映画『妖怪大戦争』
【8月6日特記】 くそ暑い中、映画『妖怪大戦争』を観てきた。子供ばっかりかと思いきや、むしろ子供は少数派。そう多くない若い人たちは少しヲタクっぽい。いやオタクと言うよりか「好事家」、それも中年以上が非常に多い。
そう、メイン・ターゲットはこの年代。僕もめちゃくちゃ楽しみにしてた。
子供の頃TVの『ゲゲゲの鬼太郎』に「妖怪大戦争」という回があって(確か前後編に分かれてたと思う)、とても興奮した想い出がある。
その時は西洋対日本の妖怪大戦争だったのだが、西洋の妖怪はドラキュラとかフランケンシュタインとか魔女とか、皆とても強そうなのに、日本のほうは、鬼太郎は別としてとても弱っちくて、砂掛け婆が砂掛けたって小泣き爺が抱きついて泣いたって全然威力なし。塗り壁なんかは防御一辺倒だし、攻撃らしい攻撃と言えばせいぜい一反木綿が巻きついて締めつけるくらい。
ああ、負ける、日本の妖怪が負けてしまう!と随分ハラハラした。
それが今回の敵は、なんとあの『帝都物語』の加藤保徳!血沸き肉踊るではないか!
そもそもこの映画は、水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきの雑談から始まって、瓢箪から駒で映画化されたらしい。で、監督が三池崇史。上記4人が「プロデュースチーム」に名を連ね、荒俣宏は「原作・脚本プロデュース」にもクレジットされている。
ぬおー、とっても待ちきれなかった。
が、そういう風にあんまり肩に力が入りすぎた状態で見に行くと、この映画はがっくり肩透かしくらわしてくるぞ。
そう、やっぱりここでも日本の妖怪たちは弱いのである。役に立たない奴が多い(極め付きは蛍原徹が演じた豆腐小僧。名前の通り、こいつは豆腐持ってるだけ)。そもそも日本の妖怪たちは人間を嚇かすのが商売で、プロデュースチームによると「妖怪たちは闘わない」んだって。
なのに「妖怪大戦争」? そういう映画なのだ。そういう意味で非常に楽しんで作ってある。
しかし、それにしても特殊メイクが分厚くて、それぞれの妖怪を演じているのが誰なのかほとんど判らなかった。
登場場面の多かった川太郎が阿部サダヲであることは辛うじて見抜いたけど、猩猩は池乃めだかかと思ってたら近藤正臣だったし、一本だたらの田口浩正
なんか帰宅してからパンフレットの写真見直してもやっぱり判らない。小豆洗いは「これ、由利徹かな? あれ、由利徹って生きてたっけ?」と悩んでたら、な
んと岡村隆史だった。
顔はほとんどノーメイクだった油すましの竹中直人とぬらりひょんの忌野清志郎はさすがに判ったけど、カメオ出演していたプロデュースチームの4人のうち、判ったのは水木しげるだけ。宮部みゆきは結構台詞の多い人間の役だったので逆に判らなかった。
と、ここまで読んで解るように相当のオールスターキャストなのである(なにせ上記は脇役ばかりなのだから)。
いやあ、楽しかった。帰りに西友で赤飯買ってしまった。
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