キネマ旬報2月下旬号
【2月6日特記】 待ちに待った「キネマ旬報」2月下旬号を買った。世の中にはこの2月下旬号だけを買う人があまたあるだろうが、僕もそういう読者の1人である。
ひょっとしてご存じない方がいるかもしれないので余計な説明を書くと、この2月下旬号は毎年「決算特別号」になっていて、前年のベストテンと個人賞が詳細に発表されているのである。
年明け間もない頃にリリースされて新聞等に載るのはせいぜい外画/邦画のベストテンと主演男優/女優賞くらいのものであるが、これを見るとその全容が明らかになる。
僕の場合は毎年この号を買っているだけではなく、綴じ込みでついている採点表をずっと保存している。僕の記事で「この映画は1999年度キネマ旬報第63位にランクされている」などという記述が多いのはそういう訳である。
今回の楽しみは、というか毎年そうなのだが、自分が観て、良いと思った映画が何位にランクされているか。
特に 2005年度については、このブログの1月5日の記事で自分なりの予想(ベストテンに入りそうなもの3作+20位以内に入るかもしれないもの3作)を試みて、ベストテン発表直後の1月10日の記事では10位以内についてのみ検証した。
そして、今日やっと11位以下について検証できる日を迎えたのである!
(解らんでしょうね、このワクワク感。ま、いっか)
まずは僕が選んでキネ旬ベストテンからは漏れたものから──。
僕が2005年に観た邦画の中で『空中庭園』と並ぶ双璧だと思った『トニー滝谷』は第19位。辛うじて20位以内には入ったものの、51人の審査員中8人しか点を入れていない!
なんという冷遇! 腹が立つとか解せないとかではなく、単に哀しくなる。
そうか、皆さんにはこの映画が解らないのか・・・。
20位以内と予想した『NANA』は第15位。これも51人中8人が票を入れている。まあ、これは妥当なところでしょう。
驚いたのは、同じく20位以内と予想した『さよならみどりちゃん』が第51位で4審査員しか点をつけていないこと。「ふーん」としか言いようがない。
まあどっちにしても、書いても仕方がないことを書いているのでさっさと進めることにして、次は今回の邦画の審査で点のついた87位までの95作品のうち、僕が観た作品の順位を順番に追って行くことにする。
第14位『TAKESHIS'』:おや、思ったより評価が高いね。やっぱり「北野武ブランド」のせい?
第21位『ある朝スウプは』:これはぴったり予想通り。
20位以内は無理だろうと思ったが20位近くまでは行くだろうと読んだ。
第30位『さよならCOLOR』:この評価の高さはなんだ? うむ、解らない。
点は入るだろうと思ったけど、まさかこんな上位とは!?
第31位『レイクサイドマーダーケース』&第33位『タッチ』:いずれも妥当な線。
第35位『電車男』&第39位『妖怪大戦争』:まあ、そんなもんか。
まあ、どーでも良いとも言えるんだけど・・・。
第48位タイ『帰郷』&『HINOKIO』:もっと上位でも全く不思議のない佳作だった。
第54位『真夜中の弥次さん喜多さん』:面白かったけど、これに投票するか?
第57位『恋は五・七・五!』:こういう作品にちゃんと投票してくれる審査員がいることがとても嬉しい。さすがキネ旬って感じ。5点が1人+3点が1人の計8点だが、他にも例えば川本三郎氏は講評で「他に『ある朝スウプは』『恋は五・七・五!』もよかった」とコメントしている。
第65位『イン・ザ・プール』:「おいおい!」としか言いようがない。しかも5点もつけている奴がいる!
第78位『劇場版 鋼の錬金術師』:誰か投票するだろうとは思ったけど、TV見てなかった人にはきつかったよね、きっと。
第81位『阿修羅城の瞳』:げっ!
第87位『鉄人28号』:51人の審査員のうちたった1人が1点を入れただけなんだけど、こういうのが入っているのは却って微笑ましい気もする。
以上、検証終わり。じゃあまた来年。
あ、ところで僕が主演男優賞はぶっちぎりで決まり!と書いた西島秀俊は助演男優賞の次点(堤真一と1点差!)でした。残念だったねえ。次回は『三年身籠る』で獲れるんじゃない?
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