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Wednesday, May 31, 2006

号外(『日本沈没』2)

Newspaper【5月31日追記】 一昨日の記事で書き忘れたのだが、試写会の会場でこんなものをもらった。なるほど、こういう宣材を作ったか。発想としては面白い。

ただ、どうなんだろう、「日本沈没」という大見出しを読むと「日本が(完全に)沈没してしまった」という意味に取らないだろうか?

そうなると、列島に暮す日本人も全て一緒に海の藻屑と化しているはずだから、ならばこの号外を誰が読むのだろう、などと考えてしまう。海外の邦人向けか? そうか、そもそも沈没してしまった日本列島では新聞なんか作れないので、この新聞は海外で刷られたと考えるべきだ──などと余計なことをいろいろ考えてしまうところが全くもって僕らしいなあと自画自賛してみる。

もし、この号外が沈みつつある日本で沈みつつある日本人読者のために刷られたものであると考えるならば、大見出しは「日本沈没」ではなく、「日本徐々に沈没中」くらいにしてくれないと、どうも僕にはしっくり来ないのである。

しかし、それではインパクトに欠ける。なんと言ってもこの宣伝材料のミソは号外の大見出しが映画のタイトルと一致しているところなのだから。

そこでウーンと考えた。僕なら大見出しをこうする──「日本沈没 始まる」。これだと日本が沈没し始めたという見出しと「日本沈没」という映画の公開が始まったという事実がうまく掛け合わされている。

ただ、言うまでもないが、宣材のコピーとしては「日本沈没」のほうが優れている。いや、そんなこと解ってんですけどね、どうも些細なところにこだわるもんで。

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Monday, May 29, 2006

『日本沈没』完成披露試写会

【5月29日特記】 「『日本沈没』日本全国縦断 完成披露プレミア試写会」@日本武道館に行ってきました。ま、仕事の一環として。

インドネシアで大地震があった翌日です。タイムリーと言うべきなのか不謹慎と言うべきなのか(不謹慎と言われても困りますけど)。

入った途端に、「明日のワイドショー用の素材とDVD発売時の特典映像を撮るだけにしてはカメラが大掛かりだし台数も多いなあ」と思ったら、なんと今回の舞台挨拶等の映像をNTTの回線を使って北海道・名古屋・大阪・福岡の会場にも同時中継で流してました。そのあと全国5箇所で同じ映画の試写をするという寸法で、そういう訳で「日本全国縦断」というタイトルがついていたんです。

で、照明が落ちていきなり始まったのが、SunMin thanx Kubota(韓国人歌手のソンミンと久保田利伸のデュオ)によるライブ。バックはカラオケでしたが、いやあ、この曲は久々の“久保田節”ですね。歌も力強いし、彼特有のメロディ展開とハーモニーがなかなか心地良かったです。

で、司会者が出てきたら、これがTBSの安住アナ(出てきただけで歓声)。彼が今日のゲストを呼び込みます。

舞台挨拶は10名:草彅剛、柴咲コウ、豊川悦司、大地真央、及川光博、福田麻由子、國村隼、そしてライブをやった2人+樋口真嗣監督。

アリーナ席の前のほうはジャニーズ・ファンクラブの人たちが多かったようで草彅君のとぼけた挨拶にやんやの拍手(それにしても1人で長いこと喋りました)。及川光博ファンも右の前のほうに固まっていて黄色い歓声を上げてました。

一方、樋口監督の挨拶は(練ってきたネタだったんでしょうが)悉く滑りまくって、「こんな人が監督で本当に大丈夫か?」とかなり不安を覚える中、上映が始まりました。

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Sunday, May 28, 2006

海ぶどう

【5月28日特記】 新宿の沖縄そば屋で隣のオッサンがサイド・メニューとして追加注文したのを見てとても気になっていたものがある──「海ぶどう」である。一体それが何で、どんな味がするのか見当がつかない。

