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Sunday, October 24, 2004

『ガラテイア2.2』リチャード・パワーズ(書評)

【10月24日特記】 読み終えてすぐにまた一から読み直したくなった。これほど読むのに難渋したはずなのに、何故?

これは『舞踏会に向かう三人の農夫』に次ぐパワーズの邦訳第2弾である。あの本も読むのがずいぶんしんどかった。あまりに入り組みすぎていて、しかも難解だった。そして、この『ガラテイア2.2』もまた話が交錯する。

しかし、交錯すると言っても、この本では話はたった2つだ。主人公の作家リチャード・パワーズがコンピュータに言語を教えようとする話と、回想として挿入される、Cという女性とパワーズとの恋と破綻の物語。

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Wednesday, October 06, 2004

『歌い屋たち』なぎら健壱(書評)

【10月6日特記】 フォーク世代集まれ!

これは紛れもなくフォーク世代の本である。まかり間違ってもニュー・ミュージック世代のための本ではない。

読み始めてすぐに気になるのが、ブツ切れの文体。文章と文章が繋がっていない気がする。多分これは意図して書いたものではなく、こんな文章しか書けなかったのだ、と何の根拠もなく思ってしまう。プロの小説家ではなく所詮「歌い屋」が書いたものだから、という先入観だろうか?

しかし、そういう文章であるがゆえに非常に乾いた感じがして、これはこれで味がある。読み進むうちに気にならなくなるのだ。

しかし、それにしても、小説の途中で30年前に時代を遡ってからの展開がやけに遅い。そして、30年前の回想になる直前のシーンとやっとリンクしたかと思うと、あっという間に、かなり尻切れトンボ的に終わってしまうのである。

いや、テーマとしては一応完結しているのである。ただ、そのワン・テーマで小説書かれてもなあ、と言うか、もっと複雑なドロドロが一杯あって、それを必死で潜り抜けたところにこの簡潔なテーマがあったと言うのであればもっと納得できるのに、あまりにすんなり完結してしまっているところに小説としては恨みが残るのである。

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