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Sunday, May 29, 2005

中村さんはいずこ?

旧日本兵発見か、というニュースで、いつも引き合いに出されるのはなぜ横井さんと小野田さんばかりなのだろう?

とても不思議なのである。あの中村さんはどこへ行った?

僕の記憶では、小野田さんには(こんなことを書くと語弊があるが)「さすが帝国軍人の将校とはこんなに立派なものか」と感嘆させられたし、横井さんには「そこらへんにいそうなひょうきんなおっさんがこんな可哀想な目に遭って…」と同情させられた。そして、中村さんには悪いが、彼の記者会見場でのインタビューには正直言ってがっかりした。

話の内容にも話しっぷりにも品がなかったし、妻が再婚していたことに怒ったのも悪かった。兵隊の位としては中村さんが一番低かったわけで、僕は当時この差を位の差だと捉えていた。

そんなわけで中村さんは今に至っても引用されないのだろうか? 否、それは多分、中村さんが台湾の高砂族だからだ。

台湾人ということは日本の占領下にあったということだ。中村さんという苗字も日本式にあてがわれたものだ。そして兵役に駆り出されたのである。

その日本人の悪行に目を瞑りたいから、ニュースで中村さんのことに触れないのだろうか? 否、日本人ジャーナリストにはあまりそういうメンタリティはないはずだ。日本のジャーナリストがしばしば右方面から「亡国史観だ」と糾弾されるのはむしろ日本人の悪行を暴くことが多いからだ。

僕の想像ではこうだ。

「中村さん? あ、台湾人だし、過去の旧日本兵の例としては別に触れる必要ないんじゃない?」──それが今の日本のジャーナリストのメンタリティなのではないか?

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