Sunday, February 12, 2017

映画『サバイバルファミリー』

【2月12日特記】 映画『サバイバルファミリー』を観てきた。

大体において邦画の予告編というものは最後のカットでスタッフを10人か20人一覧で出して終わりである。

ポスターなども用紙の下の方にぐちゃっと小さい字で書いてあるだけのことが多く、作品を監督で選んでいる僕としては大変困るのである。せめて監督名だけでもフォントを大きくするか色を付けてくれないかといつも思う。

ところが、この映画の予告編は珍しく冒頭で「あの『ウオーターボーイズ』や『スウィングガールズ』を撮った矢口史靖」という打ち出し方をしており、僕はその瞬間にこれは観ようと決めていた。

矢口監督は『スウィングガールズ』のあと『ハッピーフライト』『ロボジー』『WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜』と3本の長編を撮っている。僕はいずれも観ており、決して駄作だったとは思わないのだが、評判という意味ではここんとこパッとしなかった感がある。

その監督をこういう風に打ち出す宣伝ができ上がって来るということは、やはりこの業界にたくさんファンがいるということなのだろうと思う。

さて、矢口監督の作品ではタイトルが英単語2つでできていることが多く、その英単語の切れ目に中黒「・」を入れない主義なので切れ目は分かりにくいが、でも、映画の内容をいつもストレートに表している。

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Friday, February 10, 2017

映画『咲 saki』

【2月10日特記】 映画『咲』を観てきた。

女子高生の麻雀ドラマ。漫画の原作があって、それがドラマ化されて、その続編が映画化されたもの。実写化が発表されたときには原作のファンからブーイングの声が上がったらしいが、いざでき上がってみると結構好意的に迎えられているとのこと。

例によって僕は原作漫画の存在さえ知らなかったしテレビ版も見ていない。さらに最後に麻雀をしたのが何年前だったかさえ思い出せない。

この映画をこれから見ようかと考えている人は基本的にしょっちゅう麻雀をしている人で、恐らく大半が原作のファンだろうから、僕のこの文章は参考にも何にもならないとは思うが、まあ、麻雀やってなくて原作知らない人が見た意見として一応書いてみることにする。

映画は女子高生の麻雀の県大会から始まる。

それまでに登場人物たちのいろんな出会いがあり、いろんな設定の説明があったのでだろうと思うのだが、その辺りはすでに観客は知っているものとしてすっ飛ばされる。時々回想シーンが入るのだが、ごくごく短いシーンなので、この映画で初めて見る人には何のこっちゃ分からない。

でも、これが面白いのである。まるでマンガだ。いや、マンガなんだから当たり前なんだが(笑)

ほんとに馬鹿馬鹿しい。昔の漫画に例えると、『ドカベン』での岩鬼の悪球打ちや殿馬の秘打「白鳥の湖」と同じくらい馬鹿馬鹿しい。で、同じくらい楽しめる(笑)

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Saturday, January 28, 2017

映画『本能寺ホテル』

【1月28日特記】 映画『本能寺ホテル』を観てきた。予告編を見てなんだか『プリンセス・トヨトミ』に似てるなと思ったら、まさに同じスタッフが作った映画だと言う。いずれも監督は鈴木雅之、脚本は相沢友子。

『プリンセス・トヨトミ』は僕の周りでは甚だ不評を買っていたが、僕は割合好きな映画だった。

今回の『本能寺ホテル』は、都内の映画館に関しては、今日から軒並み1日2回上映になっているので入りが悪いのだろうと想像したのだが、でも、僕が見た回はほぼ満員だった。

結構面白いではないか。まず、カメラワークが面白い。あざとくよく動く。ぐるぐる回る。そして、人物を縦に並べる。ワンショットであっても、カメラのこちら側に人が相対しているのが感じられる。そして引いた画で横の動きを捉える。

結婚相手の親に会うために京都にやってきた娘・繭子(綾瀬はるか)が、宿泊した本能寺ホテルのエレベータの中で本能寺の変の前日の本能寺にタイムスリップする話である。

ポイントは、繭子がタイムスリップしていつまでも現代に戻れず、ついに観念してこの時代の人間と生きて行くというような設定ではなく、割合短時間で現代に戻ってきて、また、何度も繰り返しタイムスリップするという点である。

しかも、タイムスリップのやり方を掴んで行ったり来たりするのでなく、自分でもどうやったら行けるのか分からないまま行ってしまうところが面白い。これが今までのタイムスリップものと違うところだ。ストーリーは2日で終わる。

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Saturday, January 21, 2017

映画『牝猫たち』

【1月21日特記】 映画『牝猫たち』を観てきた。ロマンポルノのリブートと銘打たれたシリーズである。

僕は決してロマンポルノを低く見たりしていない。日活ロマンポルノが始まったときはまだ見られない年齢だったが、後期は何本か見ているし、気に入った作品もあった。

日活ロマンポルノが数々の名監督を輩出していることも承知しているし、今回のリブートにも名だたる監督が参加していることも知っている。

それでも今まで1本も見なかったのは、今さらロマンポルノでもあるまい、という気持ちからである。

あの当時のロマンポルノは、紛れもなく男が性欲を満たすために見るものであった(あるいはむしろ性欲を紛らすため、あるいは逆に性欲を掻き立てるために見る人もいたかもしれない)。

