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Monday, February 27, 2006

Windows Vista

【2月27日更新】 『日経パソコン』2月27日号で Windows Vista の特集記事を読んだ。今までにも Vista 関連の記事は散見していたが、ここまでまとまった形で読むのは初めてだ。

で、読んでみてがっくり。Microsoft はますます余計なお節介をしてくれているようだ。

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『王国 その3 ひみつの花園』よしもとばなな(書評)

【2月27日特記】 『キッチン』を読んだあと長いこと放ったらかしにしていた作家だったが、この『王国』シリーズからまた読み始めている。とは言え、『王国 その2』の書評にも書いたとおり、それは言わば「行きがかり上」である。

必ずしも読んでいてしんどいというのでもない。面白くないのでもない。ただ、オジサンには少し物足りないのである。

この観念的な作風は何なのだろう? それは僕たちオジサンには若者にありがちな抽象性に見える。

僕らはあまりに具象の垢に塗れているのかもしれない。ただ、確かに現実の生活はもっとゴツゴツして固いものではないか? 心というものの存在を忘れてしまうくらいに瑣末な具体性に溢れていて、有無を言わせぬ無理が通る世界ではないか。そして、そういう日常をひとつずつ処理した上で漸く癒しというものを求める資格が得られるような気がする。

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Sunday, February 26, 2006

ドラマW『春、バーニーズで』

【2月26日特記】 2/19(日)に録画しておいた『春、バーニーズで』を観た。WOWOW の drama W シリーズである(このシリーズでは昨年11/13の『アルバイト探偵』も録画したまままだ観ていない。順序が逆になってしまった)。

本当は映画『県庁の星』を観に行くつもりでいたのだが雨も降っていたし、昨日観た『好きだ、』の余韻醒めやらず、あまり趣の違うものは観たくなかったのだ。今日のチョイスは西島秀俊繋がり。

昨日の記事では宮﨑あおいと構図のことばかり書いて西島秀俊にほとんど触れなかったけど、このブログでも再三にわたって取り上げているように、彼は本当に巧いし魅力的な役者だと思う。

僕は彼の映画を8本観ているが、そのうち6本が去年と今年である(ナレーションを担当した『トニー滝谷』まで含めると合計9本、そのうち7本が去年と今年になる)。それに同じく WOWOW で観た『Dolls』を加えて10本。この『春、バーニーズで』が11本目である。

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Saturday, February 25, 2006

映画『好きだ、』

【2月25日特記】 映画『好きだ、』を観てきた。今回は長い記事になりそうだ。今、書きたいことが頭の中から溢れ返っている。

公開初日の初回上映を目指して出かけたのだが、初回の約2時間前に着いた時には既に初回はおろか2回目の上映まで満員札止め。

これ、みんな初回と2回目の間に行われる舞台挨拶目当てなんですよね。で、舞台挨拶観覧の整理券は朝の8時から配布──うーむ、これはかなり気合の入った人しか無理ですよね。ひょっとしたらと思ってたんですけど・・・。

で、仕方なく3回目の16:35の回をゲット。既に整理番号048番。上映開始まで6時間半以上あるので一旦家に戻ることにした。

それで、この3回目もやはり満員御礼、通路に座布団敷いて座り見状態。初日とは言えこれだけ入ると観客動員もすごいのでは?と思ってしまうが、東京都内ではここアミューズCQN(シアター1)のみでの上映。200人の箱×1日4回=座布団組を加えても1,000人弱。いろんな意味で、もうちょっとなんとかならないのかねえ。

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Friday, February 24, 2006

マキアージュ・ドラマスペシャル『ウーマンズアイランド 彼女たちの選択』

【2月24日特記】 NTV のマキアージュ・ドラマスペシャル『ウーマンズアイランド 彼女たちの選択』を観た。原作:林真理子、脚本:松田裕子、出演:篠原涼子・栗山千明・中越典子・井川遥・中村俊介・山崎樹範・谷原章介・風間トオル・西村雅彦・蛯原友里、資生堂の1社提供である。

