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Saturday, November 26, 2005

映画『乱歩地獄』

【11月26日特記】映画『乱歩地獄』を観てきた(妻が浅野忠信の大ファンで、僕が浅野忠信の小ファンなもので・・・)。4本建てのオムニバスの4本全てに(必ずしも同じ役柄ではないが)浅野忠信が出演している。言うまでもないが、4本とも江戸川乱歩の原作に基づいている。

4人の監督のうち知っていたのは実相寺昭雄だけだった。

1本目の「火星の運河」は竹内スグル監督。ラルクやイエモンなどのクリップを手がけたフリーの映像ディレクターだそうな。

いきなり無音の悪夢である。なんだかよく解らないが、夢なんで解らなくて当然だし、解るものだけが良いものであると思うのは間違いだ。映画はまず一義的に映像なのである。

悪夢と言えば先日北野武の『TAKESHIS'』を観たばかり。あの悪夢も凄かったが、この悪夢もまた凄まじい。そして、こちらの方がより夢っぽい(なるほど、あれはアイスランド・ロケだったのか)。しかし、それにしてもあっという間に終わり。それだけに凄みの残滓がある。

2本目の「鏡地獄」が実相寺作品。4本の中で一番オーソドックスな明智小五郎もの。浅野が明智。真犯人が成宮寛貴。鏡をあしらった、と言うより鏡だらけのセットが次から次へと延々続くあたり、やっぱり並の演出家ではないなと思う。うーん、これはイリュージョンですなあ。

でも、これを単独で観たとしたら、あまり良いとは思わなかったかも。他の新人監督の、多分に実験的な作品の中にこの大御所の作品を編みこんだことが、このオムニバスの成功に繋がっていると思う。

3本目の「芋虫」。監督の佐藤寿保はポルノ映画の人らしい。これは最悪。見ている者にとってタイトル通りの地獄がやってくる。こりゃ、ひどいわ。いや、映画の出来云々じゃなくて、この設定! 手足を切り落とされた男(耳もない!──途中ではたと気づいが、扮しているのは大森南朋だった)。思い出すだけでも吐きそうな気分。

それに比べて、最後の「蟲」は、同じように陰惨な設定なのに、ユーモアをまぶして救いのあるものになっている(浅野忠信サイコーッ!)。監督(脚本も!)はカネコアツシ。この人は漫画家らしいが、監督デビューとは思えないほどの手腕を感じさせてくれた。

特に原作では暗くてじめじめした蔵の中という設定を、映画では(結局それがどこなのかよく判らないのだが)明るい写真スタジオの中の楽園のセットのような場所に変更したところが秀逸な発想だと思う。色彩のマジック!

で、以上を振り返ると、無音の悪夢→鏡のイリュージョン→吐きそうな地獄→色彩のマジック!

趣味の問題だけれど、僕は3本目は要らなかったなあ。

ま、いずれにしても、4本とも良い子の皆さんは決して見てはいけません。

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Comments

お久しぶりです。
私も先週「乱歩地獄」観ました。
正直映画館じゃなくてよかったなと。ただ、4話目は私も同感で、映像美、構成美、くだらなさがよかったです。
そして、私も浅野忠信フアン。
バイト先でテープ起しを、3度させて頂きました。なんたる幸運。より惚れました。
「TORI」「SORANO」も終わらないうちに観にいかねばと思っています。モンゴルの作品も楽しみですね。

Posted by: yo | Tuesday, November 29, 2005 at 03:29

> yo さん

まいど。

我々、結構、趣味かぶりますよね?
あ、いや、こんなおっちゃんとかぶるのは迷惑か(^^ゞ

また、そっちのブログも見に行きます(更新されてないことも多いけどw)

Posted by: yama_eigh | Tuesday, November 29, 2005 at 09:42

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