『ジョゼと虎と魚たち』と『メゾン・ド・ヒミコ』
【9月1日特記】 2つ前の記事「映画『メゾン・ド・ヒミコ』」で書き忘れたのだが、同じ犬童監督の作品で『ジョゼと虎と魚たち』とこの『ヒミコ』のどちらが良かったかと言うと圧倒的に『ジョゼ』のほうが良かった。
ひと言で書くとそれはリアルさの差だ。
「リアルさの差」というのは身体障害者やゲイのことをちゃんと調べ上げた上で映画化しているかどうかということではない。劇の流れの中でのリアリティである。(HPのほうにちょこっと書いたのだが)設定のリアリズムではなく進行のリアリズムが問題なのである。
『ジョゼ』は一糸乱れぬリアリズムの中で劇が進んで行く。『ヒミコ』は時々淀む。
そして、もうひとつの要因(と言うか、この要因はリアリズムの素でもあるのだが)として言えることは、柴咲ファンには申し訳ないのだが、ひとえに池脇千鶴と柴咲コウの演技力の違いである。
池脇は段違いに巧い。柴咲とは格が違う。『ヒミコ』にも良い役者がたくさん出ていただけにちょっと残念である。
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