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Monday, October 09, 2006

映画『シュガー&スパイス 風味絶佳』1

【10月9日特記】 映画『シュガー&スパイス 風味絶佳』を観てきた。

本当は『涙そうそう』を観るつもりで出かけたのだが、いざ入場券売り場の前に立ってみるとどうしても入りたくなくなって、急遽『シュガー&スパイス』に変更した。

原作は山田詠美の『風味絶佳』。「本の雑誌が選ぶ2005年度ベストテン」の第1位に選ばれた、文字通り風味絶佳な短編小説集である。ちなみに2005年度の「本屋大賞」に選ばれたのが恩田陸の『夜のピクニック』である。

そしてこの映画も、映画『夜のピクニック』と同様、原作を読んでいる人と読んでいない人とでは感じ方が相当違ってくるのではないかな?

原作は40ページの掌編なので、2時間の映画にするためには、かなりの設定を書き加えてかなりのシーンを書き足し、全体を広げて行く必要がある。

また、原作ものであるからと言って本来の設定やシーンを変更していけないというものではなく、そこは映画化する監督やプロデューサ独自の感覚で変わってくる部分もあるだろう(意外に原作の台詞や地の文をそのまま採用していたが・・・)。

だから、「この小説から材を取って新たな映画を1本作ってやろう」くらいのつもりであったのならそれはそれで良いのだが、もし「この小説を忠実に映画にしよう」と考えてできてしまったのがこの映画であれば、「一体どんな読解力してるんだ?」と俄かに信じ難い気がしてくる。

なんでこんな風にしてしまうかなあ・・・。

原作を読んで、しかも原作の筆致に惚れこんだ人であれば、この映画を観てげっそりする人も少なくないかもしれない。

ただ、まあ、原作を離れるとそれほど悪い映画でもない。

カメラと美術が素晴らしい(そして、パンフにカメラマンや美術担当のインタビューがとても詳しく載っているのも嬉しい)。福生という街の感じがとても良く出ている(と言っても行ったことないのだが)。

話を膨らませたところも、例えば富士山の写真のエピソードなんか却々良かった。それ以外の部分は原作と比べるとかなりベタッとしてしまった感じがあるが、これも原作のイメージが強すぎるからそう思うのだろう。

柳楽優弥という非常に若い俳優を起用したために、主人公は原作に比べて随分と幼く、逆に激しい部分も出ている(あかん、どうしても原作と比べてしまう)。

沢尻エリカは一気にスターになったねえ。『パッチギ』あたりからだろうか? それまでは割と小さな役が多かったのに(かつてはウチの昼帯ドラマにも出てた)。今回初めての年上の女役で新境地開拓という感じかな。

グランマ役が夏木マリと聞いて「イメージぴったり!」と思ったのだが、観てみるとやや演技過剰の感あり。

でも、まあ、台詞回しも悪くないし、ちゃんとひとつのまとまった世界観は出ているし、何度も言うけど、映画自体として悪い出来ではない。

ただ、この手のテーストを「風味絶佳」とは言わない。解りやすい味。うん、フジテレビの味──不味いと言う気は決してないが。

そして、森永ミルクキャラメルに「風味絶佳」と並んでもうひとつ書いてある文句=「滋養豊富」の面影は(僕にとっては)ほとんどなくなってしまった。

ただ、若い人にはこういう映画が滋養になるのかもしれない。そうなることを祈る。滋養がたっぷり必要なのはやはり若い人であるから。

【追記】

キャストに蒼井優の名前があったが、全然気づかなかった。所謂カメオ出演か?
それを確かめるためにもう一度観るわけにも行かず、ひたすら悔しい。

★この記事は以下のブログからTBさせていただきました。

APRIL FOOLS

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[ シュガー&スパイス 風味絶佳 ]@歌舞伎町で鑑賞 2005年度の谷崎潤一郎賞を受賞した山田詠美の「風味絶佳」の 一編が原作。[ 夜のピクニック ]では、“歩く”ことで青 春を描いたが、本作は、“走る”ことでそれを表現した。 “走る”といっても、それはチャリンコ・・・なんだけど。 ... [Read More]

Tracked on Tuesday, October 31, 2006 at 00:14

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