ところが、豈に図らんや、週末に出張がらみで本宅に戻ったのだが、土曜日に義妹が泊りに来て「海ぶどうが大好物」と言う。海藻の一種でプチプチして美味しいとのこと。ポン酢で食べるのが旨いとのこと。義妹が食べたいと言うので妻と一緒に探してみたが、関西ではそんじょそこらに売っているものではなかった。

しかし、世の中とは不思議なものである。今日帰京の途についたら、なんと伊丹空港に売っている店があるではないか! 那覇空港ならいざ知らず、なんで伊丹空港でそんなものを売っているのだろう!? 一度は通り過ぎた店に戻って1パック買い求めた。¥1,050。

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『他人を見下す若者たち』速水敏彦(書評)

【5月28日特記】 最近の日本人、特に若者たちの行動パタンが変わってきた。

彼らは社会生活が苦手で、他人からマイナスの評価を受けることを極端に恐れ、自らの成功体験によって自信を持つのではなく、(そんな体験は全くないので)先手を打って他人を貶めることによって謂れのない自己肯定に至っている。

このことによって今の若者はキレやすく攻撃性に満ちた存在になってしまっているのである──この本の趣旨を私がまとめると、まあ、そんなところである。

そして、著者はこの「他社軽視を通じて生じる偽りのプライド」を「仮想的有能感」と名づけ、さらに既存の概念である「自尊感情」と有能感とをクロス集計することによって有能感を4タイプに分類し、若者たちに多い「仮想型有能感」を深く掘り下げる一方で、逆に自らの成功体験により自信過剰に陥ってしまって周りを滅多切りにする「全能型有能感」が中年以上に増えているという現象も指摘している。

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『ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー』山田詠美(書評)

【5月28日特記】 初めて読んだ『風味絶佳』があまりに素晴らしかったので、遡ってこの作品を読んでみた。うむ、少し薄い。あるいは逆に濃すぎるという表現も可能か。

でも、ちょっと安心した。だって20年近く前の作品だもんねえ。ここからどんどん巧くなってとうとうあの『風味絶佳』の域に達したのかと思うと、あれよりは少し単調なこの直木賞受賞作に余計に愛着が湧いてきた。

僕の趣味から言えばちょっとセックスに寄り過ぎ。セックス一色になってしまっている──それが「濃すぎる」という表現に繋がり、描かれなかったシーンのことを考えると「少し薄い」という表現にもなる。

もちろん、このセックスをテーマにしたモノトーンの絵は溜息が出るほど見事に描かれている。

ただ、そんな中で唯一セックスには至らずに終わっている「PRECIOUS PRECIOUS」、漸くセックスにこぎつけたところで終わる「FEEL THE FIRE」、最初のセックスに及んだ後いくら求めてもしてもらえない「男が女を愛する時」あたりが非常に深みのある作品になっているのは、そもそもこの作家はセックスそのものに留まることなく、もう少しその周辺にまで広げて、セックスを中心とする日常生活を描くのが巧いということに尽きるのではないか?

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Saturday, May 27, 2006

映画『ダ・ヴィンチ・コード』

【5月27日特記】 映画『ダ・ヴィンチ・コード』を観てきた。

こんなこと書いたら怒られるかもしれないけど、たまたま招待券が2枚あったのと、たまたま昨日大阪出張だったので本社に顔を出す前に梅田ブルク7に寄って席の指定も受けて、今朝夫婦でタダで並ばずに観た。

すでに観た人に聞くと、非常に巧く映画化しているが原作を読んでないと解り辛いかも、という声が多い。あの長い小説をたかだか2時間半の映画にするのはやはりちょっとキツイという意見もあった。

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Friday, May 26, 2006

上が判断しない?

