『語源ブログ』湯元俊紀(書評)
【7月26日特記】 手軽な仕事である。調べるのは主にネット。それで見つからなかったら図書館に行ったり古本屋を漁ったりする苦労まではしているのだが、基本的に見つけたらそれで終わり。苦労はそこまで。あとは引用あるのみ。
独自の掘り下げがあるわけでもなければ、調べてきたことを発展させて珍妙な新説を提起するわけでもない。気の利いた文章が書いてあるかと言えばそんなこともない。
世の中には「よくこんなものを調べようという気になるなあ」「普通はこんなこと調べようと思わないよ」などと感嘆する人もいるのだろうが、僕は「そんなこと調べようと思わないなんてことは全くない」タイプなので、ある種の近親憎悪なのかとも思う。
確かに、時代が求めているのはこういう仕事なのかもしれない。あまり固いこと言わずに脱力して読むと、全然知らなかった話もかなり載ってるわけで飽きはしない。難しくなくて適度にターゲットが狭くてお手軽──そのあたりが肝なのかなあ。なにせ賞を獲った人気ブログなのである。
ある種のネタ帳であると割り切って読んだら、結構興味深くもあり実用的な書である。
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