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Sunday, September 25, 2005

日本アカデミー賞とキネマ旬報ベストテン

【9月25日更新】 映画の記事を書くときに僕がいつもキネマ旬報ベストテンを引き合いに出すのは、それが日本映画界で最高に権威のある賞だと思っているからではなく、僕自身の感性に最も近いと思っているからだ。

例えば日本アカデミー賞は僕にとってなかなか納得が行かない賞である。

とは言え、キネ旬と日本アカデミー賞は微妙にずれてはいながらも、そんなに遠く隔たった評価を下してきた訳ではない。少なくとも2年前までは。

日本アカデミー賞の第1回(1978年)から第26回(2003年)までの「最優秀作品賞」を並べてみると、それら全てがキネ旬ベストテンに入選した作品である。キネ旬の1位と一致したケースも少なくなく、一番近いところでは第26回(2003年)の『たそがれ清兵衛』がそうである。

その直前5年間(第21~25回、1998~2002年)を比べてみても、アカデミーの最優秀賞は順番に『もののけ姫』、『愛を乞うひと』、『鉄道員(ぽっぽや)』、『雨あがる』、『千と千尋の神隠し』であり、それらの作品はキネ旬ではそれぞれ第2位、第2位、第4位、第9位、第3位にランクされている。

逆にキネ旬のほうを見てみると、当該年のベストワンはそれぞれ『うなぎ』、『HANA-BI』、『あ、春』、『顔』、『GO』である。これらの作品はアカデミーでは最優秀には選ばれなかったものの、5作品選ばれる「優秀作品賞」には『あ、春』を除く4作品が入っている。

微妙に違うとは言え割合近いものではあったのである。

それがおかしくなったのが2004年と2005年である。

第27回(2004年)のアカデミー最優秀は『壬生義士伝』。キネ旬では第24位である。他4つの優秀作品は『阿修羅のごとく』、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』、『座頭市』、『スパイ・ゾルゲ』で、それぞれキネ旬では第5位、第26位、第7位、第17位である。

因みに、その年のキネ旬の1~5位は『美しい夏キリシマ』、『赤目四十八瀧心中未遂』、『ヴァイブレータ』、『ジョゼと虎と魚たち』、『阿修羅の如く』であって、アカデミーの評価とは大きく異なっている。

翌年第28回(2005年)も見てみよう。アカデミー最優秀は『半落ち』。キネ旬では第22位である。他4つの優秀作品は『隠し剣 鬼の爪』、『スウィングガールズ』、『世界の中心で、愛をさけぶ』、『血と骨』で、それぞれキネ旬では第5位、第7位、第26位、第2位である。

同じくその年のキネ旬の1~5位は『誰も知らない』、『血と骨』、『下妻物語』、『父と暮せば』、『隠し剣 鬼の爪』である。第27回ほどではないにしろ、両者はかなり食い違っている。

日本アカデミー賞には独立系のプロダクション作品は選ばれないということは割合はっきりしているが、それにしてもこのテーストの違いは何なのだろう。特にこの2年間の大きな乖離は?

こうなると、どっちかがおかしくなってしまったと言わざるを得ないのではないか?

いや、別にどっちかの賞を悪し様に書きたい訳ではない。2つの賞はこんなに指向が違っていて、僕にはキネマ旬報のランキングが肌に合うということだけである。

【註】

映画には制作年、公開年、受賞年の3つがあってややこしい。

制作年と公開年は一致していることも多いが、秋以降に制作された作品が年が改まってから公開される例も少なくない。

そして、受賞年であるが、日本アカデミー賞は発表会・授賞式が行われた年月日に合せて第○回(XXXX年)という表記を採っている。従って、2005年の受賞作品は2004年に公開された映画である。

一方、キネマ旬報のほうは公開年が基準になっていて2005年度ベストテンは2005年に公開された作品が対象で、審査発表は2006年の1月(雑誌掲載は2月の上旬に出る「2月下旬号」)である。

この記事では日本アカデミーの選出に先に触れたので、年号は日本アカデミー方式で統一している。

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