【5月26日特記】 「上が判断しないからどうして良いか判らない」「上が決めてくれないから仕事がやりにくくて仕方がない」──仕事をしているとこんな声をよく耳にする。昨日も部下がそんなことを言っていた。ここで言う「上」とは経営陣のことだ。

もちろん僕にも「上」に対する不満はある。しかし、この考え方は大いなる勘違いだと思う。

上に決められたんじゃ仕事がしにくくてたまらない。上に判断されては仕事が面白くない。──だから、僕は普段仕事をする上で、上には決めさせないように、上には判断されないように進めることを心がけている。

上には同意させ承認させるのが、我々「下」の正しい仕事の進め方である。そこんところを取り違えていると仕事が仕事らしくならず、愚痴だけが残るのである。

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Thursday, May 25, 2006

消えるタレント

【5月25日特記】 

「あのタレント最近見ないねえ」
「ホント、一時はあんなに出てたのに。最近どうしてるんですかねえ」
「うん、一体どこ行っちゃったのかねえ」

僕らは会社でそういう会話をしょっちゅうしている。が、その表現は実は公平ではない。タレントがどっかへ行っちゃったのではなく、テレビが彼らを置き去りにした、つまり使わなくなったのである。

彼ら(の芸風)はちっとも変わっていない。むしろ変わったのはTV局なのである。いや、あるいは彼らは彼らなりに変わった、つまり進歩したのに、それが視聴者やTV局が流れて行った方向と少しずれていただけで、要するに不運としか言いようがないのかもしれない。

置き去りにしたTV局が薄情なのか、あるいはTV局は世間のニーズに従ったまでのことなのか、いや、そもそもTV局が視聴者に迎合しようとすることが悪なのか。

飽きられたタレントの、流行に沿って変われなかったタレントの力量に問題があったのか、いや、そもそもフラフラと浮気な一般大衆が愚かなのか。

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『夜の公園』川上弘美(書評)

【5月25日特記】 読み始めてすぐに「随分ねっとりとした小説だなあ」と思った。それが読み進むうちにいつの間にかしっとりとしてくるから不思議だ。

恋愛の話である。夫婦の話であり、浮気の話であり、不倫の話である。三角関係っぽい話でもあり、ひとりで二股・三股という話でもあり、やがて別離の話でもある。そして、ことは必然的にセックスの話にも及ぶ。ねっとりとしたセックス、しっとりとしたセックス。

この小説は解る人と解らない人の2通りに別れるだろうな、と思う。解る人は淫乱な人で解らない人は清く正しい人だと言う気もなければ、解る人は粋な人で解らない人は無粋な人だと言う気もない。ただ、解る人と解らない人に別れるんだろうな、と思う。

僕は随分解る気がした。リリの気持ちも幸夫(ゆきお)の気持ちも、春名の気持ちも悟の気持ちも暁の気持ちも、そして遠藤の気持ちも。みんな別々の方向を向いて別々のことに思いを馳せているにもかかわらず、登場人物全員の気持ちが手に取るように解る気がした。

こんなことって前代未聞だ。そもそも登場人物全員の気持ちに神経が及ぶことが前代未聞だ。大抵は主人公1人か、プラス重要な登場人物1人くらいにしか思い及ばなくて、その1人か2人に感情移入できるかどうかで読後感が定まってくるものだ。

では、この小説の主人公って? やっぱり上に挙げた6人のうち遠藤を除く5人が均質に主人公なのだ。リリと幸夫の夫妻、リリの親友・春名、そして悟と暁(この2人の関係については書かない)──この5人5様の淋しさと哀しみが、しかし均質に染みてくるのである。

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Wednesday, May 24, 2006

はてしないトイレ談義(番外編)

【5月24日特記】 5/13の記事「映画『間宮兄弟』1」に頂いた朱雀門さんのコメントに「中盤を過ぎたあたりから不覚にも膀胱がキリキリしてしまった」という下りがありましたが、実は僕も『博士の愛した数式』を観た時に同じ思いをしました。で、僕の場合は辛抱しきれずに途中で抜けました。

何を隠そう僕はトイレが近いのです、大なり小なり。つまり、うんこもおしっこも。トイレに行きたくて死ぬほど悶え苦しんだ経験も数多くあるのですが、今回はその中でも極め付きの体験談を披露します。

