« September 2002 | Main | November 2002 »

Sunday, October 13, 2002

『トム・ゴードンに恋した少女』スティーヴン・キング(書評)

【10月13日特記】 トリシア・マクファーランドという9歳の少女がメイン州の広大な森で何日間にもわたって遭難する話である。スズメバチに刺されたり谷から転げ落ちたり食物が尽きたりと次々と苦難が少女に襲い掛かる。

もっともっといろんな仕掛けがあっても良さそうなものだが意外に山場は少なく、また怖くもない。そういう意味ではこの小説はホラーではなく、ありきたりの冒険小説でもなく、言わば現代アメリカの家族とキリスト教とメジャーリーグの三題噺なのである。

Continue reading "『トム・ゴードンに恋した少女』スティーヴン・キング(書評)"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

『王国 その1 アンドロメダ・ハイツ』よしもとばなな(書評)

【10月13日特記】 書こうとしていることはよく解る。しかし、それがひしひしと伝わってくるかどうかと言えば2つに分かれるのではないか。

特に僕のようなオジサンには少ししんどかった。それは必ずしも僕がオジサンだから、あるいは男だからスッと沁み込んでこないというものでもあるまい。一部の人たちの心には乾いた土地に水が染み込むように入り込んで行くのだろうということは容易に想像がつく。

Continue reading "『王国 その1 アンドロメダ・ハイツ』よしもとばなな(書評)"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, October 05, 2002

『容疑者の夜行列車』多和田葉子(書評)

【10月5日特記】 13章からなる夜行列車の旅。長編というよりは言わば短編連作であるが、主人公はいずれも「あなた」(職業はダンサー)である。各章には主にヨーロッパの地名が振られているが、「どこどこにて」ではなく、例えば「イルクーツクへ」や「アムステルダムへ」であり、最後の章だけ「どこでもない町へ」となっている。

私はある書評で読んで最初から知っていたのだが、何故主人公は2人称であるのか、そして何故この旅は延々と続いて行くのかについての謎が終盤で解き明かされることになる。

Continue reading "『容疑者の夜行列車』多和田葉子(書評)"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« September 2002 | Main | November 2002 »