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Thursday, April 27, 2006

NHK『純情きらり』2

【4月27日特記】 ふた昔ぶりくらいに見始めたNHKの朝の連ドラ。僕の大好きな三浦友和が死んでしまって次は西島秀俊の登場を待つか、と思っていたら何と意外な奴が登場して意外に素晴らしい演技をしているので毎朝TVに釘付けである。

それは劇団ひとり。観てない人はまあ一度観てみてください。ええ役やってるんですわ、これが。

劇団ひとりと言えば結構キモい(大阪弁ではキショい)感じが売りのピン芸人だが、ここでの役廻りは「純情きらり」というタイトルそのもの。

元々顔はそんなに悪くない(ので逆に勘違いした気色悪い男を自ら演じてきた)のだが、ここで彼が演じている下宿人の教師は少し眼が悪くとっぽくておっちょ こちょいだが性格はまっすぐ、純真そのものでひたむきさに溢れている。もうおばさん連中の好感度急上昇ではないだろうか。

で、主人公の宮﨑あおいが淡い恋心を抱いている。そこへ持ってきてじいちゃんの八名信夫と叔母さんの室井滋は彼をあおいちゃんではなく姉の寺島しのぶと結婚させようとしている。もう、見ていてはらはらどきどき。

この悩める乙女心を宮﨑あおいが能力全開で演じている。嬉しいような悲しいような複雑な表情、悲しいけれど明るく振舞わなければという辛い胸のうち。彼女の表情がアップになるたびに「ああ、これは他の女優にはできないなあ」と溜息が出る。

今のところ、その複雑な心境に気づいている唯一の人物が弟役の松澤傑。序盤あまり見せ場がなかったが、ここに来ていぶし銀の演技である。

新奇なドラマではない。連ドラの定番だろう。でも、浅野妙子の脚本も、上に挙げた出演者たちの演技も本当にしっかりしていて見応えがある。

このクールはあまり見たいドラマがないので、まあ手堅く『富豪刑事』でも見ながら流しておこうかと思ったのだが、G帯以外でこんなに見応えのある作品に出会うとは思いもしなかった。

しかし、それにしてもこの劇団ひとりのキャスティングは大成功である。観てない人はまあ一度観てみてください。ほんまに胸がキュンと鳴るよ、いやホンマ。(宮崎あおい)

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