さて、何を隠そう僕はトイレに関する文章をいくつかHPのほうに掲載してます(「はてしないトイレ談義」「続・はてしないトイレ談義」)。今回何故HPのほうではなくブログのほうに書いているかと言えば、あっちは一応「ことばにまつわるエッセイ」。今回はことばとは関係のない、純粋なる尿意との戦いの話だからです。

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Tuesday, May 23, 2006

ブログ開設1周年 孤独な祝い

【5月23日特記】 日付が変わればブログ開設記念日──ということは、このブログを始めてちょうど1年ということだ(それより古い日付の記事があるのは、当時既に書き溜めていた記事をまとめてアップしたため)。

アクセスカウンタの数字が365日で22,100くらいということは1日平均60くらい。もっともアクセスカウンタは途中からつけたので、スタート数字をごく控えめに設定して始めた。ここ何ヶ月かは1日平均で軽く100を超えている。

1日何千何万のアクセスのあるブログも山ほどあるだろうから、1日100くらいで威張るこたぁないのだが、それにしても2001年の2月に開設したHPのほうのアクセスカウンタを、恐らく年内には軽く抜き去ってしまうだろうから、自分の中では快挙なのである。

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Sunday, May 21, 2006

映画『雪に願うこと』

【5月21日特記】 映画『雪に願うこと』を観てきた。

佐藤浩市と小泉今日子が出ていて根岸吉太郎監督──それだけの予備知識しかないまま見に行った。この3人のうち後の2人の名前に惹かれたのである。第18回東京国際映画祭でグランプリほか4冠を獲得したことは見終わってパンフレットを読むまで知らなかった。

根岸吉太郎監督作品を観るのは5本目だが、最後に観た『永遠の1/2』(87年キネ旬4位)以来18年6ヶ月ぶりである(ちなみに、その1本前に観たのが前年キネ旬3位だった『ウホッホ探検隊』で、この脚本を手がけていたのが『間宮兄弟』の監督である森田芳光である)。1981年の『遠雷』(キネ旬2位)で一躍にして名を成した監督だが、一昨年の『透光の樹』が久しぶりにキネ旬10位に入って健在ぶりをアピールした。

小泉今日子の出演作を映画館で観るのは7本目。最近では昨年の『空中庭園』(キネ旬9位)での演技が凄かったが、忘れられないのは相米慎二監督の遺作となった『風花』(01年キネ旬5位)である。

考えてみればあの映画もビーワイルドの製作だったなあと思いながらパンフレットを読んでいたら、この『雪に願うこと』も『風花』と同じ鳴海章の原作で、当初相米慎二が映画化する予定だったらしい。根岸監督にとっては相米の弔い合戦ということになる。パンフレットに載っていたインタビューでは「相米がいなくなったポッカリした穴を意識してたかもしれません」「弔い合戦だからワンシーンワンカットにしよう、とか思うわけじゃなくて(笑)」と語っている。

しかも、偶然ではあるが日本映画が東京国際映画祭でグランプリを受賞するのは相米慎二の『台風クラブ』(85年キネ旬4位、僕はこの映画を映画館とTVで合計5回か6回観ている)以来の快挙である。

そして、佐藤浩市は『魚影の群れ』(83年キネ旬7位)と『あ、春』(99年キネ旬1位)の2つの相米作品に出演している。

さあ、僕の好きな監督や役者が繋がってきた。

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Saturday, May 20, 2006

『幸せになるためのイタリア語講座』

【5月20日特記】 今日は久々に WOWOW から録り溜めた映画の消化。『幸せになるためのイタリア語講座』。去年の7月に録画したものを今頃見てるようではあきませんわな。

