Thursday, February 06, 2020

「キネマ旬報」2月下旬号(2)

【2月6日 記】 さて、今年もキネマ旬報2月下旬号のデータを使って遊んでみましょう。毎年やってここに書いているので、もうあんまり細かい説明はしませんが、キネ旬ベストテンの投票データを分解するわけです。

これは統計学的には必ずしも正しい方法ではないですが、上位10本ぐらいで比較する限りはそれなりに正しく特徴を掴めるのではないかと思います。

キネマ旬報ベストテンは、2019年の邦画部門の投票で言うと、58人の審査員が合計55点を持って、1位には 10点、2位には 9点、…、10位には1点と入れて行きます(しかし、ここのところ毎年審査員の数が減っていますね)。そうやって得られた合計得点で順位が決められるわけです。

で、僕はそれを毎年分解しています。

まず、その作品に何人が投票したのかを確かめます。そして、その人数で得点を割ります。そうすると、その作品に票を投じた審査員1人当たりの平均得点が出ます。その平均得点と投票人数で、映画がどんな形で受けたのかを考えるのです。

つまり、投票した審査員の数は多いけれど平均得点は低い場合は広く浅く受けた映画、投票した審査員は少ないけれど平均点が高い場合は一部にしか受けなかったが深く刺さった映画──あ、結局わりと詳しく説明してしまいましたね。そろそろその結果を見てみましょう。

  1. 火口のふたり
    215点=33人×6.52点
  2. 半世界
    154点=25人×6.16点
  3. 宮本から君へ
    146点=25人×5.84点
  4. よこがお
    137点=22人×6.22点
  5. 蜜蜂と遠雷
    113点=16人×7.06点
  6. さよならくちびる
    111点=19人×5.84点
  7. ひとよ
    109点=17人×6.41点
  8. 愛がなんだ
    103点=18人×5.72点
  9. 嵐電
    102点=16人×6.38点
  10. 旅のおわり世界のはじまり
    101点=15人×6.73点

Continue reading "「キネマ旬報」2月下旬号(2)"

| | Comments (0)

Wednesday, February 05, 2020

「キネマ旬報」2月下旬号(1)

【2月5日 記】 「キネマ旬報」2月下旬号が今日発売になった。例年通り、年末に書いた「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」と突き合わせて行こう。

第1位と個人賞については昨日の記事に僕の思いを少し書いたので、まずは第1位から10位までのデータをずらっと並べてみよう:

  1. 火口のふたり
  2. 半世界
  3. 宮本から君へ
  4. よこがお
  5. 蜜蜂と遠雷
  6. さよならくちびる
  7. ひとよ
  8. 愛がなんだ
  9. 嵐電
  10. 旅のおわり世界のはじまり

なんと、ここまでに僕が「20位以内に入ってほしい」と思ったうちの5本が入っている(5、6、7、8、10)。こんなにたくさん僕の応援した作品がベストテンに入るのはここのところなかったことである。

残りの5本(僕が推してなかった作品)のうち、第1位の『火口のふたり』は、昨日も書いたように、僕が最初にリストアップした14本の中に含まれていたもので、それ以外の4本については僕が観ていない作品なので、今年はかなり確率が高い、と言うか、(予想ではなく応援なので)コスパが良いとでも言うべきか(笑)

Continue reading "「キネマ旬報」2月下旬号(1)"

| | Comments (0)

Tuesday, February 04, 2020

キネマ旬報ベストテン(1位のみ)

【2月4日 記】 毎年1月上旬には発表していたキネマ旬報ベストテンが、昨年から雑誌の売れ行きを考えてのことなのか、2月下旬号が出る前日まで受賞作品を伏せるようになりました。しかも、発表されるのは邦画/洋画の第1位と個人賞だけです。

で、とりあえず第1位が何かだけは判ったわけですが、これが開けてびっくり『火口のふたり』! 確かに良い作品でしたが、1位に来るとはちょっと予想していませんでした。しかも、瀧内公美の主演女優賞とのダブル受賞!