まるでターゲットから外れた僕のようなおじさんがなんでこんなものを観たかと言うと、ま、詳しくは書かないが仕事上の必要があってのことである。

完全に女性、しかもF1層(20~34歳女性)にターゲットを絞り込んだドラマで、見始めてすぐに「おいおい、そこまで完璧に他のターゲットを斬り捨てるか!?」とひとりごちたほどである。

ところでF1というのはTVが最も捉え難い層であり、狙いに行ってもそう易々と見てくれない人たちなのである。それを考えると、敢えてそういう層に絞り込んで番組を作るのも却々あっぱれな試みである。

業界周辺の人たちやちょっとTVに詳しいと思っている一般人はすぐに「たまたま資生堂が提供についたからそういうドラマを作っただけでしょ」みたいなことを言うが、もちろんその要素は大変大きいにしても、それをひとつの機会と捉えて良い仕事をしようとした職人さんの存在を、僕なんかは感じてしまう訳である。

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Wednesday, February 22, 2006

変人の味方

【2月22日特記】 3日前の『転がれ!たま子』の映画評を読んだ知人から、「yama_eigh さんは変人の味方ですね」と言われた。

うむ、確かに。世の中にはいろんな変人がいていろんな時と場合があるから、ま、いつ何時でもいかなる変人さんに対しても、とは言わないが、基本的に僕は変人の味方である。

このブログをやっているのも、もちろん一義的には単なる自己満足に過ぎないのだが、心のどこか隅のほうに「変人さんのお力になりたい」という気持ちがあるのも事実である。

拗ねてひねくれて捻じ曲がって行くところまで行ってしまった変人さんのお力になるのは少々難しいが、若くて悩んでいる変人さんのお力になれそうな気はするのである。

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Monday, February 20, 2006

『好きだ、』前売り特典DVD

【2月20日特記】 昨日『転がれ!たま子』を観たついでに、シネアミューズで『好きだ、』の前売り鑑賞券を買ったら特典DVDがついてきた。

loveyouなんと、お得な!映画を安く観られる上にメイキング映像までついてきたか!?と小躍りしながら持って帰って見てみたら、予想に反して『好きだ、』のメイキング映像ではなかった。

写真では読めないと思うのだが、石川寛監督のCM作品集である。僕は『tokyo.sora』を観ていないし、彼が売れっ子のCFディレクターだということも知らなかったのだが、収められていたのは以下の作品である。

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『風味絶佳』山田詠美(書評)

【2月20日特記】 初めて山田詠美を読んだ。文章の巧さに脱帽した。この人、昔からこんなに巧かったの?

『ベッドタイムアイズ』で華々しくデビューした時も『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞を受賞した時も、なんか偽悪的な感じがして胡散臭さを嗅ぎ取ったので読まなかった(同じく胡散臭い村上龍の時は強く惹かれてすぐに手に取ったのに、この違いは何だったんだろう?)。

『ぼくは勉強ができない』というタイトルにも強い反感を感じた。それで彼女はずっと僕のテリトリーからは外れたまま今日に至った。

それがとうとう『風味絶佳』のあまりの評判の高さに負けて、意を決して読んでみたのである。果たして、巧さに唸った。しかも、低い声でではなく、高く裏返った声で唸り声を上げてしまった。これだけのものが書ける作家を、僕は今日まで避けて通ってきたのである。

作家にとって文章の巧さが一番大事であるという表現をするつもりはない。ただ、文章の巧さは作家が最初に求められる資質である。「文章の下手な作家」なんて形容矛盾であると思う。だが、現実に文章の巧くない作家は存在するし、まれにそういう作家が有名な文学賞を受賞したりもしている世の中である。

そういう中にこの文章を置いてみると、この輝きはまばゆいばかりである。いや巧い作家たちの中に置いても決して埋没しない筆致である。

文章が巧いというのは小洒落た表現を知っているということではない。人や物や出来事の見た目や内面を正確に伝える技量を持っているということであり、つまり正確な言葉を選ぶことができるということだ。それが表現力というものの核心なのである。

