映画『電車男』
【7月10日特記】 今度は映画『電車男』を観てきた。ストーリーを全部知った上で観るのは知らないで観るのと随分条件が違う。
これだけしっかりした原作があるわけだから、あとはどうアレンジするかだけの問題である。BBSと映画というメディアの違いをどう変換して行くかの問題である。
そう思いながら観ていると、「おっ、なかなか上手!」という感じ。特に2ちゃんねるに書き込んでくる電車以外の人たちの処理の仕方が巧い。加えて彼らにも彼らなりのドラマを付加してある。ヲタクたちの妄想も巧く表現している。
電車の山田孝之もエルメスの中谷美紀も僕の持っていたイメージと全然違う(もっともエルメスが中谷似であることは電車本人が2ちゃんねるで書いている。今回はそれを踏まえてのキャスティングである)のだが、芝居がスムーズで違和感がない。
ところが映画は終盤オリジナル・ストーリーを展開し始めたので、途端にガクッと来た。
なにしろ原作は事実なのである(1人の人間というフィルターを通してはいるが)。どんなオリジナル・ストーリーも事実には敵わねーよ。
原作は膨大な量なので、それを間引くのは仕方がない。むしろどれを採るかが監督・脚本の腕の見せ所である。多少オリジナルのエピソードやインシデントを付け加えるも良し(書き込み人たちの描き方がそれに当たる)。ただ、やっぱり大筋は元の話に沿ってほしかったなあ。特にクライマックスへと至るところこそが「電車男」のキモなんだけどなあ・・・。
こういう風にストーリーを改竄しなければ映画にならないと判断するのであれば、僕なら映画化しないな。
ま、原作を知らない人は100%楽しめると思うけどね・・・。
おまいら、忠告しとくけど、スタッフ・ロールが始まってもまだ絶対席を立つなよ。
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