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Saturday, August 20, 2005

映画『サヨナラCOLOR』

【8月20日特記】 映画『サヨナラCOLOR』を観てきた。竹中直人が出演している映画を映画館で観るのはこれが13本目だが、監督作品は初めてだった。

「箱」が小さなユーロスペースだったということもあるが満員の盛況。実は何日か前に一度トライしたのだが立ち見だったので断念したのだ。

これは一種のお伽噺だと思う。小綺麗なことばで言えばファンタジー。つまり、現実にはあり得ない話。

自分で脚本に参加して主演して監督までするという「役得」とは言え、いくらなんでも竹中直人がもてすぎ! 同年代の男性として嫉妬したぜ。

竹中扮する医師が勤める病院に、竹中が高校時代に片思いだった原田知世が子宮癌で入院してくる。まず、この2人が同級生というのがあり得ない。とても昭和53年に高校を卒業したとは思えないくらい若々しく美しい原田知世が同級生であるというだけで羨ましい限りである。

竹中は独身とは言え、実は中島唱子扮する飲み屋の女将という愛人がおり、しかも水木芙美子扮する女子高生と援助交際までしているし、病院では毎朝看護士のお尻を触っている。そんな、女にだらしない竹中が他の患者から苦情が出るほど、かつての憧れの女性に掛かりっきりで尽くすのである。

これは「見かけはいい加減だった男に実は一途な一面があった」という構図で捉えないほうが良いと思う。竹中扮する医師は「いい加減・真面目」と言うか「デタラメ・一途」と言うか、なんかそういう分裂症的な人物として描かれているのだ、と僕は感じた。

つまり、監督は人間というものは一面的には捉えられないのだと言いたかったのだと思う。そして、それで良いのだと。

しかし、それにしても竹中直人はもてすぎである。こんなにもてなければ却々この二面性は発揮できないのではないか?

女子高生との援交についても、竹中がどこかの出会いサイトで調達した訳ではなく、同じ電車に乗り合わせた女子高生のほうから「おじさん火星人だよね? 援交しない?」と声を掛けてくるのである──そんな夢みたいなことあるか!?

で、竹中は律儀にちゃんと彼女と援交するのである(あまり深そうな関係には見えないが)。ほんで飲み屋の女将には一途に慕われているし、昔の憧れの人・原田知世との間でも、ある意味思いを遂げることになる。男冥利に尽きる話である。

だからこそこれはお伽噺だと思うのである。もちろん男性から見てとても素敵なお伽噺。女性はどう感じるのだろう?

そして、タイトルからも判るように、これは別れを描いた映画である。

舞台が病院であるだけに「死」という、自分の意志ではどうにもならない別れも描かれているし、自分の意志できっぱりと別れて行く男女も描かれている。そして同名のテーマソングの歌詞では「サヨナラからはじまることがたくさんあるんだよ」と言っている。

ここがこの映画の凄いところである。一見別れの映画のように見えて、実は監督は「それは何かの始まりであるはずだ」と言いたかったのではないか?

エンディングで流れる『サヨナラCOLOR』を聴きながら、なんかハモってる声が忌野清志郎に似てるなあと思ったら、本当にそうだった。この映画のために新録したんだね。

パンフレットにはご丁寧に最後のシーンまで含めて克明にストーリーが記してあるが、この映画は事前に筋を知らないで観た方が良いと思う。画も綺麗だが基本的にストーリー展開が売りの映画だと思った。

参考までに、この方の評も卓見だと思う。

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Comments

はじめまして。どうも、お褒めのコメントありがとうございます。人に褒められたのは、小学生の時の書き初め大会以来です。
yama_eighさんが言うように、女性から観たらこの映画はどう感じるんでしょうね。ちょっぴりリアルに感じる部分ってあるんじゃないでしょうか。僕としては、そう信じたいんですが・・・。
では、また遊びに来ます。

Posted by: アロハ坊主 | Sunday, August 21, 2005 at 08:23

> アロハ坊主さん。

ども。実は先月からちょこちょこ読ませてもらってました。

> 人に褒められたのは、小学生の時の書き初め大会以来

そーですか。いいですねえ。僕、習字は苦手だったので褒められたことないです(笑)。

人間褒められれば伸びるので、今後お互いに褒めあいましょう!(^^)!

Posted by: yama_eigh | Sunday, August 21, 2005 at 10:40

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