ただ、小説に於いてその表現力を駆使するためには、普段の生活から並外れた観察力と鋭い感性が必要であり、それを作品化するユニークな着想が求められ、全体をまとめる構成力も要求される。山田詠美にはその全てがあった。

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Sunday, February 19, 2006

映画『転がれ!たま子』

【2月19日特記】 映画『転がれ!たま子』を観てきた。なかなか拾い物の映画だった。

監督の新藤風(しんどう・かぜ)は名匠・新藤兼人のお孫さんである。

自閉症とか引きこもりという表現を使ってしまうと深刻すぎる。軽い対人恐怖症のたま子が主人公(扮しているのは山田麻衣子)。小さい頃海で溺れそうになったことか、お父さんと隠れんぼをしている間に当のお父さんが離婚して家を出て行ってしまったことが原因かもしれない。

とにかくそれ以来彼女は家から半径500mより遠くには行ったことがない。家の近所の運河に架かる橋を渡ることができない。前から人が歩いてくると左右どちらかに曲がって逃げようとする。頭にはいつも特製のヘルメットを被っている。そして、近所のパン屋・日進月歩堂の甘食を食べるのが唯一の生きがいである。

そんなたま子が自立する話で、味付けとしてはライト・コメディになっている。

この映画に登場する家族は皆少し変わっている。たまこの父親(竹中直人)は自動車修理工を辞めて芸術家になろうとしている。母親(岸本加世子)は自分の子供たちと同年齢の僧侶・トラキチと電撃的に再婚する。弟の大輔(松澤傑)はバス・ガイドになりたい。

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Saturday, February 18, 2006

殺そうと思うだけで良かった

【2月18日更新】 凄惨な事件が起きると豊田勇造の『殺そうと思うだけで良かったのに』という古い歌を思い出す。

確か父親を殺してしまった少年のことを歌った歌で、勇造自身も若い頃本気で父親を殺そうと思ったことが何度もあったらしい。でも、彼は殺そうと思うだけで済んだ。殺そうと思うだけで良かったのに、という歌だ。

先週金曜日に起きた事件はまだ全容が解明されていないので迂闊なことは言えない。だが、なんであれ、人を殺したいと思ってしまうことは誰にでもあることなのではないだろうか? 僕にはあった。そして、僕もまた殺そうと思うだけで済んだ。

幼児を手に掛けるなんて許せない、という怒りは当然である。しかし、僕らがかつて誰かを殺したいと思ったとき、それは同じように狭量で、傲慢で、独善的で近視眼的な思想に裏打ちされたものではなかったか? 一時的な感情の嵐に支配されたものではなかったか? あるいは、その感情に至った判断自体がとんでもなく見誤ったものではなかったか?

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Tuesday, February 14, 2006

St. Valentine's Day

【2月14日更新】 今日の昼どき定食屋に入ったら、入り口でおばさんに「良かったらどうぞ」と銀紙で包んだ小さなものがいっぱい入った籠を差し出された。一瞬よりも少し長い時間、僕は何のことだか解らずにぼーっとその籠を眺めてしまった。

もちろんTVでは朝からそんな話をしていたし、今日が何の日であるかは解っていたはずだった。それなのに、それが何なのか俄かに判らなかったのである。

そういう時代になったのかもしれないし、僕がそういう年代になったのかもしれない。どっちにせよそれは別に悪いことではない。

経済がバブルだったのと示し合わせたように、この日の行事がやたらと拡大していた時代があった。義理であげたりもらったりするのが当たり前だった時代だ。

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『西荻夫婦』やまだないと(漫画評)

【2月14日特記】 僕もこの漫画の主人公たちと同じ町に暮している。ただ、僕の場合は夫婦一緒ではなく単身赴任である。

僕たち夫婦も彼らのように子供がいない。彼らと同じように、他の夫婦が子供のために時間を費やしている時に、まるっきり自分たちだけのために時間を貪ってきた。

僕らはこの夫婦よりも随分年上だけれど、それでも彼らのように時々手を繋ぐこともある。

なんだか解るのである。切なくていとおしい気持ち。人生は哀しくて、でもその先時々捨てたもんじゃないと思うことがあるということ。男と女の違い。男であれ女であれ、人間に根源的に宿る淋しさ。

