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Monday, July 17, 2006

映画『日本沈没』3

【7月17日特記】 先週末から始まった映画『日本沈没』。僕は試写会で見たのであれからもう1ヵ月半以上経っています(そのときの記事はここにあります。あ、それからここにもちょっと書きました)。

で、一般公開も始まりましたので、あの時予告したように、この映画の“突っ込み所”について書いておこうと思います。

今回の記事はいつもの映画評と違ってモロにネタバレですのでご注意ください。

  1. 大地真央が政治家らしく見えない。しかも文部科学大臣が危機管理担当の特命大臣に任ぜられるのが不自然。パンフを読んで初めて彼女が「科学畑出身」であることが判って少し納得したが、このことは映画の中でもっとちゃんと描いておくべきである。でなければ彼女が豊川悦司の元妻であることが判った時にそれが無理やりの偶然に見えてしまい更なる違和感を覚えてしまう。
  2. 一方、柴咲コウのレスキュー隊員も、最初は「こんな細い隊員いるか?」という気がするのだが、こちらのほうは彼女がスタント無しで演じているシーンが多いために、次第に違和感が消えて行く。
  3. 豊川悦司の台詞「日本は一気呵成に沈んで行く」はおかしい。「一気呵成」を「一気」の強調のつもりで用いたのだろうが、「一気呵成」と「一気」は同じ意味ではない。「一気呵成」は「ひといきに物事を仕上げてしまうこと」。日本の沈没は仕上げなのかよ。
  4. 普通は百万年以上かかって沈没するはずのものが短期間で起きる不自然さをカバーするために、「岩を食って流体を排泄するバクテリアの異常繁殖」という設定が加えられているが、それにしても早すぎる。一体どれだけ異常繁殖したのだ?
  5. 沈んで行く太平洋岸を避けて山間部に疎開した柴咲コウ・吉田日出子らの一行を追って草彅剛が訪ねて来るのだが、通信・交通インフラが壊滅状態の中、彼はどうやって居場所を突き止めてどうやってやって来たのか?
  6. 同じく、柴咲を残して独り潜水艇に乗り込むために去って行った草彅を追って柴咲がバイクでヘリポートに駆けつけるシーンがあるが、それこそどのようにして居場所を突き止めたのか? 柴咲は草彅が何をしようとしているのかさえ知らないのに、あのヘリポートにたどり着くはずがない。
  7. 豊川悦司が大地真央に日本の救い方を教えるシーンで、新聞紙に横一列に穴を開けて引っ張ったら新聞紙がちぎれる。確かにその原理は判るが、プレートは新聞紙よりはるかに面積が広いしはるかに固いはず。いくら強力な「N2爆薬」でも、その程度の穴を開けただけではプレートはちぎれないでしょ?
  8. 及川光博の載った新式の潜水艇が海底に沈んでしまい、もうそこまで深く潜れる潜水艇がないために草彅剛が旧式の潜水艇で潜るという自殺的な行為に及ぶわけだが、世界中から何隻もの掘削船を借りられるんだったら、最新の潜水艇の1つや2つくらいどこかの国から借りられるだろう?
  9. 柴咲コウが「抱いて」と言ってるのに草彅剛はなんか理屈こねてセックスしない。明日死ぬと判ってるのに、それはないやろ? 普通するやろ? そのほうが切ないだろうという演出か? でも嘘っぽいよね。そもそもこの2人だからセックスしない台本にするしかなかったんだろうね。でも、それなら「抱いて」なんて台詞書かなきゃ良いのに。

どんな映画にも“突っ込み所”の1つや2つはあるものです。突っ込み所が多いからと言って、それは映画の価値をいささかも損なうものではない、と僕は考えています。

現にこの映画を見ている最中に引っ掛かったのは最後の1点だけでした。そういう意味では一気呵成の展開でした(笑)。

上に挙げたのは全部映画を見終った後、振り返ってみて初めて気づいたことです。こういうのも映画の楽しみ方の別の側面だと思います。

興奮しながら観て、落ち着いてからふと思いついてあれこれ思う──そんなおおらかな楽しみ方で良いと思いますよ。

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