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Monday, July 26, 2004

『球形時間』多和田葉子(書評)

【7月26日特記】 多和田葉子って、曲者。2年近く前に1冊だけ『容疑者の夜行列車』を読んでいて、あの本をイメージして買ったのにこれは全く違う!

あの本もちょっとねじれた、不思議でイミシンな時空間を描いていたけど、こっちはこっちで全然タッチが違って(なにせ主人公は女子高生! その分タッチが軽い。いや、はて? 果たして主人公は女子高生サヤなのか男色の同級生カツオなのか?)、こっちのほうがもっと曲者、ちゅうか何じゃこれ?

しかもドゥマゴ文学賞受賞作品と来た。ドゥマゴ文学賞って、何?

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Wednesday, July 21, 2004

『ヒューマン・ステイン』フィリップ・ロス 

【7月21日特記】 この精緻な構成! まるで語り手である作家が丹念に丹念に取材してまとめ上げた一篇のルポルタージュのようだ。とてもフィクションだとは思えない。

設定について具体的に語ってしまうとネタばれになってしまうので書けないのがとても残念だ。

この小説には大きな仕掛けがある。その仕掛けは早い段階で種明かしされてしまうのだが、それでも読者の気を逸らさない。登場人物の一人ひとりが作家ザッカーマンによって語られ、内面の見えない第三者的キャラクターとして放置されることはない。とても極端なシチュエイションに置かれた言わば極限状態の人間が多数登場する。そして、それぞれがザッカーマンの目で捉えられる。

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