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Monday, February 13, 2006

「ぶたじる/とんじる」論争

【2月13日更新】 豚汁は「とんじる」か「ぶたじる」かで悩んでいるブログを見つけました。

そっちにコメントを残すという手もあったのですが、一応「TB企画」と書いてあったので、じゃあTBさせてもらおうかと思ったら、すでに集計結果が発表されていたので仕方なく集計結果の記事からTBしてしちゃいました。

この辺りのことについては私も自分のHPに何度か書いています。例えば、

  1. とんでもないブタ話(2004年3月)
  2. 言語不毛の地?大阪(2001年10月)

興味があれば読んでみてください。

ところで、私(大阪府出身)は「ぶたじる」で妻(東京都出身)は「とんじる」と言います。
関東以北は総じて「とんじる」だと思い込んでいたのですが、北海道では「ぶたじる」が優勢とは意外でした。

ところで、今日は新宿の「すずや」で豚カツ茶漬けを食べました。これを「ぶたかつちゃづけ」と読む人はいませんよね?(大久保辺りにはいっぱいいるかも) 

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『ふしぎなお金』赤瀬川原平(書評)

【2月13日特記】 かなり読むのが遅い人でも15分あれば読み終わるだろう。これは赤瀬川原平の「こどもの哲学 大人の絵本」シリーズの1冊で、「お金って一体なんだろう?」という素朴な疑問に対する素朴な答えを赤瀬川なりの感性で導き出した本である。

ここには子供にも解るような巧みな比喩がある。第1章は財布はガンマンの拳銃や侍の刀みたいなもんだという話。第2章は現金は血液みたいなもんだという話。等々。

比喩というものは実は危険なものである。喩えとは、AとBという全く別のものの共通点を見つけ出し、BによってAを説明する作業なのだが、そのうちにAとBが全く同じものであるかのような錯覚に陥ってしまうとどんどん逸れて行ってしまうのである。

例えば、第1章の例を借りれば、「財布は侍にとって刀みたいなもんだろう? 侍は刀を肌身離さず持っているだろう? そんな大事なものを他人に預ける奴はいないだろう? だから銀行預金なんてしちゃダメなんだ」なんてことになってしまう。

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Saturday, February 11, 2006

『語られなかった皇族たちの真実』竹田恒泰(書評)

【2月11日特記】 実はこの本の著者とは面識がある(もっともあくまで「面識がある」という程度であるが)。

皇族の末裔と聞いてついつい時代劇に登場するお公家様のようなタイプを想像してしまったのであるが、会ってみるとなかなか現代的な青年である。僕にとってこの本の第1の面白さは、そんな現代的な青年がこのような古風なことをやっぱり書くのだという発見であった。

ざっくり言ってしまうと、この本のメイン・テーマは天皇の男系継承支持である。この論旨展開にどれほどの説得力があるかについては読者によって濃淡があるだろう。残念ながら、僕にとっては少し説得力に欠けるところもあった。

読んでいると、やはり現行の皇室擁護ということがア・プリオリのテーマとして存在しており、それを補強する材料だけを歴史の中から探し出しては書いているという感じが拭えない。

もっとも、彼の立場に生まれればそれは仕方のないこと、と言うよりもごく自然なのことなのだろう。

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随想:吉田拓郎の旧譜復刻

【2月11日更新】 4月5日に吉田拓郎の旧譜が、紙ジャケット仕様のCDで24タイトル一挙に復刻発売される。Amazon などでは近日中に予約受付も始まるようだ。

いろんなとこに書いてるけど、僕は吉田拓郎を随分聴いてきた。何の恥ずかしげもなく、「拓郎は僕の青春だった」と言える。

実は僕は吉田拓郎本人に会ったことがある。ウチの番組に出演したときに、番組プロデューサーが紹介してくれたのである。

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Friday, February 10, 2006

スタバでCD(2)

【2月10日更新】 1月31日の記事の続きなんですが、実は今スタバには3枚のCDが置いてあるんですね。──僕が買った『I Believe to My Soul』とディーン・マーチンとローリング・ストーンズ。

で、昨日見たら『I Believe to My Soul』だけが売り切れ。僕が買ったときにはまだたくさん残っていたのに・・・。

もちろん僕の記事のおかげで売り切れたのではないですが、こういうのって、なんか嬉しくないっすか?

