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Sunday, April 23, 2006

映画『チェケラッチョ!!』

【4月23日特記】 映画『チェケラッチョ!!』を観てきた。仕事上の必要もちょっとあって。

客層はと言えば、市原隼人か平岡祐太が目当てと思われる女の子のグループ、デートにこの映画を選んだ中高生カップル、如何にもラップやってそうなガキども。2人じゃなくて数人のグループがやたら多い。んで、当然のことながらおっちゃんは僕ひとり。ひょっとしたら独りで来たのも僕ひとり。

この映画は賞を獲ったりベストテンにランクインしたりする映画ではない。でも、これで良いと思う。正しいアイドル青春もの映画だった。同じアイドル青春ものでも犬童一心の『タッチ』なんかの足許にも及ばない。でも、あれはひょっとしたらベストテンにランクインするかもしれない映画。これはそんなんじゃない映画。これはこれで良い。

何で良いかと言えば、出演しているアイドルたちがカッコ良く撮れてるから。熱血単細胞の市原隼人、クールで優しい平岡祐太──良いよね、こいつら。そして「ただのバカ」の柄本佑(実は映画の最後のほうではただのバカではなかったことが判るが)。個性をきれいに分けて、皆魅力的に描いてある。

そして玉鉄。僕らおっちゃんから見れば、市原も平岡も玉山鉄二も十把ひとからげの若手俳優でしかないのだが、ここではカリスマ・ラッパーを演じていて、ラップの腕前もさることながら、そのカッコ良さと抜群の存在感で、彼らとは一線を画した大人の雰囲気を見事に出していた。

それに比べると井上真央にはもう少し見せ場を作ってあげてほしかったなあ。あれじゃホントに単なる「格闘技バカ」。しおらしいシーンもあるにはあったけど、もっともっと難しい演技を強いても良かったのでは? できる娘なんだから。

場所は沖縄。不純な動機からコンサートを見に行ってラップに目覚めてしまった高校生。楽器も持ってない(から盗んできた)のにいきなりラップのバンド結成して、ろくに練習も曲作りもしないでいきなりステージに立ってボロボロになる。──ここまでは予想通りのありきたりな展開。さて、そこからどうするかなと観ていたら、ま、意外性はないがきっちりまとめてあった。

青春映画の定番ですよね。悩みがあって、打ち込む対象が見つかって、成就しない恋がある。この映画では恋を描くにもAとBがCを奪い合うという三角関係にはしないで、AはBが好き、BはCが好き、CはDが好きという連鎖片思い状態にしたのが面白い。

松重豊、平田満、陣内隆則、大島さと子ら脇を固める俳優陣がみんな良い。沖縄出身のガレッジ・セールの2人も大事な役を個性豊かに演じてたし、何よりもKONISHIKIのラップ最高!

CXのドラマの黄金期を支えた大多亮がプロデュース──これ、言わば「安心して見られますよ」印ですね。監督は同じくCXの宮本理江子──この人の名前は知らなかった。『101回目のプロポーズ』を演出したってんだからかなりのベテラン。

脚本はTVドラマでおなじみの秦建日子。この人の名前どう読むんだろうかとずっと悩んでたんですが、正解はハタ・タケヒコ。え?男性だったんですか!?

全体に底の浅いドラマなんだけど、最後にはちゃんとカタルシスもある。思うにこれこそが音楽の威力なんですね。

ああ、音楽って、ホントに素晴らしい!

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Comments

映画チェケラッチョ最高でした。映画の中でヒップホップ洋品の買い物のシーンありますが、デラックスというお店です。私はそのお店でデザイナーしてるタカです。有名なお店で働けて誇りに思います。良かったら以下のホームページのちゃんぷるーブランドクリックしてタカのデザイン見てください。www.globaldeluxe.com

Posted by: タカ | Wednesday, May 03, 2006 18:27

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