映画『空中庭園』2(パンフレット編)
【10月9日特記】 映画『空中庭園』のパンフレットを今読み終わったのだが、これ、1000円もしたけど非常に充実したパンフだ。
ストーリーと解説とキャスト紹介があって、そのあとインタビュー記事が延々と続く。何故か監督インタビューはなくて、インタビュイーは撮影・照明・録音・美術・衣裳・ヘアメイク・編集・音楽監督・楽曲・歌手・特機・フラワーデコレーション・CG視覚効果・プロデューサーの各スタッフ。
これ、すごく勉強になる。各担当のスタッフがどんなことを考えどんな段取りでどんな作業をしているか、どんな処置を施せばああいうシーンが出来上がるのかが手に取るように解る。
特機なんて何する人か知ってる? 僕はたまたまこういう業界にいるので、現場経験はなくても特機が何をする人なのか大体知ってはいたけど、一般の人には「ふーん、そんな役割の人がいるのか」てなもんでしょ。
これから映画業界を目指す人はこのパンフ必読でしょ。映画見てパンフ読んで、もう1回映画見直したらものすごく勉強になると思うよ。僕は映画を見たら必ずパンフを買って、読んで、そして年始に全冊捨てるのだけれど、このパンフだけは取っておこうっと。
そして、パンフはこの後4th助監督によるお決まりの撮影日誌が続き、さらに台本が併載されている。
一応「決定稿」とは書いてあるんだけれど、現場で何箇所も手直しする監督だけに、映画と比べて読むとめちゃくちゃ面白い。そして、編集で落としたシーンもきっちり載っている。
で、これで終わりかと思ったら、その後なんと角田光代の短編小説まで載っている。
タイトルは『夜道の家族』。読んでみると『空中庭園』の後日談ではないか。話者は、映画ではソニンが演じたミーナ先生。大楠道代が演じていたおばあちゃんが亡くなって、葬儀の連絡がFAXでミーナ先生に届くところから始まる。ミーナ先生はすでに(映画では板尾創路が演じていた)貴史とは別れて他の男と同棲している。ミーナ先生は「いくわけないじゃん」と独りごとを言いながら、結局バスに乗って葬儀場に向かう・・・。
これがまた良い短編小説!
いやあ、値打ちのあるパンフでした。
ところでパンフで知った情報ひとつ。息子役の広田雅裕、今回映画初出演らしいのだが、あの『だいじょうぶマイフレンド』の広田玲央奈の息子なんだってさ。あんまり似てないけど。
【12月6日追記】 後付けですが、同じようなことが書かれたブログを見つけたので、トラックバックさせてもらいました。
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Comments
こんばんは。TBのみならず、記事にリンクまで貼っていただき
ありがとうございます。
パンフレットの出来もさることながら、作品自体の出来も素晴らしい
ものでしたね。感想がずいぶんと先延ばしになっているのですが、
週末あたりに気合を入れて書くつもりなので、
またその時はご覧になってください。
Posted by: 丞相 | Tuesday, December 06, 2005 23:21
> 丞相さん
あ、僕がTBさせてもらった暁には、反対給付としてもれなくリンクが付いてくるんですよ。
詳しくは投稿者の名前(yama_eigh)をクリックしてみてください。
Posted by: yama_eigh | Wednesday, December 07, 2005 00:29