ただ、くどいようですが、Amazon とかで買ったほうが安いよ。

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Thursday, February 09, 2006

2回以上映画館で観た映画

【2月9日特記】 えっと、昨日の記事の続きなんですが、同じ映画を2回観るのは実に久しぶりです。

僕が映画館で2回以上観た映画は全部で9本。
以下、タイトル(初回鑑賞年、監督)です。

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Wednesday, February 08, 2006

映画『エリ・エリ レマ サバクタニ』2

【2月8日特記】 映画『エリ・エリ レマ サバクタニ』を再覧、つまり、もう1回観てきた。

1月28日の記事に書いたように前回は途中で何度も眠りに落ちてしまってよく解らなかったから、あるいは、途中で寝てしまったこと自体が悔しかったから──というのが理由ではない。再度観たのは端的に「気になった」から。
気にならなければもう1回観ようという気にはならない。

そして、当たり前だけれど2度見るとよく解る。

見直してみて判ったのだが、台詞の聞き取りにくさも関係していて、前半部分で、探偵ナツイシ(戸田昌宏)がミズイ(浅野忠信)とアスハラ(中原昌也)の許にたどり着くまでのところに若干解りにくいところがある。

だが、それよりも大きな発見は、自分がかなり多くの部分を見逃していたということだ。自分としてはほんの一瞬の眠りに何度か落ちただけのつもりでいたが、どうやら起きていた時もかなり朦朧としていたみたいで、画や台詞に記憶はあるのだがちゃんと頭に入っていなかったようだ。

そして、クライマックスの草原での演奏シーンでは、今日見たら短いカットがたくさん挿入されているのに、前回は見事に全て見落とした(眠ってた)ようだ。こりゃダメですね。まだ見ていない人のために書かないけど、あのいくつかの短い挿入はとても大事なカットだ。

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Monday, February 06, 2006

キネマ旬報2月下旬号

【2月6日特記】 待ちに待った「キネマ旬報」2月下旬号を買った。世の中にはこの2月下旬号だけを買う人があまたあるだろうが、僕もそういう読者の1人である。

ひょっとしてご存じない方がいるかもしれないので余計な説明を書くと、この2月下旬号は毎年「決算特別号」になっていて、前年のベストテンと個人賞が詳細に発表されているのである。

年明け間もない頃にリリースされて新聞等に載るのはせいぜい外画/邦画のベストテンと主演男優/女優賞くらいのものであるが、これを見るとその全容が明らかになる。

僕の場合は毎年この号を買っているだけではなく、綴じ込みでついている採点表をずっと保存している。僕の記事で「この映画は1999年度キネマ旬報第63位にランクされている」などという記述が多いのはそういう訳である。

今回の楽しみは、というか毎年そうなのだが、自分が観て、良いと思った映画が何位にランクされているか。

特に 2005年度については、このブログの1月5日の記事で自分なりの予想(ベストテンに入りそうなもの3作+20位以内に入るかもしれないもの3作)を試みて、ベストテン発表直後の1月10日の記事では10位以内についてのみ検証した。

そして、今日やっと11位以下について検証できる日を迎えたのである!
(解らんでしょうね、このワクワク感。ま、いっか)

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Sunday, February 05, 2006

映画『ベロニカは死ぬことにした』

【2月5日特記】 映画『ベロニカは死ぬことにした』を観てきた。

パウロ・コエーリョの原作は本屋で何度か手に取ったが結局買わなかった。だから、これは原作を読んでいない者の感想である。読んだ人には別の感じ方があるのかもしれない。

で、ひとことで言って、こりゃ滑っちゃいましたね。

筒井ともみ脚本の映画を観るのはなんと19年ぶりで、ちょっと期待して行ったのにがっかり。脚本だけにしておけば良かったのにでしゃばってプロデュースまでやってしまったのが失敗か? いや、その前に脚本はあれで良かったのか?

