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Sunday, January 22, 2006

映画『THE有頂天ホテル』1

【1月22日特記】 映画『THE有頂天ホテル』を大阪・梅田で観た。

ナビオTOHOプレックスに着いたのは 11:30。なのに 12:25 の回も 15:30 の回も満員で、入れるのは 18:30 の回。「三番街シネマではまだ席に余裕があります」との貼り紙を見て移動。

ところが三番街シネマでも 13:10 の回まで売り切れ。漸く 16:10 の回を押さえたものの、それから夫婦で暇を潰すこと4時間余り。どうなってんの、これ!? (暇潰しに下の階で『ALWAYS 三丁目の夕日』でも観ようかと言ってたのだがやっぱりやめた)

僕と三谷幸喜との出会いは劇団「東京サンシャインボーイズ」ではなく、中原俊が映画化した『12人の優しい日本人』だった。へえ、こんなことやってる劇団があって、こんな本を書く脚本家がいるんだ、と大層感心した。そして、後追いでCX『やっぱり猫が好き』の脚本の大半を彼が手がけていたことを知った。

だが、その後、彼の作品を欠かさず見ているというわけではない。『古畑』も時々(今年正月の3夜連続は全部見たけど)。『王様のレストラン』はチラッとしか見たことがないし、『新撰組』は1秒たりとも見ていない。ただ、彼が監督した3本の映画は全部見ている。

今回の『THE有頂天ホテル』は言うならばスラップスティック群像ドラマ人情噺。「みんな思うとおりに好きにやればいいんだ」というのがテーマと言うか、キーの台詞と言うか・・・。

とあるホテルを舞台に客や従業員など、それぞれに癖といわくのある人物が織り成すドタバタ。筋を書き始めると登場人物が多い分ものすごい量になってしまうので全く書かないことにするが、当然バラバラに進んでいたストーリーが随所で繋がってくる構成になっており、そこがなかなか乙で巧い。

この映画はきっといろんなところでいろんな人が褒めるだろうし、恐らく僕はそれを読んで何の異論もないだろうと思う。だから今回はちょっと貶すほうに回ってみることにする。

僕は三谷監督作品を見るたびに、この人、監督をやらずに脚本だけ書いていれば良いのに、あるいは、演出をやりたいのであれば舞台だけにしておけば良いのにと思ってしまう。

なぜなら作品が演劇そのものだからだ。これを彼が手がけてしまうとたとえ映画であっても演劇になってしまう。映画にするならやはり映画の専門家の監督に任せたほうが良いような気がする。

もちろん彼が映画に拘るのは、この作品は決して芝居にならないからだろう。これだけ舞台が広くシーンが多いとなると、これを舞台でやったら暗転/セット・チェンジばかりになってしまうはずだ。しかし、その暗転の手間を省いて映像を繋げてしまっているために、息が抜けない。

これはまるで無理やり暗転せずにシーンを変え続けている演劇のような、変化があるようで実はリズムの変化に乏しい、ややせせこましいものになっていないだろうか? 我々観客は作品の最後だけではなく作品の途中、シーンの変わり目にも余韻を求めるものではないだろうか?

彼の作品では長回しが多い。だが、それはほかの監督たちがやるように画作りに凝って動いているのではなく、単にカメラが人物を追っているだけである。しかも、役者の動きがきわめて演劇的である。これは芝居の演出家の目で追った映像である。映画の観客の視線の動きではない。そこらへんがちょっとしんどいところだと思う。

──とまあ、貶すとすればこんな感じだろうか。でも、別にこのことのためにこの映画を否定する気はない。わりと面白かった。一緒に観た妻は大満足だったみたい。

妻:「誰が一番面白かった?」
僕:「んーと・・・、オダギリジョーかな。そっちは?」
妻:「生瀬勝久」

うむ、随分感性が違う。

ただ、2人とも津川雅彦・近藤芳久父子の耳には大喜び。こんな小細工大好き!

終わり方はさすがに心得たもので演劇的カタルシスがちゃんとあるようになっている。でも、あのエンディング、ベートーベンみたいにしつこかった。

★この記事は下記のブログからTBさせていただきました。

Swing des Spoutniks

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