Monday, February 06, 2017

「キネマ旬報」2月下旬号(2)

【2月6日特記】 さて、一昨日の記事タイトルが(1)なら当然(2)があるはず。ということで、今年もやります。キネマ旬報日本映画ベストテン採点表の分解と分析:

キネ旬の投票は各審査員(2016年度の日本映画の場合は「本誌編集部」を含む64名)がそれぞれ55点を持って、1位には10点、2位には9点、3位には8点、…、9位には2点、10位には1点を投じるシステムです。

僕はこれを毎年、1)何人の審査員が投票したか、2)投票した審査員1人あたりの点数は何点か、を調べて「得点=○人×平均△点」という形に分解してみます。

そうすることによって、a)点数はそれほど高くないけれど多くの審査員が投票した【広く人気のあった作品】と、b)投票人数は少ないけれどそれぞれが高い点数をつけた【思い入れ度の高い作品】の区別がなんとなく見えてくるからです。

統計学的に正しい手法かと問われると心もとないですが、1位から10位ぐらいまでに限定してやるのであれば、そこそこ妥当な傾向が明らかになると僕は感じています。

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Saturday, February 04, 2017

「キネマ旬報」2月下旬号(1)

【2月4日特記】 『キネマ旬報』2月下旬号が発売されたので、今年もその全ランキングと、僕のブログの記事「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」との突き合わせをします。

1位から10位についてはすでに 1/10 の記事に書きました。

今回、僕の興味の焦点のひとつは、ベストテンから漏れた『君の名は。』は一体何位に入っているのか?であり、もうひとつは公開が早かった『ピンクとグレー』が果たしてどのくらい評価されているかということでした。

後者については後述しますが、前者は予想通り20位以内ではありますが、第13位というのは予想を下回っていました。

何度も書いているように僕は2016年のベストは『シン・ゴジラ』だと思っていて、記録的な興行収入をおさめた『君の名は。』をそれほど極端に称揚しているわけでもないのですが、これはちょっと残念です。

『この世界の片隅に』がぶっちぎりの1位、『聲の形』が第27位というのと合わせて考えると、申し訳ないけれど審査員のアニメを評価する眼にちょっと不満を覚えます。アニメを観る際に画の力と美しさを評価せずにどうするのでしょう?

さて、今回はバラバラと書き始めてしまいましたが、例年通りキネ旬ベストテンの第11位以下、順位に沿って僕が観た映画を拾ってみましょう。

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Tuesday, January 10, 2017

キネマ旬報ベストテン

【1月10日特記】 さて、今年もキネマ旬報ベストテンが発表されました。毎年やっているように、僕が選んだ「キネマ旬報ベストテンの20位以内に入ってほしい邦画10本」と見比べながら総括したいと思います。

まずは今日発表になった第90回キネマ旬報ベストテン:

  1. この世界の片隅に
  2. シン・ゴジラ
  3. 淵に立つ
  4. ディストラクション・ベイビーズ
  5. 永い言い訳
  6. リップヴァンウィンクルの花嫁
  7. 湯を沸かすほどの熱い愛
  8. クリーピー 偽りの隣人
  9. オーバー・フェンス
  10. 怒り

いやあ、今年は驚きましたね。ひとつは『この世界の片隅に』が1位だったこと。もうひとつは『君の名は。』が10位以内に入っていなかったこと。

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Monday, January 02, 2017

続 STAR WARS SAGA

【1月2日追記(昨日の記事の続き)】 エピソードVI まで見終わった。ここまで見終わるとやはり IV ~ VI と I ~ III の間にかなりの齟齬が出てきた。

IV ~ VI での台詞や説明と I ~ III のそれとの間で明らかに食い違っている点がある。ルーカスは最初から9部構成で考えていたと伝えられているが、最初から決して細部まで出来上がっていたわけではないということだ。