演出がまずいのか、あるいはそもそもこの役どころは真木よう子には荷が重すぎたのか?
『パッチギ!』の時にはあんなに生き生きと演じていたのに・・・。

真木の演技はひとつのシーンが1色で終わってしまっている。その1つだけの色は綺麗に出せているのだけれど、そこから先、斑模様もグラデーションも描けない。極端な表情があるのみ。極端から中庸へ、あるいは中庸から極端への変化が出せていない。一度にひとつの感情しか表せない。悲痛ばかりが見える。しかし、肝心のその悲痛も伝わって来ない。

この映画の前半では特に悲痛と無気力の両方を表に出す必要があったのではないかな?
そして、後半にかけて(悲痛を取り除くことはできないにしても)無気力が生きる気力に変わって行くところを表現する必要があったのではないかな?

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Saturday, February 04, 2006

映画『三年身籠る』

【2月4日特記】 映画『三年身籠る』を観てきた。

この映画、試写会を観た人たちに聞くと頗る評判が良い。特にマダム・クニコさんとかアロハ坊主さんとか、僕の信頼する映画評ブロガーたちが激賞しているものだから気になって仕方がない。リリースが早かったので、今か今かと公開を待っていたら、知らぬうちに封切られていた。

まず、端的に目についたこと2つ。

  1. とても奥行きのある構図が多かったこと
  2. 台詞のひとつひとつがとても含蓄に満ちていたこと

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Friday, February 03, 2006

僕に会いたいと言う人からメールが来た

【2月3日特記】 僕に会いたいと言う見知らぬ人からメールが来た。会いたいと言われたのは初めての経験である。某大手週刊誌の記者さんだそうだ。僕のHPの「視聴率の嘘800、ホント200」のコーナーを読んで面白かったから是非会いたいとのこと。

これって結構怖い。

断片的にではあれ、僕のほうは相手に僕の情報を随分与えてしまっている。僕のサイトの膨大なページをくまなく読めば、業界に詳しい人であれば、僕の勤務先は容易に想像がつくだろう。そして、本気になって調べまくれば、僕の役職や本名、年齢くらいまでは突き止められるかもしれない。

それに対して、僕に判るのは彼の名前くらい(ったって、これも本名かどうか判ったものではない)。いくつなのか、どういう経歴の持ち主で、どういう性格のどういう考え方の人なのかさっぱり判らない。

会いに行ったらいきなりグサッと刺されるかもしれない(どこに刺される理由があるのかと言われたら、まあ、その通りなんですけど・・・)。刺されはしなくても、待合せ場所に行ったらいきなり3人組の大男が現れて、殴られて金を奪われる、なんてことも。

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Thursday, February 02, 2006

村の古老

【2月2日特記】 昔からいろんなものに憧れてきたけど、何に憧れるかはその時その時で異なっていた。

例えば若い頃はフォーク・シンガーに憧れた。仙人に憧れた。銭苔に憧れた。

最近では村の古老になりたいと思う。そう、村の古老。

「長老」ではちょっと偉すぎる感じがする。村の全てを取り仕切っているような印象がある。

だから村の長老ではなく村の単なる古老になりたい。

普段は別に重きを置かれるわけでもなし、と言って無視されるでもなく、すれ違えば挨拶ぐらいはするが、その程度にしか認識されておらず、でも何かの折には誰かがふと「そうだ、あのじいさんに訊いたら知ってるかもしれん」などと思い出してくれる。

村の代表が3~4人、僕を訪れる。

「ほうほう、若い衆よく来てくれた。なになに、ほう、それはな・・・」などと訥々と語りだす。そして最後に「おっほっほ」と笑う。

あくまで「おっほっほ」である。「わっはっは」でも「いっひっひ」でもいけない。

その後1ヶ月くらいは村人に見直される。そして、2ヶ月経てばもう誰も気にしていない。もちろんすれ違えば挨拶ぐらいはするが。

今はそういう老人になるためにひらすら修行をする時なのだと観念して、村へと続く山道を登っている。

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