)を相棒にリングに上がる。イグナシオは“ナチョ”、スティーブンは“ヤセ”(これはスペイン語ではなく日本語訳)というリングネームで。

緒戦は惨敗、と言うか、何戦やっても絵に描いたような負け、魔術にまで頼ってみたがやっぱり完敗。それでも負けっぷりが良いから、試合のオファーは次々に来る。ほんでいろいろあるのだが最後は無敵のチャンピオン“ラムセス”に男の意地をかけて挑む、というストーリーである。

これ、言わばロッキーのルチャ・リブレ版なんですよね。ナチョはある意味ロッキーそのもの。で、シスター・エンカルナシオン(アナ・デ・ラ・レグエラ、シスター役にふさわしい清純さでした!)がエイドリアン。

主演のジャック・ブラックは肉体の動きと表情、そして歌まで含めて名人級のコメディアンである。相棒のヘクター・ヒメネスも如何にも頭悪そうで、とてもおかしかった。

その上プロレス・シーンは結構見もの。僕なんか心の中で「出たーっ、弓矢固め!」とかしょっちゅう叫んでた。小人プロレス含めて、変てこなレスラーてんこ盛り。

かと思うと一番のクライマックスでリングサイドにシスターとチャンチョ(イグナシオを慕う孤児院のガキ)が現われた時には目がウルウルしてしまった。まことによく出来た映画である。

そして、各場面に流れる音楽がまた、とても良い、と言うか適切なのである。ロックあり、フォークっぽいものあり、当然ラテン系(メキシカン、スカ、フォルクローレ)、はたまたグレゴリオ聖歌風のものまで。これは音楽にかなり造詣が深く、センスの良いスタッフがいたということだろう。

しかし、何にも増してこの映画の凄いところは、宗教的にもちゃんと完結しているところである。我々日本人の生活の中にも意外に宗教は根付いているが、こういう形では定着していない。なんか、ちょっと羨ましい気がしたなあ。

製作・脚本のマイク・ホワイトは『スクール・オブ・ロック』の脚本書いて出演した人。WOWOW で録画し損ねたのが返す返すも残念である。

でも、繰り返して書くが、ホントに笑って、ホントに生きる勇気が湧いた。

|

« 『サマータイムマシン・ブルース』 | Main | 『ティム・バートンのコープスブライド』 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/110115/12662652

Listed below are links to weblogs that reference 映画『ナチョ・リブレ』:

« 『サマータイムマシン・ブルース』 | Main | 『ティム・バートンのコープスブライド』 »