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Wednesday, November 23, 2005

『ALWAYS 三丁目の夕日』は見ない

【11月23日特記】休日なので映画でも見ようかと思ったが、見たい映画が1本しかなかったので、とりあえず今日はやめておいた。

世間の評判にかかわりなく、あまり見る気にならない映画というものが誰にでもあるのではないだろうか。僕にとっては例えば、今上映中のものでは『ALWAYS 三丁目の夕日』。

いや、この映画を貶そうと言うのではない。さすがに見てもいない映画にケチをつけるような真似はしない。ただ、見る気にならないのである。

もちろん、僕を見る気にさせないような映画はやっぱりダメな映画だなどと言うつもりもない。今ここでは映画の評価に焦点を当てて書こうとしているのではなくて、僕の傾向について書こうとしているのだ。

※ 何をクドクド書いているのかと訝っておられる読者の方もあろう。
自分でHPやブログを運営している人にしか解らないかもしれないが、ネットというのは実に恐ろしい世界で、ここまでくどく書いておかないと(いや、ここまでくどく書いていても)早とちりして激烈な抗議メールを送って来られる方がおられるのである。

まず僕は、素直な映画、ベタなストーリーよりも1回ひねったもの、むしろ捻れたもの歪んだものを好む。

それから、観た人の感想や宣伝文句のトップに「泣いた」とか「泣ける」とかいうフレーズが来るものはちょっとご勘弁である。「もうちょっと他の感慨はないんかい?」と思ってしまうのである。

いや、泣いたって構わないよ。でも、泣くだけかい?あるいは、泣くことがトップなのかい?と思ってしまう。かく言う僕も中学生の時に『あゝ野麦峠』を見て泣いたりしたのではあるが、そういうのは中学・高校くらいでもう良いかなという感じ。

世の中にはひたすら「泣ける小説」や「泣ける映画」を追い求めている方もおられるようだが、僕からすれば、それはとても不思議な嗜好である。

さらに僕は、現代の作家による現代を舞台にした物語を好む。

だから、邦画好きではあるけれど、黒沢も小津も溝口もほとんど見たことがない。昔に作られた映画を見る暇があれば、最近公開された映画のほうを見たいと思う。昭和30年代を舞台にした映画よりも平成10年代の映画のほうが好きだ。時代劇となるとなおさら見ない。

「何故現在を描かないんだ、と思ってしまう」とある人に言ったら、「過去の時代を借りて現代を描いているのだ」と反論されたのだが、ふーん、随分と面倒な手法だなあと思ってしまう。

時代劇でありながら、登場人物が紛れもない近代的自我の持ち主で、考え方や行動パタンが全く現代的であったりする映画や小説もある。そういうのに出くわすとなんだかがっかりである。

そんな時代劇よりも、北野武の『座頭市』みたいに下駄はいてタップ踊ってる奴がいたり、宮藤官九郎の『真夜中の弥次さん喜多さん』みたいに、さっきまで江戸の長屋だったのに突然2人がバイクで高速を走っていたりする映画のほうが好きだ。

てなことと照らし合わせるとご理解いただけると思うのだが、『ALWAYS 三丁目の夕日』というのは僕が却々見る気にならない映画なのである。

とは言え、この映画、世間の評判は頗る良い。三浦友和と薬師丸ひろ子が出演しているのにも惹かれる。だから、1年か2年後に WOWOW が放送したらきっと見ると思う。もし WOWOW が放送してくれなかったらDVD借りてきてまで見るかどうかは、今のところなんとも言えないけど・・・。

もうひとつ、今上映中の映画では『カーテンコール』も見る気にならない。ベタな感じの監督ということもあるが、佐々部清という監督の作品はなぜだかどれも見る気にならない。

僕の周りに佐々部清を褒める人がいない。僕が鑑賞眼を信頼している人たちは佐々部作品をたいてい貶す。だから、僕も見る気にならない。

思い切って見てみたら本当は驚くほど良い映画であるかもしれないのに、そういう風にして、僕は多くのチャンスを失っているのである。そういう風にして(下卑た表現だとは思うが)「損をしている」のである。

なあに損をしたって構わないさ。僕は勉強のために映画を見ているのではなく、趣味・娯楽の類で見ているに過ぎないのだから。

世の中には「絶対面白いから見て」などと薦めてくれるひとがいる。これも大いに不思議。僕は訊かれれば「僕はものすごく面白かったけど、これこれの志向の人にはキツいかもしれない」とか「○○とか××(映画の題名)を見て面白かった人なら気に入ってもらえると思うけど」などと答える(もちろん、映画に対する感性が自分に近いと知っている人に対しては、もっと油断した言い方するけど・・・)。

他人に見ろとも見るなとも言う気はない。誰にでも、見る気にならない映画はあるだろう。ただそれだけのこと。

最後にもう一度書くと、この記事は映画の評価に関するものではなく、僕の傾向に関するものである。

こう書いてもどうしても自分の好きな映画や監督を貶されたと感じて気分を害する人のためにもっと解りやすく書くと、要は僕が1800円+電車賃を使って映画館まで足を運ぶかどうかの傾向について書いたものである。

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