2000年のデンマーク映画。ベルリン映画祭で高い評価を受けたとか。

乱暴に言ってしまうとどこかしら不幸な男女が6人。妻を亡くしたばかりの新米代理牧師(牧師の仕事に馴染めずヘマばかりしている)。インポテンツになって4年半もセックスしていないホテルの受付係。素行が悪くてレストランを馘になった男。アルコール依存症(なのかな?)の母親の介護に疲れきった美容師。高校を出てから40回以上転職している不器用なパン屋店員の女(ひねくれた父親との同居に辟易している)。デンマーク語がほとんど解らないイタリア人の若い女性。

その6人が市役所のイタリア語講座に集まる。そして3組のカップルが誕生する。──ただそれだけの話。

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Friday, May 19, 2006

ライター没収

【5月19日更新】 昨日初めて飛行機のセキュリティ・チェックでライターを没収された。

普段は Zippo を使っているのだが、オイルや石が切れることがある。石の予備は持ち運べてもオイルの予備は持ち運べないので、オイルが切れた時用にバッグの中に常に別の使い捨てライターを入れてあるのである。常に入っていて僕もその存在を忘れているくらいで、セキュリティ・チェックでも今まで一度も咎められたことがないのに、今回は没収されてしまい、ちょっと驚いた。

煙草を吸わない方はご存じないかもしれないが、機内に持ち込めるライターは1個に限定されているのである。ポケットの中の Zippo は、金属探知機に反応するのでゲートを潜る前にトレイに出すのだが、今回初めて「ポケットのライターと合せて2個になるので1個はお預かりします」と言われてしまった。

今まではバッグの中のライターが見過ごされていたのだろうか? あるいは機械はちゃんと検知していたのだが検査官が見逃してくれていたのだろうか?

しかし、それにしてもどうして1個なら良くて2個はダメなのだ?

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Wednesday, May 17, 2006

楽天家恐るべし

【5月17日更新】 いくつか持っているウェブメールのアドレス宛に大量に届くジャンクメールが後を絶たない。大半が性的な勧誘であり、タイトルしか見ていないが「無料でやれる」などの甘言が記してある。

「しかし、これほどいっぺんに大量に届くとさすがに怪しいと思うだろう?」と僕が言ったら、部下がこう答えた──「いやいや、そういうのに嵌る人たちは『これを片っぱしから辿っていったら何回もできる』って考えるんですよ」。

なるほど、楽天家恐るべし。僕は常々(冗談半分で)常にマイナス思考を失わない人間と自称しているのだが、是非ともこの姿勢は堅持したい。

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『ミーナの行進』小川洋子(書評)

【5月17日特記】 読み終えてまず何を措いても思うのはこの作家の飛び抜けた巧さである。

しかし、そんなことが最初の感想として浮んで来るということは、僕がこの作品に100%のめり込むには至らなかったという証拠でもある。そして僕は今、この2つの点のどちらに力点を置いて書こうかと真剣に悩んでいる。

僕が冷静な観察眼を失ってしまうほど登場人物に感情移入できなかったのは、恐らく40代の男性だからだと思う。多分これは少女向けの作品なのだろう。

「少女向け」というのは決して「女子供の読み物だ」という男尊女卑の世界観に基づくものではない。多感な成長期の人間が読むにふさわしい物語であるということである。

そういう意味では少年が読むのにもふさわしい。あるいは「本はあまり読まない」「小説なんて長いこと読んでいない」という人々にも打ってつけの本である。

それは「初心者向けにグレードを下げた文章だ」というのではない。それどころか、この小説における語順の正しさ、選ばれた単語の適切さ、平易であるにもかかわらずイメージの広がる表現など、どれをとっても文章を書く上での手本として良い非常にグレードの高い文章である。

それなのに非常に読みやすくすんなりと頭に入ってくるところがこの作家の巧さなのであり、小説の入門書としても最適なのである。

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Tuesday, May 16, 2006

TB作法(その4)

【5月16日特記】 僕のブログにTBしてくれた方の中には「せっかく人がトラックバックをしてやったのに、トラックバックを返して来ない失礼な奴だ」と思っておられる方もあるかもしれません。この辺で釈明しておくことにします。

TBについて今まで僕はこのブログに3回書いています(ココココココ)。それらを読んでいただければ判るように、TBというものは本来、Aが書いた記事に関連してBが記事を書いて、そのAの記事に対してBの記事へのリンクを張るというものではないでしょうか?

