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Saturday, November 18, 2006

いじめられている君へ

【11月18日更新】 何日か前から朝日新聞の朝刊1面に「いじめられている君へ」という欄が設けられて、各界の著名人がメッセージを寄せている。今朝は林家正蔵氏だった。鴻上尚史氏も書いていた。

読めばいちいちなるほどと思う。それぞれの人がいかにも自分らしいメッセージを書いていて、文章に説得力がある。

ただ、僕が納得しても仕方がない。問題は、今いじめられていて自殺しようかと考えている小中学生の目に触れて、彼らを動かすことができるかどうかである。

少しは効果があるんじゃないかな、と思う。100人に1人か1000人に1人でも、これを読んで思いとどまってくれる少年少女がいれば良いなあと思う。こういう文章を書いている人たちを応援したい気持ちで一杯になる。

僕らの頃にもいじめはあった。でも、昔とは何かが違うんだろうなあ。どういう仕組みなのかは明確に分析できないけど、僕らの頃のいじめにはどこかのポイントではっきりとした“歯止め”がかかったように思う。

僕自身は「殺したろか!」と思ったことは何度かある。幸いにして、どうすれば一番残忍な殺し方ができるかを次々と想像するだけで終わった。

一方、自殺しようと思ったことは一度もない。だって、痛そうだったり苦しそうだったりするんだもん。最後の瞬間まで痛かったり苦しかったりする人生は嫌だと思った。いや、自殺する瞬間を想像してみることさえなかった。痛そうなこと、苦しそうなことは無意識に避けていたのだと思う。

今の子たちはどうしてすんなりと自殺に到達するのだろう?

これは、でも、自殺する子たちだけを責めてはいけない。いじめる側に対しても何か手を打つ必要があるのだ。

僕がいつも考えていて、時々このブログにも書いていることがある。それはひとつのことで全体を判断してはいけないということ。ひとつの側面からひとつの結論を導いてはいけないということ。

いじめられて辛いから自殺する、とか、いじめるメンバーから抜けたら自分がいじめられる側に回ってしまう、とか、そういう風にA→Bという図式で世の中を捉えると、極端な結論にすぐに到達する。

どこかに違う道があるはずなのだ。工夫次第でそれは君の眼前に現われるかもしれない。

今はいじめられているけど、将来は決してそんなことはない。君の未来の可能性は無限大なのだ──みたいな励まし方をする人もいるけど、それはそれでまた逆の極端なのである。

世の中はもっと複雑なんだよ。そして、そこが面白い。

もし、いじめられている中学生がこの文章を読んでくれているとしたら、僕はこう呼びかけたい。

君の未来は決して一面薔薇色ではない。それは多分いつまで経ってもまだら模様なんだと思う。そして、そのまだらの中から薔薇色の部分を掬い取る術を、君はいつか身に付けるだろう。

多分、今は意味がよく解らないだろう。それを解るためにももう少し生き長らえてみないかい。

ゆっくりと時間をかけて、ひとつの物事をいろんな角度から眺めて、そして、複雑な世界を複雑なまま楽しむことが、きっとできるようになると思う。もう少し生き長らえていれば。

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