おっちゃんの長澤まさみ論
【9月13日特記】 若い頃には週に9本のTVドラマを見ていたこともあったけど、最近ではせいぜい1クールに1本。で、今はまってるのがTBS『ドラゴン桜』。
このドラマの魅力は、まず絵空事のようでありながら意外に(受験の、そして人生の)核心を突いている原作の良さ、秦建日子の脚本の切れの良さ、阿部寛の好演と圧倒的な存在感・・・。しかし、中でも最大の原動力は長澤まさみにあるのではないか、としみじみ思うのである。
もちろん飛び抜けて可愛いということもある。だがそれだけではない。映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の時は何ということなかったんだけど、今の彼女は抜群に上手い。
得意なのは泣き。そして、泳ぐ眼差し。
この泳ぐ眼の演技は秀逸。他の追随を許さない。ワン・パタン演技だと貶すこともできるだろうが、これだけの得意技はジャイアント馬場の16文キックに匹敵する(例が古すぎて解らんか?)
そうやって視線を泳がせるだけで数パタンの状況を演じ分ける──悲しみ、バツの悪さ、驚き、悔しさ、爆発寸前の怒り・・・。
そして、彼女の秀でたところは中間の表情ができること──半ベソ、泣き笑い、固い作り笑い、困惑と虚勢の同居・・・。
そして、ひとつの表情から別の表情に鮮やに転ずる──泣いていたかと思うとちょっと微笑んでみせる、拗ねていたのが突然怒りに変わる・・・。
もちろん、それらの演技を、自分の可愛さをうまくアピールしながら進められるというところが女優としてのミソではあるのだが、例え可愛くなかったとしても舌を巻く巧さである、と僕は思うのである。
さて、『ドラゴン桜』はいよいよ今週最終回。15分拡大(我々の用語で言う「枠大」)なんで録画失敗しないように。それから、映画『タッチ』も楽しみ。
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