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Tuesday, January 24, 2006

映画『THE有頂天ホテル』2

【1月24日特記】 一昨日書いた映画『THE有頂天ホテル』で書き足りない気がしたので続編を書きました。

いや、あれだけのオールスターキャストなんだから、キャストに触れないまま筆を置くのは、こりゃ、いかんなあと思ったのです。

ひとりひとりが本当に個性的でした。

まず、伊東四朗と西田敏行の大御所2人。
この2人は本当に大いなるマンネリズムとでも言うべき芸を披露してくれました。

伊東四朗のほうは、総支配人の役と言えばもっとどっしりした人物を想起しがちですが、豈に図らんや、実に伊東四朗らしい、まるでキートンやチャップリンの時代の無声映画みたいなスラップスティックぶり。喜劇役者としてのサービス精神満載で大いに楽しませてもらいました。

僕は伊東四朗は大好きで、西田敏行はあまり好きではないのですが、西田敏行も主役ではなくてあのくらいの脇役ならば、しつこくなくてちょうどよろしい。それにしても裸になった時の肉体は醜かったけどね・・・。

次に2人の特殊メイク・ハゲ──唐沢寿明とオダギリジョー。
いやあ、偉いよねえ。天下の2枚目2人がこんな鬘で出て来るんだもんね。

いずれもちゃんと禿げてない、言わばハゲの始まりみたいな髪型。たくさんいるよね、こういう髪型の人。

潔いですよねえ、唐沢寿明って。
いつまでもトレンディ・ドラマ主役の幻影を引きずらずに、こんなヅラ被って出てきて、しかもイケてない芸能プロ社長を演ずる辺りにこの人の役者魂を感じます。

ほんでオダギリジョー、サイコー!
どこの会社にも1人や2人いるでしょ、こういう社員。ある専門分野に於いてかなり優秀な実務家なんだけど、人づきあいが下手で口下手で、押しが弱くてまっすぐ他人の目を見て話せない、でもメチャクチャいい奴! このオダギリの演技力は相当なもんだと思います。

いやあ、笑った笑った。

それから、一昨日の記事にも書いたけど、津川雅彦と近藤芳正の父子。オールマイティの怪優と三谷幸喜・子飼いの個性派──この組み合わせが良い。そして、あの耳!

で、怪優と言えば、と言うか、怪優の子は怪優と言うか、佐藤浩市。
こんなハチャメチャな演技陣に混じって独りだけ異質な演技を続けてました。「僕もみんなと一緒に跳ねたかったですよ」というインタビュー記事を読んで大笑いしました。でも、やっぱ巧いです、うん。

ほんで巧いと言えば、主役級の役所広司も言うまでもなく巧い。
この人、ほんとはどんな役柄でもこなす人なのに『Shall we ダンス』以来この手の役が多いですねえ。ドデカイ当たり狂言がでてしまうのも役者にとって良いのやら悪いのやらと、ちょっと気になってしまいました。

松たかこと香取慎吾──この2人、僕は実はそれほど好きではない。

松たかこの魅力が奈辺にあるのかよく解らない。でも三谷幸喜には可愛がられてますよねえ。結局普通のところが良いのかなあ。結構普通っぽいのに常軌を逸した行動に出る女性を好演してました。

香取君も三谷監督のお気に入り。こっちは端的に言ってTVでの露出量が多すぎて、僕が飽きてしまっただけかもしれません。確かに、タイトル忘れてしまったけどTVドラマ・デビューした時の知的障害者の役なんて抜群に巧かったもんねえ。

意外に巧いなあと思ったのが篠原涼子。
僕は女優・篠原涼子を見るのはほとんど初めてでした。「素」の演技かもしれないけど、非常に安定してたように思います。ダンナの薫陶を受けてるのかな?

そして、今回記憶に残ったのが客室係を演じた堀内敬子。
劇団四季の人なんですって?

今回の役柄はただうるさいだけの若い女だったので、その演技力を見極めることはできませんでしたが、非常に印象に残りました。

この映画には他にも寺島進とか梶原善とか石井正則とか、魅力的な脇役がいっぱい出てますが、堀内敬子はそんな人たちよりもずっと強い印象を残してくれました。

寺島進などは北野武映画の常連と言っても分からない人には分からないし、梶原善も昔から三谷幸喜の下で個性的な役を演じ続けてきた人ですが、果たして何人が注目してるかは疑問ですし、石井正則も『古畑任三郎』の西園寺君と言わないと分からない人が多いでしょう。

堀内敬子も彼らと同じような渋い脇役になるのか、それともブレイクしてスターになるのか、行く末がとても楽しみです。

彼女のことを妻は「石野真子に似ている」と言い、僕は「清水由貴子に似ている」と言おうとして「清水」までしか思い出せず、2人で清水ミチコ(彼女も声の出演してました)とか清水美砂とか関係ない名前を連呼した挙句♪お元気でーすか~、と唄まで歌ってしまいました。

歌と言えば、妻が「YOUの歌巧かったね」と言いました。
僕は別段巧いとは思いませんでしたが、「そうそう、FAIRCHILD の時はこんな声で歌ってたなあ」と、少し懐かしくなりました。普段あれほど歌唱力に関して辛辣な妻が軽々に巧いなどと口走ってしまうのは、ひとえに映画の出来に引っ張られたのでしょう。

最後に、戸田恵子と原田美枝子──この2人は完璧でした。非の打ち所がありません。

いやいや、本当にオールスターキャストを堪能できる映画でした(なんて、一昨日は貶したくせにテキトーなもんです)。

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