『スクールデイズ』完成披露試写会
【8月12日特記】 今冬公開の映画『スクールデイズ』(守屋健太郎監督)の完成披露試写会に行ってきた。なお、デイズは days ではなく daze (眩惑)である。
何の情報も先入観もなく観に行ったのだが、見終わって「誰やぁ、こんなストーリー考えた奴は!!」と叫びたくなるような映画だった。
学校に通いながら学園ドラマに出演している相沢晴生という高校生が主人公(この説明は実は最初のほうのシーンを全部すっ飛ばしてるけど・・・。ちなみに演じているのは森山未來)。
で、彼はドラマの中でも実生活でもいじめに遭っていて、極めて似通ったドラマと実生活の2つのシーンが交互に出てくる。唯一違うのは、ドラマの中には鴻ノ池先生という熱血教師(田辺誠一)がいてピンチになると助けてくれるが、実生活のほうはやる気のない嫌味な担任教師(松尾スズキ)がいるだけで誰も助けてくれない。次第に晴生はドラマと現実の区別がつかなくなって・・・。
とまあ、そんな筋で、映画は学園コメディ風に進んで行くのである。ところどころ笑いのツボを外してしまっているところもあって、まあまあかな、という感じ。
で、この先どうやって終わりに持ち込むのかな、と考えながら見てたら、晴生の実生活に鴻ノ池先生の幻覚が現れるようになって、ひょっとしたらこの映画は意外にアイロニーの強い深い意味合いを込めているのかもしれん、などと感じ始めてたら、1時間を経過した辺りから大きな展開がある。
おいおい、そんなことになるか。そりゃ、あんまりでしょ、と笑うしかない。いや笑ってる訳にも行かない。ひどいストーリーを考える奴がいたもんだ。かなり痛烈なメッセージ!
シニカルと言うよりクールな批判精神と言うべきか。
それでもラストのシーンは結構絶望的な環境の中に何故かほんわりとした安堵感がある。見事な脚本だ。
これ、僕はとっても良い映画だと思います。でも、悪いけどヒットしないと思うよ、藤村さん。だって、この映画見たら強烈な拒否反応起こす観客が確実に何割かいると思うもん。
ま、ひょっとしたらその何割かに入っていて不愉快な気分になるかもしれんと覚悟した上で是非見てちょーだい、と宣伝しておくことにする。幸いにして僕は大いに感心した口だ。
あ、ところで上で「ラストのシーン」と書いたのは実は嘘で、スタッフロールの後にもうひとつ短いシーンがあるから慌てて席を立たないように。
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