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Sunday, May 14, 2006

映画『間宮兄弟』2

【5月14日追記】 映画『間宮兄弟』で1点だけ気になることがあった。それはあの兄弟が性的なものの処理をどうしているのかということである。

いや、分かっている。あの映画でそういうものをあまり詳しく描いてしまうとムードぶち壊しになるだろう。ただ、30過ぎの男性2人、ともに彼女いない歴三十何年、おまけに自宅にそれぞれのプライベートな空間ゼロ(なにせ寝るときも布団並べてる)、そして2人してレンタルビデオ屋に足繁く通っているがアダルト物は一切借りたことがない、となると一体アレはどうしているのだろう、と思いませんか?

あの2人なら2人揃ってフーゾクに行くのかもしれない(そして、後で「反省会」をする?) あるいは、さすがにそれは恥ずかしくて、それぞれがどこかで何らかの形で「処理」しているのかもしれない。でも、それはどこで? 2人の暮らしにはあまりにプライバシーがない。

そういうことって、若い男性を描く上では避けて通れないテーマではないだろうか? 原作者が女性なのでそういうことに思い至らなかった、あるいは、描けなかったのかもしれない。

そういえば一箇所だけ、弟の徹信がキャバクラにいるシーンがあった。あれが唯一のそういうシーンかな?

これは僕の想像なのだが、あのシーンは原作にはなくて森田芳光のオリジナルなのではないだろうか?(知ってる人がいたら是非コメント残してください→コメントいただきました。合せてお読みください)。森田監督も僕と同じように、そういうことを避けて通れないテーマであると感じて、全体の雰囲気を壊さない範囲でああいうシーンをつけ加えたのではないかという気がしてならないのである。

ともかく、徹信は兄とは別行動でキャバクラに行ったりする奴だということだけは判った。

しかし、徹信は酒が飲めないのでキャバクラでもコーヒー牛乳を飲んでたはずだ。僕も酒が飲めないのだが、僕にはとてもああいう真似はできない。世の中には飲酒と性的満足をセットにしたお店が多く、それは下戸の下半身にとっては苦悩の源なのである。でも、徹信はそういう苦悩を乗り越えて、銭湯にいるが如くキャバクラでもコーヒー牛乳が飲める奴なのである。

一方、兄の明信は性的なことに全く興味がない奴に見える──そこが断然嘘っぽいのである。

女性には解らない話かもしれないが・・・。

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Comments

こんにちは。記事を拝見して、少し驚いてしまいました。
映画では、原作にあったフーゾク通いがばっさりカットされているなんて・・・。
原作には、記事でご想像された通りのエピソードが書かれてありますよ。
映画版は、より広くの人に見られるため、そういうエピソードをあえてカット
したのだと思います。
江國香織の原作ということで、女性客の割合が多くなるとあっては、
それもしょうがないのかもしれませんね。

Posted by: 丞相 | Saturday, May 20, 2006 06:58

> 丞相さん

貴重な情報をありがとうございました。しかし、それにしても驚きました。僕の想像とは逆だったとは! つまり、原作にはなくて森田監督が足したのではなく、江國香織は書いているのに映画ではカットされたんですね。

2時間の映画にするためには某かのシーンを削るしかないのでそのこと自体は仕方がないと思います。だから辛うじてあのキャバクラのシーンを残したのでしょう。

そんなことより、原作で女流作家がちゃんとそういうことを書いているとは思いませんでした。うん、断然読み比べてみる気になってきたなあ。

Posted by: yama_eigh | Saturday, May 20, 2006 10:48

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