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Sunday, May 14, 2006

映画『間宮兄弟』2

【5月14日追記】 映画『間宮兄弟』で1点だけ気になることがあった。それはあの兄弟が性的なものの処理をどうしているのかということである。

いや、分かっている。あの映画でそういうものをあまり詳しく描いてしまうとムードぶち壊しになるだろう。ただ、30過ぎの男性2人、ともに彼女いない歴三十何年、おまけに自宅にそれぞれのプライベートな空間ゼロ(なにせ寝るときも布団並べてる)、そして2人してレンタルビデオ屋に足繁く通っているがアダルト物は一切借りたことがない、となると一体アレはどうしているのだろう、と思いませんか?

あの2人なら2人揃ってフーゾクに行くのかもしれない(そして、後で「反省会」をする?) あるいは、さすがにそれは恥ずかしくて、それぞれがどこかで何らかの形で「処理」しているのかもしれない。でも、それはどこで? 2人の暮らしにはあまりにプライバシーがない。

そういうことって、若い男性を描く上では避けて通れないテーマではないだろうか? 原作者が女性なのでそういうことに思い至らなかった、あるいは、描けなかったのかもしれない。

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Saturday, May 13, 2006

映画『間宮兄弟』1

【5月13日特記】 映画『間宮兄弟』を観てきた。すてきな映画を観た後は書きたいことが頭の中にぎっしりとすし詰めになって頭蓋骨が破裂しそうな感じになる。今まさにそういう感じ。

僕は人生で、あまりにすごい出来の映画を観て、感動を通り越して「なんでこんな映画が撮れるんだろう」と嫉妬のあまり絶望に沈み込んだ監督が2人いる。そのうちの1人が森田芳光である。

──その時に観たのが彼の劇場用35ミリ・デビュー作『の・ようなもの』。1981年10月24日、今はなき梅田コマ・シルバーでのことだった。宣伝文句は確か「ニュアンス映画」だった。

以来僕は彼の作品をたくさん観ているが、あの『の・ようなもの』ショックを経験した者にとっては、「文芸大作なんか撮られたってなあ」という気分がある。何度か書いたように、僕はあの映画の中に出てきた「メジャーなんて、目じゃぁないっすよ」という台詞が大好きなのだ。だから最近の作品はあまり観ていない。

翌年のデビュー第2作、シブがき隊主演のアイドル映画『ボーイズ&ガールズ』も当然観て、ますます森田芳光のファンになった。それに続く2作『噂のストリッパー』(本当は頭に丸囲みの「本」がついて「ホンマル・うわさのストリッパー」と読ませるのだが、フォントがないしどうせ文字化けするだろうからここでは省略した)と『ピンクカット 太く愛して深く愛して』は知らない間に公開が終わっていたのだが、アイドルものに続いてにっかつロマンポルノを撮る監督の自由さに感心した。

そして、その次の作品が彼を一躍有名にした『家族ゲーム』である。それに続いて沢田研二主演で『ときめきに死す』──あの、走ってる車の周りをぐるっと1周するカメラワークには度肝を抜かれた。

そして、その次が薬師丸ひろ子の『メインテーマ』。何を隠そう僕は薬師丸ひろ子のデビュー以来のファンだが、彼女の出演映画の中ではいまだにこれがベストだと思っている。実は映画館に3回も(最初の2回は遅刻して冒頭の何十秒かを見落としてしまったことを口実に)観に行っている。

そして、その次が『それから』。そう、この当時はまだ文芸大作の映画化であってもちゃんと見に行っていたのである。ただし、これは「はあ、夏目漱石が森田の手に掛かるとこんな風になるのか」という溜息ものの作品だった。