それにしても矛盾をそのまま見せつけられるとは少しがっかり。

まあ、それはそれとして、逆にかなり綿密に練られてしっかり布石が打たれているのを感じる点があるのも確かではある。

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Sunday, January 01, 2017

STAR WARS SAGA

【1月1日特記】 年末年始の休みを利用して『スター・ウォーズ』サーガを見直している。WOWOW から既にエピソード I ~ VII を録画してあったのを夫婦で見ているわけだ。

どの順番で見ようか、少し迷ったのだが、結局製作年度順ではなく、エピソード順、つまり時系列に沿った物語の展開をなぞることにした。

エピソード I, II, III のほうが IV, V, VI よりかなり後に作られているので、この順番で見ると途中から CG や特撮がチャチになるのは覚悟の上だ。

で、先ほど IV を見終わった。ここまで見て改めて気づいたことを書いておきたい。

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Thursday, December 29, 2016

ニューフェイスとブレイク

【12月29日特記】 キネマ旬報ベストテンもそうだし、日本インターネット映画大賞もそうなのだが、いろんな賞の中で「新人賞」とか「ブレイク・アーティスト賞」とかいうものに時々違和感を覚える。

かつてプロ野球の新人賞は、その年度に入団した選手しか受賞資格がなかった。それが、いつの間にか「入団何年以内」とか「出場試合数何試合以下」みたいな形に緩和されて、2年目、3年目の選手が受賞するようになった。

僕はそれがなんか未だに割り切れない。それは「新人」ではないではないか、と思うのである(これはもちろん運営の問題ではなく、賞の名前の問題である)。

それと同じで、いろんな映画賞の新人賞には新人でない人が結構選ばれる。僕が「この人は新人ではないな」と思って想定外だった人が選ばれる。

例えば一昨日投票した日本インターネット映画大賞でも、僕は『ヒメアノ~ル』の佐津川愛美に投票しようとしてふと考えてしまった。

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Tuesday, December 27, 2016

2016年度日本インターネット映画大賞(日本映画部門)投票

【12月27日特記】 今年はお誘いが来ていないが、例年通り日本インターネット映画大賞(日本映画部門)に投票してみることにした。今回が 11回目の投票。

今年はレギュレーションが少し変わったようだ。一番大きな変化は選べる作品数が最大 10 から 5 に減ったこと、持ち点合計が 30点から 15点に減ったことだ。

そして、主演と助演に分かれていた男優/女優賞が最優秀男優/女優賞に一本化された。これは少し残念だったので、【私(ユーザー名)が選ぶ○×賞】で勝手に復活させてもらった。

さて、以下がルールと僕の投票である:

[作品賞投票ルール(抄)]

  • 選出作品は3作品以上5作品まで
  • 選出作品は2015年1月~2016年12月公開作品
  • 1回の鑑賞料金(通常、3D作品、4DX作品、字幕、オムニバス等)で1作品
  • 持ち点合計は15点
  • 順位で決める場合は1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点を基礎点
    作品数で選ぶ場合は3作品各5点、4作品各3.75点、5作品各3点
    自由に点数を付ける場合は1点単位(小数点は無効)とし1作品最大点数は10点まで可能
  • 各部門賞に投票できるのは個人のみ
  • ニューフェイスブレイク賞は男優か女優個人のみ
  • 音楽賞は作品名で投票
  • 私(ユーザー名)が選ぶ○×賞は日本映画外国映画は問いません
  • 日本映画作品賞に3作品以上もしくは日本映画部門賞に2部門以上の投票を有効票
  • 以上のルール満たさない場合は賞の一部を無効

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Sunday, December 25, 2016

映画『ローグ・ワン』

【12月25日特記】 映画『ローグ・ワン』を観てきた。3Dバージョン。

『スター・ウォーズ』エピソード1の前日譚だとばかり思い込んで観に行ったのだが、3と4の間の話だった。

で、残念ながらあまり書くことがない。面白くなかったというのではないのだが、やっぱり、これまでに公開された7本を観ている人は観るしかないよね、という感じで観に行っているので、それほどの新鮮さがないのである。

