追悼:宮川泰さん(このタイトルは紋切り型だけど)
【3月23日特記】 一昨日、作曲家の宮川泰(みやがわひろし)氏が亡くなった。
僕にとっての宮川氏はザ・ピーナッツでもクレイジー・キャッツでも『宇宙戦艦ヤマト』でもなく、“コーセー化粧品歌謡ベストテン”だった。
FMラジオ番組のMCをしていた宮川氏は、その週のヒット曲を本当に分かりやすく解説してくれた。難しい音楽用語を振り回したりせず、かと言って単なる印象論には終わらず、「普通ならこの音を持ってくるところ、彼はこの音を持ってくるんですよ。いやあ、天才ですねえ」みたいな語り口で、僕らにポップスの奥義を教えてくれた。
彼が語った大江千里論(ったってほんのワン・フレーズだったけど)がいまだに僕の記憶に残っているくらいだ。作曲家だからこそ、そして“和製ポップス”の先駆者であったからこそ、あんなに説得力のある解説を聞かせられたのだ。
「ご冥福をお祈りする」みたいな常套句は書きたくない。ただ、僕は訃報に接して改めて彼に感謝するのみである。宮川氏のような存在こそが日本のポップスを育てて来たのである。
僕の一番の favorite song は沢田研二のソロ・デビュー曲『君をのせて』。ヒットしなかったけど、昭和歌謡史に残る名曲であると思う。
ありがとう、宮川さん。
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