それに続く『そろばんずく』『悲しい色やねん』は見逃してしまったが、同じ時期に彼がプロデュースした『バカヤロー』シリーズは何本か観た。そして、その次が石田純一主演の『愛と平成の色男』である──これが僕にとって2度目の大ショックだった。これまた『の・ようなもの』に負けず劣らぬ雰囲気ものの傑作だった。

さて、森田のフィルモグラフィーを逐一追っていてはスペースばかり食ってしまうので、そろそろ本題に入ろう。

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Friday, May 12, 2006

五輪選手に尊敬の念

【5月12日特記】 「JOCスポンサー感謝の集い」に行ってきた。トリノ五輪の入賞者40人のうち35人の選手、JOC役員及び関係者、そして五輪のオフィシャル・スポンサーの集いである。

ウチは「JOCスポンサー」でも「ワールドワイド・パートナー」でもないが、在京・在阪の民放は協賛金を支払っている関係で呼んでもらえるのである(その額自体は大したことない。もっとも、それとは別に巨額の放送権料を各キー局が支払っているのだが・・・)。

もちろん僕なんぞは単なる枯れ木も山の賑わい、パーティにおいては壁の花である。

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Wednesday, May 10, 2006

ハリウッドとは異なる文法

【5月10日特記】 ここ何年か韓国映画の公開が非常に多い。映画館に行けば予告編の中に必ず1本は韓国映画が含まれている気がする。ところが僕は韓国映画を1本も観たことがない。なんか食指が動かないのだ。

もちろん観たこともない韓国映画をここで貶そうというつもりはない。

ただ、ふと思ったのだが、これだけ多くの韓国映画が封切られると、どこかの国の映画の公開が減っているのではないだろうか? シネ・コンのおかげで“小屋”の数が増えているのは確かだが、それにしても韓国映画の増え方に追いついてはいないのでは? そのあおりを食ってどこかの国の映画が減っているのではないだろうか?

そこではたと気づいたのだが、そうだ、長いことイラン映画を観ていない! 予告編さえ見ていない気がする。

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Monday, May 08, 2006

恥じらいは塩

【5月8日特記】 昨日の記事の続きなんですが、このブログのアクセス解析を見ていてここのところ目立つのは「松梨智子 ヌード」という検索フレーズ。前に「真木ようこ オナニー」という検索フレーズが多かったことは書きましたが、どうも僕にはその心境がよく解りません。

そして、それよりもそういう単語を検索してこのブログにたどり着いてしまった(多分男性の)人に対して、ご期待に添えなかったのではないかという気持ちで一杯です。

で、思い出したのですが、その松梨智子監督の『映画監督になる方法』についての記事での僕の書きっぷりを見たアロハ坊主さんに「最後の締め言葉はらしくないので、ちょっとびっくりしました」と書かれてしまいました(このブログ上ではなくアロハさんのブログで)。

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Sunday, May 07, 2006

『ザ・サーチ』ジョン・バッテル(書評)

【5月7日特記】 会社の同僚に教えられて生まれて初めて google を使った日のことをいまだに忘れない。

それまで僕にとってサーチ・エンジンと言えば yahoo! だった。ところが、まさに最初の検索結果が出た瞬間から、僕は筋金入りのグーグラーになって現在に至っている。

今でもほとんど例外なく最初に調べるのは google であり、かつ、それで満足な結果が得られず他の検索サイトに移ることはまずない。何らかの理由で特にカテゴリ型の検索をしようと思う時に yahoo! に手を出す程度である。

この本は画期的な google を開発した2人の大学院生ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンを中心に、サーチ・エンジンの歴史から google のライバル企業の動静まできめ細かに描いている。ちなみに「ページ・ランキング」のページがホームページのページではなく開発者ラリー・ペイジの姓であったとはこの本で初めて知った。

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GWアクセス解析

【5月7日更新】 僕のHPは土日祝日になると人が来なくなる。特にGWともなると来訪者は激減する。それに対してどうだ、この連休中ずっと、ブログのほうには普段の5割増しのアクセスがあるではないか!