VFXがすごいなんてことはこのシリースでは当たり前で、改めて書くようなことではないのである。初めて観たときには確かに驚いたのだけれど、慣れって恐ろしいものである。

今回は話にそれほどの起伏はなく、このシリーズを貫いている運命の試練の影も薄く、人物造形もやや平板であまり際立った特徴付けはなく、ヨーダやチューバッカ、ジャバ・ザ・ハット、ジャー・ジャー・ビンクスみたいな印象的な造形も少ない。

出て来るロボット K-2SO も R2-D2 や C-3PO、BB-8 ほどの愛嬌もない。

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Saturday, December 24, 2016

回顧:2016年鑑賞邦画

【12月24日特記】 今年も恒例の「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」を選んでみる。

今年は45本の邦画を見たが、そのうち『破門 ふたりのヤクビョーガミ』は来年公開なので、これを外して、その代わりに昨年のうちに試写会で見た今年公開の映画『エヴェレスト 神々の山嶺』を加えた45本から選んでみる。

で、毎年書いているように、これは「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入るであろう10本」ではなく「入ってほしい邦画10本」であるから、今年のベストテンを当てようとしているのではない。

と言いながら、「入るであろう」と「入ってほしい」はそれほど大きな違いもなく毎年書いてきたような気もするので、今年は思い切って『シン・ゴジラ』『君の名は。』を除外してから選考を始めることにした。

この2本は間違いなく「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入るであろう」映画である。いや、この2本は間違いなく入るのである。入ってほしくないかというと全然そんなことはなく、もちろん入ってほしいのだが、しかし、僕がどう思おうがそんなことには関係なく、この2本はベストテンに、しかも、かなりの上位に間違いなく入る映画なのである。

だから、今年はそれを外してみた。それで10本を選ぶとこうなった。例年通り、これは僕が観た順であって、評価の高い順ではない。

  1. ピンクとグレー
  2. リップヴァンウィンクルの花嫁
  3. 海よりもまだ深く
  4. ヒメアノ~ル
  5. 葛城事件
  6. セトウツミ
  7. 怒り
  8. 湯を沸かすほどの熱い愛
  9. アズミ・ハルコは行方不明
  10. ぼくは明日、昨日のきみとデートする

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Friday, December 23, 2016

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

【12月23日特記】 映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を観てきた。

この映画を語るにはどうしても多少ともネタバレにならざるを得ないので、「これから観るので予備知識は持ちたくない」という人は読まないでほしい。

さて、敬愛してやまない三木孝浩監督の作品である。今回も青春恋愛ものではあるが、タイトルから想像がつくように、若干 SFフレーバー付きのファンタジーでもある。

舞台は京都(なのに、関西弁を使う人がひとりも出て来ないことにかなりの違和感はあったが)。美大に通う南山高寿(福士蒼汰)が、通学中の叡電の中で美容師の学校に通っている福寿愛美(小松菜奈)に一目惚れするところから始まる。

この場面、福士蒼汰は初々しさ、奥手さを出そうとしたのだろうが、少し作り過ぎで、やや硬い。出だしからそれがえらく気になったのだが、しかし、この映画は高寿の変化を描くのがメインだから、こういうメリハリの付け方も仕方がないのかな、と見終わってから思ったりもした。

一方、僕が小松菜奈を初めて見たのは映画『渇き。』で、このときはとんでもない新人女優が出てきたものだと驚愕した記憶がある。あの時以来、どちらかと言うと手に負えない少女、気の強い娘、扱いづらい女といったイメージが強かったが、今回の映画では心優しく気丈な女性を本当にしっとりと演じている。

後ろ髪を結ぶときのうなじとか、抹茶ロールを齧った時に唇にかすかについた白いクリームとか、今回も三木監督は小道具と小技をたっぷり揃えて女優の魅力を描き出している。

おじさんたちはこういう恋愛物をとかくバカにしがちだが、カットの割り方、光の当て方、それぞれのエピソードの綴じ方など、どれを取っても天下一品の技巧で、他の監督に任せたら絶対こんな風には撮れないと思う。

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