これは僕が毎年選んでいる『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本を選ぶ際に、最初にリストアップした 14本のうちから落とした作品です。だから、僕も高く評価しています。ただ、他に応援したい映画が多かったということ。

当時の映画評を読み返すと、

この映画は単に性を描いているのではない。愛を描いているのでもない。そこで描かれているのは微動だにしない性愛である。

そこがこの映画の抜きん出たところだ。とても印象の深い映画だった。

なんてことを書いていました。

Continue reading "キネマ旬報ベストテン(1位のみ)"

| | Comments (0)

Friday, December 27, 2019

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

【12月27日 記】 というわけ(前日書いた「前置き」参照)で『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観てきた。IMAX の 2D版である。

考えてみれば、同じような設定を何代にもわたって繰り返す、割合稚拙な設定の物語である(僕はこの物語にギリシャ神話の影響を見たりしないし、また今となっては「因縁」とか「因果」とかいう形容もしたくない)。

それをここまで面白く見させるというのは、もちろん特撮や CG の力もあるが、なんと言うかストーリー・ドライブの力であるように思う。

これはやっぱり大活劇なのである(僕はここで黒澤明の影響を語りたいとも思わない)。そして、今作がその大活劇の完結編。ああ、長いことかかって、やっと世の中が平和になって良かった──それが、それこそが全編見終わっての、偽らざる感慨である。

Continue reading "映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』"

| | Comments (0)

Thursday, December 26, 2019

STAR WARS 前置き

【12月26日 記】 明日『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観に行くのだけれど、その後で文章にするときに前置きがかなり長くなりそうだから、その前置き部分だけ先に書いておくことにする。

僕は SF(英語で言う Sci-Fi)のファンではなくて、スター・ウォーズの映画が始まったときも別に興味がなく、観に行かなかった。ただ、日本で公開される前に矢野顕子がラジオで「スターワーズがすごい」と力説していたのはよく憶えている。

で、全く興味を持たないままエピソード4, 5, 6 が終わってしまったのだが、結婚してから妻に「えっ、スター・ウォーズ観てないの?」と言われ、「面白いよ」と言われ、ちょうどその頃に WOWOW で一挙3本連続放送というのがあって、妻と一緒に7~8時間かけて家で一気見したのであった。

それが僕の人生初の、今で言う binge watching であったわけだが、確かに面白くて、それ以降は毎回妻と一緒に映画館に観に行っている。

ちなみに、僕がそれまで全く観ていなかったハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングやナルニア国物語などを結局全部見切ったのは妻の影響である。

Continue reading "STAR WARS 前置き"

| | Comments (0)

Tuesday, December 24, 2019

回顧:2019年鑑賞邦画

【12月23日 記】 去年も12月23日だったが、今年も今日「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」を選んでみた。2006年から毎年やっているから今回で 14回目である。

毎年毎年同じことを書いているが、これは必ずしも僕が選んだ今年の第1位から第10位ではない。そして、「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入るであろう邦画10本」ではなく、「入ってほしい10本」であり、つまり、僕の応援メッセージであり、引いては「僕はこんな趣味の人ですよ」という自己紹介みたいなものでもある。

そして、対象としているのは『キネマ旬報ベストテン』ではなく、「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内」である。

さて、今年映画館や試写会で観た邦画は 54本。とてもたくさん観た去年より 10本以上少ない。そんな中から 10本をチョイスするわけだが、今年の邦画は大豊作で、良い作品がとても多かったと思う。

そういうわけで、いざ選ぼうとすると6本までは即決したのだが、残りが優劣つけ難くなった。

「入ってほしい」というタイトルのニュアンスとして、当然評価の固まった大御所よりも、新進気鋭の監督へのエールみたいな要素が強くなるのだが、どうも結構名の通った監督の作品が多いのである。それで結局大御所も含めて 14本選んで、そこから4本落とすという作業になった。

まず、落としたのがこの4本:

ちなみに、『天気の子』にはとても感動したし、応援したい気持ちは山々と言うか雨あられと言うか、なのだが、これはどう考えてもキネ旬ベストテンに「入るに決まっている」作品なので、あっさり除外した次第。

で、残ったのがこの 10本である。毎年書いているように、これは僕の評価順ではなく、僕が観た順番である。

  1. チワワちゃん
  2. 空母いぶき
  3. 愛がなんだ
  4. さよならくちびる
  5. 旅のおわり世界のはじまり
  6. いちごの唄
  7. 蜜蜂と遠雷
  8. 惡の華
  9. ひとよ
  10. 決算!忠臣蔵

Continue reading "回顧:2019年鑑賞邦画"

| | Comments (0)