今やそんな目的のために映画館に足を運ぶ必要はない。もっと簡便にもっと強烈なものをネットから仕入れることができる。当時あの程度の表現で男たちの妄想を掻き立てられたのは、つまりはそういう時代であったということである。

小さな館とは言え、上映30分前から満席売り止めというのにも驚いたが、もっと驚いたのは女性客が多いこと。僕らがションベン臭い小屋でロマンポルノを観ていた時代には女性客なんて一人たりともいなかった。

つまり時代が違うのである。その違う時代にもう一度ロマンポルノをと言われてても見る気にはならなかったのである。

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Sunday, January 15, 2017

『僕らのごはんは明日で待ってる』タイトル考

【1月15日追記】 昨日、映画館内のショップでこんなやり取りをした:

「パンフレット(を買うの)はここでいいんでしょうか?」
「はい。どの映画でしょうか?」
「えっと、僕らの、僕らの…」
「僕らのごはん、ですね」

タイトルが変な日本語だから憶えられないのである。

家に帰って、妻に「何の映画観て来たの?」と言われてタイトルを教えると、「何それ? 日本人が書いてるの? 文法がおかしいよ」と言われた。確かにその通りなのである。

でも、一晩経って漸くその意図するところが解ってきた。

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Saturday, January 14, 2017

映画『僕らのごはんは明日で待ってる』

【1月14日特記】 映画『僕らのごはんは明日で待ってる』を観てきた。瀬尾まいこの小説が原作であることは後から知った。僕が見に行ったのは監督が市井昌秀だったから。市井昌秀監督の前作『箱入り息子の恋』がとても良かったから。WOWOW で放送した『十月十日の進化論』も良かった。

あの映画は『逃げるは恥だが役に立つ』で去年大きな話題になった星野源を主役にしていた。市役所勤めの異常に几帳面な35歳・童貞の恋のお話で、今から思うとまるで逃げ恥の前日譚のような映画だった。

そして市井監督は今回もやや変わったタイプの人間を主人公にしている。乱暴に言ってしまうと、男も女もフツーの人とはちょっとずれた変わり者カップルの話。自分がそうだから、ということもあるが、僕はこういうのにとても惹かれてしまう。

映画はこのカップルの高校1年から就職までの7年間ほどを描いている。

葉山亮太(中島裕翔)はウルトラ・ネガティブな発想の持ち主。いつも人が死んだ小説ばかりを読み、教室でひとりたそがれているのでクラスに友だちがひとりもいない。

みんなが敬遠して話しかけたりしない亮太に、しかし、クラスメートの上村小春(新木優子)はお構いなしに話しかけ、ずけずけと意見したりする。そんな小春はウルトラ・ポジティブな発想の持ち主だが、どこか根気が続かないところがある。

亮太は兄を病気で亡くしており、小春は父親が誰か知らず母親には棄てられて祖母と2人で暮らしている。そういう経験や環境が今の彼らを作っている。

だが、小春は亮太の上辺を見るのではなく、亮太の内面の、しかも他の人は誰も評価しないところを評価しており、実は中学時代から亮太のことが好きだったのである。

この新木優子という女優、僕は今まで全く知らなかったのだが、筆舌に尽くしがたいほど良い。

まずめちゃくちゃ可愛い。造作だけでなく表情が可愛い。そして、小春の明るいところ、前向きなところ、意外に頑固なところ、健気なところなど、全ての側面を余すところなく演じきっている。僕は呆けたように見入ってしまった。

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Friday, January 13, 2017

『チア☆ダン』マスコミ試写会

【1月13日特記】 映画『チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』のマスコミ試写会に行ってきた。3/11ロードショーの作品。

大人たちがこういう映画を観ると「子供騙しの青春ドラマ」だと言うかもしれない。確かにそういう感じ方も解らないわけではないのだが、でもよく描けている、というのが僕の正直な感想。

確かに彼女たちのチアダンスが全米の大会で優勝するまでのレベルには見えない。でも、決勝については粗が見えないように巧い撮り方をしていたし、何よりも出演者たちがとてつもなく練習したのだなということはしっかり伝わってきた。

「役者という職業は大変だ。こんなことまで習得しなきゃいけないんだから」と、おじさんはそんなことを思いながら見入ってしまった。

脚本を書いたのは林民夫で、僕は昔から結構贔屓にしている。ベースはコメディ調になっており、まるで漫才みたいな台詞も出てくるのだが、この作家はこういうトーンのものも書けるというのは新たな発見だった。

筋はタイトルが示すとおりで、そこに結末まで書かれている。福井県の高校が全米で優勝するという設定は普通であれば嘘っぽくなってしまうのだが、そのこと自体は事実であるとタイトルで宣言してしまっているのが巧い。

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