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Sunday, April 25, 2004

『熱い書評から親しむ感動の名著』bk1 with 熱い書評プロジェクト(書評)

【4月25日特記】 僕が敬愛して止まない書評家・「夏の雨」さんが巻頭を飾っている。なんだか嬉しい気分。僕よりかなり年上かと思っていたが、プロフィールを読むと少しだけ上だった。で、彼が取り上げているのが『病牀六尺』──凡そ僕なんかが選ぶはずもない書物である。にも拘らず、この書評を読んでいるとこの本を読みたくなってくる──なんと正しい書評のあり方か!

あと楽しみにしていたのは「みーちゃん」さん。いつも僕とは全く異質の意見を述べられるので妙に気になって読んでしまう。残念ながら今回取り上げておられる本は僕の守備範囲ではなかったのだが、いつもどおりのキレのある文章は楽しい。例によってカバー(装丁)から説き起こすのだが、今回は珍しくその前に段落が1つある。いやはや、しかし、素人でこれほど毒のある文章を書ける人も珍しい。

「とみきち」さんが堀江敏幸を取り上げている。僕はこの作家の名前さえ知らなかった。ところが、「KANAKANA」さんも「ろこのすけ」さんも好きな作家として名前を挙げている。へえ、そんなに有名な作家だったのか、と思いつつ「とみきち」さんによる紹介文を読み進むとすぐに興味ムクムクになってくる。よし、買って読もう、と思う──これまた書評のあるべき姿。

他にもたくさん馴染みの書評家名が並ぶ。へえ、「ソネアキラ」さんってコピーライターだったんだ(他にも意外にプロの物書きが多いのにびっくり)。やたら守備範囲の広い「南亭骨怠」さん(ふーん、技術科教師で野宿ライダーでしたか)、碩学「オリオン」さん、ポップな「深爪」さん、頼りになる書評家が次々と現れる。

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Saturday, April 17, 2004

『ゲバゲバ70年!』大橋巨泉(書評)

【4月17日特記】 実は巨泉さんの下で何度か仕事をしたことがある(「巨泉さんと一緒に仕事をした」とは言わない。そういう立場ではなかったので)。

巨泉さんは巷で持たれているイメージ通りの人である。超ワガママなオヤジである。やたらと偉そうなオッサンである。僕が仕事をしたときも、一度決定したことを巨泉さんの鶴の一声でひっくり返されて右往左往することの繰り返しだった。

巨泉さんに関して業界には悪い噂がたくさんある。そのうちのいくつかはそのまま紛れもない真実なのかもしれない。しかし、残りのいくつかは尾ひれがついて面白おかしく誇張されたものであろうし、また別のいくつかは根も葉もない作り話であろうと僕は思っている。巨泉さんとはそういう人なのである。

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Tuesday, April 06, 2004

『黄昏の百合の骨』恩田陸(書評)

【4月6日特記】 僕のようなオジサンが、恩田陸のジュヴナイル小説と言っても良いミステリ群に夢中になって読み漁るのは、ひとえにこの作家の巧さ、筆の確かさによるところなのではないかと気づいた。

語彙の豊かさや表現力の多彩さと言った高度な点ではなく、まず語順や読点の打ち方の適切さ──作家としては当たり前のことかもしれないが、意外にちゃんとできていない人も少なくない──これがあるからこそ、書いてあることがすんなりと頭に入ってきて、読んでいて疲れない。読書が滑らかになるのである。

無論語彙も表現力も申し分ない。会話は会話らしく、決して会話で説明しようとはしていない。

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Friday, April 02, 2004

『コズモポリス』ドン・デリーロ(書評)

【4月2日特記】 書評は往々にしてあらすじを含むものだけれど、うーむ、書きたくないなあ、この本のあらすじ。

あらすじなんかを書いてしまうと、このまるで猥雑な詩のような文章が不必要に単純化されてしまうような気がしてならない。この本もまた『アンダーワールド』同様に読むのが結構しんどい本である。あらすじで書いてしまえば1行で済むようなことが何ページか難渋しながら読み進んでやっとおぼろ気に解って来る感じである。

もっともあらすじを書かなければならないほど(最後の場面を迎えるまでは)ストーリーに動きがあるわけでもない。巨大投資会社の若き経営者である主人公の日常が淡々と描かれるのみである。

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