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Wednesday, February 08, 2006

映画『エリ・エリ レマ サバクタニ』2

【2月8日特記】 映画『エリ・エリ レマ サバクタニ』を再覧、つまり、もう1回観てきた。

1月28日の記事に書いたように前回は途中で何度も眠りに落ちてしまってよく解らなかったから、あるいは、途中で寝てしまったこと自体が悔しかったから──というのが理由ではない。再度観たのは端的に「気になった」から。
気にならなければもう1回観ようという気にはならない。

そして、当たり前だけれど2度見るとよく解る。

見直してみて判ったのだが、台詞の聞き取りにくさも関係していて、前半部分で、探偵ナツイシ(戸田昌宏)がミズイ(浅野忠信)とアスハラ(中原昌也)の許にたどり着くまでのところに若干解りにくいところがある。

だが、それよりも大きな発見は、自分がかなり多くの部分を見逃していたということだ。自分としてはほんの一瞬の眠りに何度か落ちただけのつもりでいたが、どうやら起きていた時もかなり朦朧としていたみたいで、画や台詞に記憶はあるのだがちゃんと頭に入っていなかったようだ。

そして、クライマックスの草原での演奏シーンでは、今日見たら短いカットがたくさん挿入されているのに、前回は見事に全て見落とした(眠ってた)ようだ。こりゃダメですね。まだ見ていない人のために書かないけど、あのいくつかの短い挿入はとても大事なカットだ。

もちろん、それを見れば謎が解けるというようなものではないけど・・・。

思うに、この映画では「あれは何を意味しているんだろう?」とか「これは何かを象徴しているのだろうか?」とか考えないほうが良いと思う。国語のテストみたいに「作者の言いたいことは何か?」みたいなことを探るのはもってのほかである。

映画を見るのであれば感動してウルウルするか、腹を抱えて大笑いするか、はたまたハラハラ・ドキドキ興奮するか、そういうのがなければ嫌だという人もいるだろう。だが、ゴッホの絵を見たりサティのピアノ曲を聴いたりする時には必ずしもそういう感興を求めないように、そういうことを意図していない映画もあり、そういう映画を、あたかも絵を見たり音楽を聴いたりするようにして接する観客もいる。

もちろん映像や音楽が綺麗ならそれで良いなどと言うつもりはない。筋が必要で俳優の演技が必要だ。当然この映画にも筋があって演技がある。ただ、この映画の場合それらは両義的と言うのを超えて幻のように感覚的である。そして、感覚的であるとは決して表現が弱いという意味ではなく、むしろその逆であると思った。

この映画は何よりも画に力がある。
左へゆっくりパンして行くカメラの前をミズイとアスハラが自転車で通り過ぎ、通り過ぎた後もカメラが延々とゆっくり回り続けるシーンとか、女の下半身にライターを持った手が近づき、その手の動きとともにパンナップして、煙草を咥えた女の顔の横まで来たところで画面が90度回転して女が寝ていたことが判るシーンとか、崖の上の道を逃げるように歩いて行くハナ(宮﨑あおい)とそれを追うナツイシを捉える引いた画とか・・・。
特にたむらまさきによるロングの構図には圧倒的な強さがある。

音も凄い。
ノイズ音楽はともかくとして、何の脈略もなく挿入される Nancy Sinatra の The End が素晴らしいし、車の中でミヤギ(筒井康隆)とナツイシが歌っている「東京節」も、なんでその歌なのかよく判らんが、なんだか妙に心に引っ掛かる。

ところで、やっぱり今日もノイズ音楽を聴いていると眠くなった。一度だけまたしても眠りに落ちそうになった。これは多分何かが直接僕の脳に作用しているのだと思う。自己催眠術をかけている際に終盤に訪れる額(ひたい)が冷たくなる感覚──あれがある。

この映画は何かが僕の脳の深いところに直接作用している感じがする。

今日は前回の倍ほど面白かった。多分いつかまた見ると思う。見れば見るほど良くなるような気がする。(宮崎あおい)

★この記事は以下のブログからTBさせていただきました。
 (今回は途中で眠りに落ちなかった方だけです)

WALTZ FOR DEBBY
アロハ坊主の日がな一日
朱雀門という方法・第2章

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Comments

yama_eighさま、TB有り難う御座いました。
HPの中を読ませていただきました。
なかなかおもしろいページを作っておられるんですね♪
ぜひまた遊びに来させていただきます!

では、改めてTB&コメント有り難う御座いましたー

Posted by: koyashiki | Thursday, February 09, 2006 06:35

こんばんは
言葉で表現するのが難しい映画ですね。
サティは昔よく聞いていたことがあります。ありきたりな情緒を拒否しているところは映画のテイストと通ずるように思います。

Posted by: 朱雀門 | Monday, March 06, 2006 22:05

> 朱雀門さま

お久しぶりです(前は我々どの映画で繋がったんでしたっけ?)&コメントありがとうございます。

ブログの記事も拝見しました。「爆音」と「福音」、うまいこと掛けましたね(笑)。

青山真治の他の作品観たことないのであれば是非観てほしいですね。非常に深いですよ。ことさら深いのが『EUREKA』、解りやすいところなら『レイクサイド マーダーケース』でしょうか。この『エリ・エリ~』はことさら解りにくいタイプだと思うので・・・。

で、逆TBさせてもらいます(「寝なかった組」で良いですよね?)。今後ともよろしく。

Posted by: yama_eigh | Tuesday, March 07, 2006 01:03

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