『NANA』完成披露試写会
【7月7日特記】『NANA』の完成披露試写会に行ってきた( 於/VIRGIN TOHO CINEMAS )。
もちろん、出資している会社の関係者だから招待状が来たのだが、決して仕事だから仕方なく見に行った訳ではない。
2300万部以上売れたという原作のコミックスは残念ながら1冊も読んでいない。大谷健太郎監督の前作『約三十の嘘』を見て次も見たくなったということもあるが、何よりも一番大きな理由として、僕は『EUREKA ユリイカ』以来宮﨑あおい(小松奈々役)の大ファンなのである。
見終わって思った。いやあ、宮﨑あおいって、やっぱりタダモノではない!
今までに宮﨑あおいの映画を見たことがない人は「単に演技が下手なんじゃないの?」と思うかもしれないくらい、ちょっと過剰気味の演技から入ってくる(その傾向は他の多くの出演者にも共通する)のだが、これが見ているうちに引き込まれてしまう。
そして、大谷監督の演出が目立たないところで冴えている。
実際に見て感じてほしいので大雑把にしか書かないけど、中島美嘉(大崎ナナ役)が発車寸前の電車から飛び降りるシーン(カメラの角度を見よ)、入浴シーン(背中を向かせる)、手を繋ぐところ、「ご褒美」をもらうシーン、等々非常に印象的。
秀逸なのは一番のクライマックスの何秒間かを宮﨑あおいのアップだけで済ませているところ。こんなことができるのは監督が宮﨑あおいの演技力に全幅の信頼を置いているからに他ならない。宮﨑あおいもそれに応えて見事な表情の変化を見せている。しかも、どんな表情を見せても、どの表情の時でも、彼女はめちゃくちゃ可愛いのである。
内容的にはざっくり言って若い人向けと言うべきなんだろうが、僕みたいなオヤジが見てもとても良かった(ま、珍しいオヤジかもしれんが)。
原作を読んでいないので原作にどれくらい忠実なのかを感じられないのが残念ではあったが、逆に原作を知らなくても充分面白かった。そして帰り道、若い観客たちの話し声に聞き耳を立てていたら、見事に誰も彼もが褒めていた。
この映画はイケるよ、きっと。(宮崎あおい)
ところで、9月3日公開の映画の試写会をこんなに早くやるのは、タイトルに因んで7月7日にこだわったのだろう。会場もスクリーン7だった。──というようなことに気づいたのは家に帰ってからだった。やはりオヤジは鈍いのだろうか?
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