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Friday, March 10, 2006

随想:日本アカデミー賞

【3月10日特記】 今週の月曜日にLAで行われたアカデミー賞授賞式の陰に完全に隠れてしまったけれど、実は先週の金曜日に日本アカデミー賞の発表があったんですね。ええ、当てにはしてませんけど何を選んだのか興味はありました。

で、最優秀作品賞に選ばれたのが『ALWAYS 三丁目の夕日』──この映画、何度か観ようと思ったのですがすんでのところで止めました。思えば知らず知らずにそういう臭いを嗅ぎ取っていたのかもしれませんね。

いや、今日は日本アカデミー賞の悪口にならないように書こうと思ってます。多分この映画も、観れば「良かった」と思うと思うんです。でも、日本アカデミー賞というのは僕がなかなか映画館に見に行こうという気にならない映画を選んでくれる賞なんです。29回の歴史の中で、僕が映画館で観た優秀作品賞受賞作は3本しかありません。

日本アカデミー賞のHPを見れば、この賞の母体となっている「日本アカデミー賞協会」が松竹・東宝・東映・角川及び日活の社員を中心とする、言わば映画関係者互助組合みたいな存在であることが判ります。全審査員(=全協会員)4,407名中、この5社の社員だけで1,362人を占めています。だから、小さな制作/配給会社や独立プロの作品はそう簡単に選ばれるべくもありません。

おまけに選考の対象となるのは1日3回以上×1週間以上にわたって上映された作品のみで、モーニング/レイトショーのみで公開された作品なんかは最初から除外されています。

つまり、この賞には「世間では評判にならなかった作品でも、出来のよかったものは掬い上げてやろう」というようなつもりはないということなんです。

あくまで映連4社(松竹・東宝・東映・角川)を中心とする映画メジャーの互選で優秀作品を選ぶものなんです。だからいつも、プロの評論家や一般の観客の感覚とは少し違った結果になるのかもしれません(来年は『博士の愛した数式』が最優秀賞だったりして)。

ま、それも良いのかもしれません。実際に映画を作っている人が選ぶ際には、映画を見ているだけの人とは違う視点があっても良いでしょう。しかし、そう思う一方、映画を見ている人とは違う感覚で映画を作っているようでは先行き危ないなあという気もします。

いや、それはあくまで僕の個人的な感じ方であって、中には「やっぱり日本アカデミー賞の眼は確かだなあ」と感心頻りの方もいらっしゃるのでしょうね。それはそれで良いんですけどね・・・。

★ 関連過去記事一覧

日本アカデミー賞とキネマ旬報ベストテン
『ALWAYS 三丁目の夕日』は見ない
回顧:2005年鑑賞邦画
発表:2005キネマ旬報日本映画ベストテン
キネマ旬報2月下旬号

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