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Saturday, September 09, 2006

映画『恋する日曜日』1

【9月9日特記】 映画『恋する日曜日』を観てきた。九条シネ・ヌーヴォのレイトショー。

高校生の四角関係の恋愛物語である。大抵の大人はこういう映画を「バカバカしい。どうでもいい」と思うのだろう。

だけど、想いを伝えられない、伝えたくても踏み切れない、口に出さなくても感じてほしい、控え目な思わせぶり、そして夢みたいなことが起こらないかなあなんて勝手な空想──そういう展開に僕は結構ハラハラしてしまうのである。

プロデューサは丹羽多聞アンドリウ──名前が珍しいからTBSにいた時から(いや、正確には今でもTBSの社員だろうから、出向する前から)知っていた。BS-i に移っていろんなドラマを手がけてきたのだが、去年の『さよならみどりちゃん』で具体的な果実を手にした。なんと言ってもナント三大陸映画祭の主演女優賞&銀の気球賞である(キネ旬では意外に評価が低くて2005年度第51位。僕の映画評はここにあります)。

そもそも『恋する日曜日』というのはBS-iで何本か放送したレギュラー企画である。毎回新進の俳優と監督が手がけている。そして、今回の映画版の監督を務めるのは廣木隆一、と来れば観ない訳には行かなかった。

場所は上田市(って、長野県でしたっけ?)。1学期最後の日。主人公の晶(=あきら、水橋貴己。役名も役者名も男みたいだが女性である)は明日東京に引っ越す。幼なじみの直(=なお、若葉竜也)のことが小さい頃からずっと好きだが告白できずにいる。せめて最後の日は一緒にいたい。

その直は晶の気持ちに全く気づかないどころか、晶そっちのけで同級生の環(=たまき、芳賀優里亜)にぞっこん。ありえないような脳天気野郎で、「こんな奴、どこに好きになる値打ちがあるんだ!」という台詞に頷いてしまう。だけど、晶は好きなんだな──そこがまた良いんだけどね。

一方、こないだまで環とつきあっていた1年上の楽(=がく、佐々木和徳)は弓道部の後輩である晶に交際を申し込む。そしてまた環のほうはと言えば、楽への思いを断ち切れず、楽に振られたのは晶のせいだと逆恨みして、「復讐の意味で」好きでもない直をたぶらかす。

脚本がよく練れているのである。ぎこちなくて、もどかしくて、ちょっと計算高い4人の会話にリアリティがあるし、全てのエピソードが上手く繋がっている。そして、わざとなんだろうけど、主演の4人、特に水橋貴己が、顔と言いヘアスタイルと言い着ているものと言い、いかにも地方都市の高校生という感じで、ダッセーのである。

田舎の暮らしにうんざりする楽と、東京に引っ越すことに何のときめきも感じない晶との対比、そこに東京での暮しに疲れて帰ってきた小山田サユリと、晶たちの担任教師であり小山田サユリの高校時代からの彼氏である水橋研二が絡むのだが、少し名の通ったこの2人の俳優がとても良いのだ。

『好きだ、』の時の小山田サユリ、『月光の囁き』の際の水橋研二を思い出してしまった。

カメラはなんかここぞと言うとき時にやたらと顔のアップを狙う。そういう意味でテレビ的な作りだった。最後にもうひと山来るかと思ったら余韻で流して終わったね。まあ、それもアリか。

しかし、あの宣材写真には騙されたなあ。あれはテレビ版の写真でしょ?(あれは星野真里なのか?)

いろいろ調べてみたらテレビ版も含めてこのシリーズは全部このビジュアルで売り出しているらしい。

←映画版にはこんな都会的な美女は出てこないよ。

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