『王国 その1 アンドロメダ・ハイツ』よしもとばなな(書評)
【10月13日特記】 書こうとしていることはよく解る。しかし、それがひしひしと伝わってくるかどうかと言えば2つに分かれるのではないか。
特に僕のようなオジサンには少ししんどかった。それは必ずしも僕がオジサンだから、あるいは男だからスッと沁み込んでこないというものでもあるまい。一部の人たちの心には乾いた土地に水が染み込むように入り込んで行くのだろうということは容易に想像がつく。
だが、読む人によっては、少女趣味と評されるのはマシなほうで下手するとイタイ奴というような捉え方をされるかもしれない。それほどに一部のカリスマなのである。
僕は嫌悪感を催すところまでは行かなかった。良い本である。透き通って、かそけき希望を漲らせている。
若い人は読みなさい。
オジサンはどうするか? うむ、オジサンが読むのは一種のバクチになるかもしれない。でも読んでげっそりしたオジサンは、心が薄汚れているという証拠かもしれない。そういう意味でバクチなのである。
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