Sunday, December 22, 2019

映画『屍人荘の殺人』

【12月22日 記】 映画『屍人荘の殺人』を観てきた。木村ひさし監督。

特段観たいという気持ちもなかったのだが、今月中にもう1本見ないと、ここまで溜めてきた SMT Members のポイントがパーになると松竹さんが脅すので、丸の内か新宿のピカデリーで上映中の作品から選んだ。

浜辺美波、神木隆之介、中村倫也の出演。この3人だけでかなりの集客力があるのだろう。ほぼ満席であった。でも、彼らを目当てに劇場に来た人たちをどれだけ満足させられたのかは僕には分からない。

僕としては、せっかく人気も実力もついてきた役者さんたちなのだから、もう少し出演作を選ばないと自らの価値を毀損することになるのでは?と思うのだが、劇場を出たときに「面白かったね」「良かったね」などの複数の声が背後から耳に入ってきたので、今の時代はこういうのが良いのかもしれない。

原作の小説があって、いろいろ賞も獲ったらしいのだが、僕は多分この原作を読んでもあまり感心しないのではないかと思う。というのは、僕は謎解きはおろか、そもそも犯人探しにさえあまり興味がなく、ミステリを読むときにも一般の小説同様に人物が描けているかどうかを鑑賞しているからだ。

トリックとか謎解きとか、そういうことがヨダレが出るほど好きだという人向けではないだろうか?

Continue reading "映画『屍人荘の殺人』"

| | Comments (0)

Saturday, December 21, 2019

映画『カツベン!』の子役

【12月21日 追記】 一生懸命調べて判った。映画『カツベン!』で黒島結菜の幼少時代を演じていたのは藤田りんか。2008年生まれだが、芸歴は豊富だ。

http://www.charmkids.net/profile/fujita_rinka/

ちなみに大正末期の貧しい少女の衣装を髪型をした姿は、このプロフィール写真より遥かに可愛い。演技も素直で、ひょっとしたら10年後にはスターになっているかも。

成田凌の幼少時代を演じたのは牛尾竜威という少年であることも判ったが、こちらの写真は、ま、別にいいか(笑)

| | Comments (0)

映画『カツベン!』

【12月21日 記】 映画『カツベン!』を観てきた。周防正行監督。

僕は日頃から観たい映画をリストアップして Evernote に保存しているが、これが今年の邦画リストの最後の作品である。

周防監督はいつもそうなのだが、これ見よがしのカットがない。「どうだ俺のこの映像芸術は!」みたいなカットがほとんどないのである。そういうのを楽しむのも映画鑑賞のひとつだと僕は思うが、周防監督はそんな僕の(つまり映画通ぶった中途半端なド素人の)欲求に答えてくれない(笑)

とにかく設定とストーリーである。今回は無声映画の弁士の話。

まず少年時代の俊太郎と梅子(演じていた女優は何という子なんだろう。めちゃくちゃ可愛かった)のエピソードがあり、その2人が長じて、子供の頃のそれぞれの夢を実現し、一方は活動弁士に、他方は女優になるわけだが、その間を繋ぐ展開がとてもよく練られている。

上手に真似はできても弁士として独り立ちできない俊太郎(成田凌)はヤクザの安田(音尾琢真)に拾われてインチキ弁士となる。彼の役割は旅回りの活動写真の上映で観客を釘付けにすること。その間に安田の一味が留守宅に忍び込んで窃盗の限りを尽くす。

ところが、その悪事がバレて、子供の頃から映画館によく来ていた刑事・木村(竹野内豊)に追われる身となって、転げ込んだのが青木夫妻(竹中直人、渡辺えり)が経営する靑木館という映画館。

そのライバル館を経営するのがこれまた橘というヤクザ(小日向文世)で、安田はその部下に収まっている。そして、そこにかつての梅子が名前を変えて女優・松子(黒島結菜)となって現れる。

そんな設定である。そのひねった設定が結構面白いドタバタの展開を産む。いや、ドタバタ喜劇とかスラップスティックとか言うよりも、これはやっぱり活動大写真のテーストでありトーンであり、監督も間違いなくそこを意識して作っている。

Continue reading "映画『カツベン!』"

| | Comments (0)

Monday, December 09, 2019

2019邦画トキメキ祭り(ALiS から転記)

