「キネマ旬報」2月下旬号(2)
【2月7日記】 さて、例年通り同じタイトルに(2)という番号を振ってキネ旬ベストテンの採点表分析の記事を書きます。
キネマ旬報ベストテンは各審査員(今年の日本映画は66名)が1位から10位までを選び、その1位には10点、2位には9点…、10位には1点が割り振られるシステムです。
僕は毎年『キネマ旬報』2月下旬号についている採点表を見ながら、各映画が何名の審査員によって票を投じられたか、そして、票を投じた審査員の平均点は何点かを割り出して、総得点=投票○人×平均△点という形に分解してみるのです。
考えれば分かるように、点を入れた審査員の数が多ければ、それぞれの点数がそれほど高くなくても結果として高い点数を集めることになります。逆に、人数がそれほど多くなくても、個々の審査員のつけた点数が高ければ、これまた高得点になります。
僕は合計点を上記の手法で分解することによって、大衆に人気のあった作品なのか、通に受けた作品なのかを見ようとしているのです。
毎年書いているように、これは統計学的に正しい手法ではありません。ただ、(上位10本に限ってやるのであれば)これでもざっくりとした傾向を捉えるには役立つのではないか、と言うか、単に自分でやってみて面白くて仕方がないので毎年やっている次第です。
早速、今回の結果を見てみましょう:
- 夜空はいつでも最高密度の青色だ
314点=45人×6.98点 - 花筐/HANAGATAMI
242点=31人×7.81点 - あゝ、荒野(前後篇)
237点=33人×7.18点 - 幼な子われらに生まれ
195点=29人×6.72点 - 散歩する侵略者
172点=29人×5.93点 - バンコクナイツ
164点=25人×6.56点 - 彼女の人生は間違いじゃない
117点=16人×7.31点 - 三度目の殺人
110点=23人×4.78点 - 彼女がその名を知らない鳥たち
103点=21人×4.90点 - 彼らが本気で編むときは、
100点=15人×6.67点
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