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Wednesday, March 01, 2006

the wrong incentive

【3月1日特記】 会社は制度疲労を起こしていると思うのである。何がかと言えば、仕事の成果に対する報酬が出世であるということが。

出世とは、つまり社長に近づくということなのだが、今や社長になりたい学生は就職せずに起業する時代である。

サラリーマンの最高の栄誉が最高の出世、つまり社長になることだと仮定して、それは入社後何年目のことだろう? 長い長いサラリーマン生活の最後のほんの数年のことではないか。

そんなに長い間辛抱してやっと社長になるのであれば、最初から自分で起業したほうが手っ取り早いに決まっている。昔は起業なんてとてもハードルの高いことだったからそんなことを考える奴はいなかったかもしれないが、今や誰でも起業できる。誰でも社長になれる。

自分独りでしみったれた会社を設立しても仕方がないという考え方もあるかもしれないが、大きな会社の社長よりもはるかに大きな権限があるのは間違いないし、その分大きな満足が得られるはずだ。

大会社の取締役などと言えば随分偉いように聞こえるが、決してそんなことはないみたいだ。上になればなるほどどろどろした人間関係に縛られて、彼らの意見は通らず、大志は踏みにじられ、ストレスだけが溜まり、やがて自分自身が捻じ曲がってしまう──ウチのような小さな会社を見ていてもその程度のことは判る。

だから会社が「一生懸命働いたら昇進させてやる」という甘言で社員を釣ろうとするのは今や見当違いなのである。

そんな不自由な昇進や、あまりに遠い社長への道をちらつかせみても、本当にできる奴はさっさと起業してしまうだろう。

だいいち、僕は既に出世する=高い役職を与えらえれることに興味がない。社長や専務にしてやるといわれてもやりたくない。仕事をしたいのであって経営をしたいのではない。そういう人だって少なくないのだ。

もちろん給料は高いほうが良い。だから、役職を上げずに報酬だけを上げるとか、出世競争から完全に逸脱したコースが選べるとか、あるいは逆に偉くしてやるけれど給料は抑えるとか、管理に手腕を発揮する者は若くても管理職に登用する(ただし給料は低いまま)とか、いろんなオプションを考えて行かないと、日本中のサラリーマンがやる気をなくしてしまう日もそう遠くないのではないかと思うのである。

そういうことを考えるのが経営者の仕事だと思うのだが、出世競争を勝ち抜いて経営者になった人たちには決してそんな想像力は残ってはいない。

会社は衰退する一方だろう。

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