【12月9日 転記】 (以下は ALiS に投稿した文章ですが、映画の話なのでここにも転記しておこうかと思います。年末の企画に合わせて書いたもので、別に今年のベスト3を選ぼうなどと大それたことは考えずに、#2019トキメキ祭りという企画名に合わせた軽い読み物のつもりです)

《2019邦画トキメキ祭り》

2019年はこれまでのところ、映画館/試写会場で 52本の邦画を観ている。まだ増えると思うが、2019トキメキ祭りの締切が迫っているので、ここで打ち切って 2019年日本映画トキメキTOP3 を選びたい。 

次点『チワワちゃん』 

二宮健監督。岡崎京子の漫画が原作。この、まるでミュージック・ビデオみたいな、でも、映像でしか表せないものをしっかり映像で表した「青春の自爆テロ!」を観て、トキメかないはずがない。

ただ、チワワちゃんに扮した門脇麦という女優が昔からあまり好みでないので、僕の中では惜しいかな次点。 

第3位『さよならくちびる』 

久しぶりの塩田明彦監督。こちらにも門脇麦が出ているが、僕のトキメキはフォーク・デュオ“ハルレオ”のハルではなく、レオ役の小松菜奈。レオはハルに拾われたようなもんだし、ギターもハルに教わったし、レオが好きなシマ(成田凌)はハルにぞっこんだし…。 

そんな劣等感を抱いたレオがハルとマネージャーのシマとの3人でツアーを回るロード・ムービー。キツイぞ、これは。奔放そうに見えてレオの胸中は嵐が吹き荒れている。この小松菜奈にトキメかずにどうする? 

第2位『惡の華』

原作は押見修造の強烈な漫画。敬愛してやまない井口昇監督。そして、脚本は岡田麿里。

ボードレールの『惡の華』など、難しい本ばかり読んでいる中2の春日(伊藤健太郎)が、ある日教室でクラスのアイドル佐伯(秋田汐梨)の体操服を拾い、ついついブルマーを顔に押し当てて匂いをかいでしまう。ところが、それをクラスの問題児・仲村(玉城ティナ)に見咎められて、そこから春日は被虐と官能の地獄に堕ちて行く。

この玉城ティナのめくるめく惡の女王にトキメかずにどうする? 最後に咲く惡の華も怖い。

第1位『愛がなんだ』

『さよならくちびる』にも出ていた成田凌に岸井ゆきのがメロメロに恋をする話。原作は角田光代。監督は今年『アイネクライネナハトムジーク』でも注目された今泉力哉。

痛い痛い、行き場のない物語。僕にはこういう愛は全く共感できない。テルコ(岸井ゆきの)もワケ分からんが、マモル(成田凌)がこれまたひどすぎる。ナカハラ(若葉竜也)がまた異常である。でも、そんな彼らの愛のあり方にどこか惹かれてしまう。

夜の路上で突然ラップを歌い始める岸井ゆきのにトキメかずにどうする?


今年の日本映画はものすごい豊作でした。あまり映画館に行かない人もたまにはご覧あれ。トキメきますよ。

| | Comments (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

iPhone おすすめサイト ことば アニメ・コミック ウェブログ・ココログ関連 ギャンブル グルメ・クッキング ゲーム サイト更新情報 スポーツ ニュース パソコン・インターネット ファッション・アクセサリ プレイログ ペット 今日のBGM 仕事 住まい・インテリア 学問・資格 心と体 心に移りゆくよしなし事 恋愛 携帯・デジカメ 文化・芸術 文学・歴史 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ考 映画・テレビ評(05) 映画・テレビ評(06) 映画・テレビ評(07) 映画・テレビ評(08) 映画・テレビ評(09) 映画・テレビ評(10) 映画・テレビ評(11) 映画・テレビ評(12) 映画・テレビ評(13) 映画・テレビ評(14) 映画・テレビ評(15) 映画・テレビ評(16) 映画・テレビ評(17) 映画・テレビ評(18) 映画・テレビ評(19) 映画・テレビ評(20) 映画・テレビ評(21) 書籍・雑誌 書評 書評(02) 書評(03) 書評(04) 書評(05) 書評(06) 書評(07) 書評(08) 書評(09) 書評(10) 書評(11) 書評(12) 書評(13) 書評(14) 書評(15) 書評(16) 書評(17) 書評(18) 書評(19) 書評(20) 書評(21) 経済・政治・国際 美容・コスメ 育児 舞台 芸能・アイドル 趣味 関西・関西人 音楽 音楽追悼文