映画『SHINOBI 』
【9月17日特記】 映画『SHINOBI 』を観てきた。想像した通りの映画だった。
徳川家康の命を受けて、敵対する伊賀と甲賀の忍者同士が戦う話(選抜メンバー5人×5人、原作では10人ずつらしいが)。非常に単純な筋。
だからあとはアクションと VFX の出来がポイント。それ以外の余計なことを期待して観に行ってはいけない。
描かれる忍術は(山田風太郎の原作からしてそうらしいのだが)忍術っぽくなくて、そこがなかなか面白い。忍術と言うより妖術という感じ。と言うか、忍術っぽい使い手は早くにバタバタ死んで行って、妖術っぽい使い手が生き残って行く。
ところどころで次の台詞が完璧に読めてしまうのだが、まあこれは時代劇ならではと割り切って楽しむのが良いだろう。
追加の設定としては、伊賀と甲賀の頭領がそれぞれ仲間由紀恵とオダギリジョーなのだが、その2人が恋人同士であるということ。なんと古典的な悲恋のステレオタイプ!
──ここから「愛し合う運命 殺し合う宿命」というキャッチフレーズが生まれてくる訳だが、このキャッチの前半部分に期待してはいけない。恋愛物語はあくまでアクションにふりかけるスパイスなのだから・・・。
ワイヤーアクションもCGもとても巧妙で面白い映画である。エンタテインメントとしてはこれで充分である。
加えてこの映画には非常に美しい映像というオマケがある。
しかし、それにしても出てくるのは旧き良き大和の国の山紫水明・花鳥風月のオンパレード。──明け方の山際、満月、夕焼け、流れる雲、砂丘、紅葉、雪景色と、よくもまあこれだけステレオタイプを並べ立てたものだ。ここまで果敢にマンネリズムに自ら嵌り込んで行く勇気は、僕にはない。オー、エキゾチック・ジャパン!
おまけに「さあ、ここでカメラが人物の周りを回るぞ」と思ったら案の定その通りの映像を見せてくれる。
まあ、でも、アクションも VFX もよく出来てたし、実写の映像も綺麗だったし、ストーリーも最後はあんな壮絶なことになっちゃうとは予想できなかったし、ええんちゃうかな?
「愛」と「生」がテーマだと思って観に行った人は落胆するでしょう。これは活劇です。
僕は『RED SHADOW 赤影』や『陰陽師』を観に行った時と同じ期待感を持って劇場に足を運んだのだが、それで正解だったと思う。
ところで、ポスターやパンフに使われている写真が映画の映像の倍くらい美しい。これはスチール・カメラ担当の鈴木さゆりさんの手腕である。彼女の名前を憶えておいてほしい。
Comments
初めまして。
SHINOBI好きの緋炎と申します。
TBさせて頂き、ありがとうございました!
SHINOBI、本当に綺麗ですよね^^
ラブストーリーとしては物足りないですが、アクションなど面白かったです。
Posted by: 緋炎 | Sunday, September 18, 2005 16:42
>緋炎さま。
ひえ~、筋金入りの SHINOBI ファンの方からTB&コメントが・・・。
どうも、失礼しました。
そーですか、舞台挨拶見ましたか。良かったっすね。ほんでハリウッドがリメイクですか。こりゃ大金が動くぞ。
Posted by: yama_eigh | Sunday, September 18, 2005 18:49