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Saturday, January 29, 2005

『四色問題』ロビン・ウィルソン(書評)

【1月29日特記】 「全ての地図は4色で塗り分けられる」という定理の証明と聞いて興味をそそられて買ったのだが、最初のほうはフムフムという感じだったのが、最後のほうになるともう全くついて行けなかった。

それもそのはずで、偉い数学者たちでさえ訳がわからなくなる難しい問題であるらしい。ただ、ご心配なく。著者もその辺を見切ってのことなのだろうが、最初のほうは丁寧な説明が続くのであるが、半ばを過ぎてからは説明は骨子だけになって詳細は見事に割愛されている。

だから、決して読んでいて頭が痛くなる本ではない(とは言え、終盤は読んでいて2度ほど眠りに落ちそうになったが…)。ものすごく大雑把に言って前半は数学書、後半はルポルタージュというこの構成は成功である。

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Tuesday, January 18, 2005

『性の用語集』井上章一&関西性欲研究会(書評)

【1月18日特記】 まず著者名からして怪しい。代表者名とグループ名を「&」で繋ぐという、昔のムード歌謡グループみたない名前なのだが、その後半部分を見るととてもまともな人たちとは思えない。

アブナイ嗜好を持つ人たちによるキワドイ本ではないかと思ってしまいそうだが、しかし、実際本を手に取ってみると極めて真面目な研究者たちによるまともな研究報告である。

ところが、読み進むうちに、この真面目な研究者の中には大学の先生だけでなく、自身が筋金入りのニュー・ハーフである研究家もいることが判ってきて2度びっくりである。

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Thursday, January 06, 2005

『藁の楯』木内一裕(書評)

【1月6日特記】 奇想天外な話である。警視庁のSPである主人公が幼児誘拐殺人犯を福岡から東京まで護送するのであるが、被害者の祖父である財界の大物が犯人に10億円の懸賞金をかけたために、犯人の命を狙う者が次々と襲い掛かってくるという物語である。

最初、読み始めたときには何という薄っぺらい文章かと思い、そのことが引っ掛かってストーリーが追えないほどだった。

やたらと改行が多く、それに比例して叙述は淡白と言うのを通り越して貧弱である。単なる「あらすじ」とまでは言わないが、およそ小説とは言いがたい、あらすじと小説の中間みたいな存在だ。もっと文章力と構成力のある作家がちゃんとこれを書いたらもっともっと重厚な力作になるのにと思うと残念でならなかった。

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