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Friday, May 05, 2006

直線は美しい

【5月5日更新】 人間が築いた直線的なラインが好きだ。

Seto_bridge 世の中には山や川や月や風が象る曲線的なラインを愛でて、人が創る直線的なラインを醜いと感じる人がいる。自然の風景は美しくビルや高速道路は醜いと言うのである。不思議だ。

彼らは曲線が美しく直線が醜いと言うのではない。自然が作った直線ならば美しく、人工の産物であれば直線であれ曲線であれ認めない。不思議だ。

僕はいずれも好きだ。そして、一番好きなのが人工の直線、そしてその重なりである。

写真は瀬戸大橋の梁。

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Wednesday, May 03, 2006

Crazy For You, Again

【5月3日特記】 移動中の飛行機の中でクレイジーキャッツ & YUMING の Still Crazy For You を聴いた。

あまり歌が巧いとは言えない松任谷由実と谷啓が何の工夫もなくユニゾンでデュエットしているのだが、ゆったりとした4ビート・ジャズのフィーリングが心地良いし、何の衒いもないメロディがすっと体に染み込んでくる。

いや、楽曲の出来云々よりも、ユーミンがクレイジーキャッツに対するリスペクトを表明するという、この手の企画の成立を喜ばしいと思う。

クレイジーキャッツの全盛期についてはさすがに僕もおぼろげな記憶しかない。もう何十年も前になるが、大瀧詠一がクレイジーをとても評価しているのを読んで、「あ、そうか、そんなにすごい人たちだったんだ 」と見直したのが僕の彼らに対するリスペクトの始まりだった。

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Tuesday, May 02, 2006

『チョコレートコスモス』恩田陸(書評)

【5月2日特記】 この面白さは尋常ではない。

僕は恩田陸の作品を片っ端から読んでいるわけではなく、読みたい作品とあまり読みたくない作品がある。今まで読んで気に入ったものを3つ挙げるとしたら『木曜組曲』『黒と茶の幻想』『夜のピクニック』である。

この『チョコレートコスモス』はこれらの小説とは題材こそ違え、何か共通するものを感じて手に取った(その共通するものが何なのかよく解らないまま)。

伝説の演出家・芹澤の新作・女2人芝居への出演を夢見て過酷なオーディションを受ける不世出の女優たち──かつて日本の映画界を席巻し数々の名舞台も踏んできた往年の名女優・岩槻徳子、アイドル出身でありながら女優としても進境著しい安積あおい、芸能一家のサラブレッドであり人気・実力とも申し分なしの宗像葉月、W大1年で役者としてはずぶの素人であるが天才的な能力を発揮する佐々木飛鳥。

そして、葉月の親戚かつ親友でもあり若手ナンバーワンの呼び声も高いのに何故か芹澤のオーディションに声も掛からない東響子。

これは小説版『ガラスの仮面』だというのがもっぱらの評判である。残念ながら僕は『ガラスの仮面』については漫画も読んでいないしTVドラマも見ていない。ただ、読み始めてすぐに思い出したのが(映画化もされた)野部利雄の漫画『のぞみウィッチーズ』だった。

『のぞみウィッチーズ』はボクシング漫画ではあるが、主人公が思いを寄せる少女・のぞみがやはり演技の天才だった。『チョコレートコスモス』の佐々木飛鳥がまさにそののぞみを連想させるのである。

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Monday, May 01, 2006

続・次の手法

【5月1日特記】 先輩社員たちは皆異様なほどに個性豊かだったが、皆一様に厳しかった。

その中に、名門私学の某球技部出身のK氏がいた。筋金入りの体育会系である。K氏は僕が下につく少し前まで母校の球技部の監督を務めていた。

そして、ある日K氏が言った。

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