『オール・アバウト・セックス』鹿島茂(書評)
【6月8日特記】 これはもう少し堅い本かと思ったが、かなりイッてしまっている本だった。中身が中身だけにどうしてもイッてしまうのだ。
僕は自分では進歩的で寛容な性倫理の持ち主であると思っていたのだが、この本を読んでいるとさすがに「ギョエー!」と叫びたくなるような証言にもぶつかる。「性的衝動は常に非日常性を追求する」というのが僕の持論なのだが、そのことがこの本で紹介されている多くの事例によって実証されている。
しかし、それにしても、いやはやである。いやはや、世の中にはとんでもない人がいる。いやはや、まことにもってスケベ道を極めるのは大変な試練なのである。
内容的にはやや羅列感が強く、もう少し著者の手による総括めいたものがあったほうが良かったような気がする。時々ハウ・トゥ本みたいな実利的な記述にぶつかったりして(スケベ道を極めた人の証言を著者から又聞きする訳だが、素直に納得して「あ、これ今度やってみよ」なんて思ったりする)、そういうお得感もあるが、いずれにしても僕のようなお坊ちゃまが読むには少し早すぎたのかもしれない。
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